【特別増刊・拡散希望】 奇 襲 | ナベちゃんの徒然草

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還暦を過ぎ、新たな人生を模索中・・・。

私のような昭和世代の方ならご存知のはずですが、原爆投下も知らない今時の若者は、おそらくこの史実も知らないはず・・・ということで、特別増刊として記事をアップさせていただきます。

今から82年前の1941(昭和16)年12月8日(現地時間7日)に日本海軍がハワイ・真珠湾を奇襲攻撃、また英領マレー半島に上陸したことから、今日は


 対米英開戦記念日

とされています。

12月2日、大本営から 「ニイタカヤマノボレ一二〇八」 という暗号電文を受けた日本海軍機動部隊がハワイ諸島に接近。

2度にわたる航空機の波状攻撃によりアメリカ太平洋艦隊が受けた損害は、戦艦5隻沈没・駆逐艦2隻沈没・戦艦3隻中破等、兵士の戦死者2,345名という甚大なものでした。

 

     

 

日本軍はこの攻撃の成功により西太平洋の制空権を掌握し南方攻略を進めることができたものの、地力の差は如何ともしがたく・・・ミッドウェー海戦(↓)から敗北を続け、3年8ヶ月後には敗戦を迎えることになるのですが。

 

 

この真珠湾攻撃は、宣戦布告前の卑劣な攻撃だったと言われます。

※同作戦を指揮した山本五十六連合艦隊司令長官がこの奇襲前に宣戦布告することに拘ったのは、まさにこの批判を浴びアメリカの敵愾心に火をつけることを恐れたからでした。

 

それは、コーデル・ハル米国務長官に宣戦布告文書を手渡したのが、真珠湾攻撃が始まってから約1時間経過していたことに対する非難なのですが・・・この経緯については、同じ日本国民でありながら、私は外務省筋のあまりに杜撰な対応に擁護する言葉がみつかりません。

 

当時は野村吉三郎駐米大使と来栖三郎特命全権大使の2名が対米交渉にあたっており、11月26日にハル米国務長官から、いわゆる〝ハル・ノート〟(↓)を受け取っていました。

 

 

日本には到底呑めない条件が並ぶこの文書を見れば、最悪の状況(開戦)も十分あり得ることが容易に想像できたにもかかわらず、米国の日本大使館には緊張感がなく通常勤務体制のまま。

職員の中には新築した自宅に入れる家具を真剣に探し回る者もいたとか。

 

そしてハル・ノートに対する回答文書が本国より開戦前夜から当日未明にかけて暗号電文で送信されたのですが、大使館職員は前夜宿直も置かずに同僚・寺崎一等書記官の送別会に出席。

また当日が日曜日だったためにタイピストが休みで、この電文を英訳・清書するのに奥村勝蔵一等書記官が手間取り、おまけに野村・来栖両大使は、当日行われた日本人陸軍士官の葬儀に参列していたとのこと。

 

      

        左からハル長官・野村大使・来栖特命全権大使

 

さらに驚くべきは、ハル長官自身がその時点で既に日本側の暗号電文を傍受・解読された文書を入手しており、真珠湾攻撃の報告も事前に受けていた一方で、おっとり刀でやってきた2人の大使は自国が既に真珠湾を攻撃していたことを知らなかったこと

 

文書を手渡し、大使館に戻ってから2人の大使は奇襲攻撃があったことを知らされ顔面蒼白になったそうですが、時既に遅し。

 

アメリカは Remember Pearl Harborのスローガンで国民の敵愾心を一気に鼓舞し、第2次世界大戦への本格参戦へと突入。

 

これに反して日本軍は〝騙し打ちをする卑劣な国〟という汚名を、世界中から浴びせられることになりました。

※しかしアメリカも、それ以前の米西戦争・米比戦争、またそれ以降のベトナム戦争や湾岸戦争でも宣戦布告をしていません。

 

両国の軍事力・外交交渉能力・情報収集能力・緊張感を比較すれば、その差は歴然・・・敗戦は火を見るより明らかだったと言えるでしょう。

現場の日本兵は、壮絶なる決意を以って闘っていたのに・・・。(↓)

 

そして私が呆れるのは、当事者たちのその後です。

 

アメリカは、(予め奇襲攻撃の可能性を当人に知らせていなかったにもかかわらず)真珠湾攻撃を許した責任を取らせるべく、太平洋艦隊司令長官・キンメル海軍大将を解任・降格(※後に名誉回復)しています。

 

しかし一方の日本政府・外務省はこの遅延不祥事に関して誰一人処分することもなく、またこの件に関する調査報告を長年公開しませんでした。

 

両大使はもちろんのこと、遅延の元凶といわれる奥村一等書記官などは、処分はおろか終戦後事務次官・大使にまで出世しているのです。

 

本国と大使館双方で責任を押しつけ合い、あげく遅刻の理由に 「牧師の説教が長かった」(葬儀に同席した松平康東一等書記官の証言?) ことを挙げる非常識さ。

 

〝伏魔殿〟外・・・いや害務省の、身内に甘い・隠蔽・責任転嫁等の体質は、戦前から連綿と受け継がれているようです。😠

もしご家族や知り合いにこの真珠湾攻撃をご存知ない方がいらしゃれぱ、日米合作大作映画 『トラ!トラ!トラ!』 (↓)の鑑賞をお勧めください。

 

 

 

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