D51のレストア65 逆転棒の取付け | 鉄道省半田鉄道局

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1/80鉄道模型(Jゲージ)工作記事を中心に、鉄道と身の回りの出来事を書いてゆきます。
​(平成26年11月8日Yahooで開設、令和元年6月22日こちらに移転しました)

土曜日は疲労回復のための昼寝を挟んで、工作に勤しました。涼しくなったので大変ありがたいです。

写真の逆転棒はオリジナルのもの。本物はこんなに「くっ」ときつく折れ曲がってはいません。新造することにします。

さて、今回D51で分かったのは、量産型の手動逆転棒には新旧があることです。写真上はシュパーブオリジナル、下は珊瑚D51キットのものですが、これは新の方になります。下のカタログは珊瑚のカタログで、この149-2がD51の旧の方になります。

設計図を見ると、図面に変更記号と寸法変更があります。原形は75×75×t10山形鋼を用い、前方が45度の角度で立ち上がって600Rで水平部に移行する形状。これが昭和14年1月9日の○A変更で、90×90山形鋼(フランジ板厚は読み取れない)に材料が代わり、立ち上げも緩くなって1500㎜後方を頂点に3000Rと大きいカーブに変更されています。変更理由は「強度増大のため」。原型では座屈たわみし易かったのでしょう。中間部の受けも原型では幅480㎜、先端Rが650だったのが、変更で幅460㎜、先端が550Rと変わっています。

そういう意識で写真を見ると、実車もそのようになっています。なお、原形は後年まで残ったもの(例、津和野駅前保存のD51194)もあれば、後期型に改造されたものがあるようです。

模型化に当たって、蒸気の図面ではピンと来ないので、CADで描き直しました。これを1/80で作図し、紙に印刷して型紙としました。

なお、中間部受を止めるリベットは、原形が前後2個、変更後が中心にも追加され3個になっています。

変更は、キャブ妻の丸窓と数日違いで、推定ですが実物では丸窓の廃止と逆転棒の変更は一緒に行われたのだろうと思います。ちょうどこの時期に見直しがあった、とうことでしょう。

今回は昭和13年製のD51145にするので、当然変更前の曲げがキツイものです。L75×75は1/80で約0.95となりますが、□1㎜真鍮角線としました。なお、変更後のL90×90は□1.2が良いのでしょう。上の写真の珊瑚のD51キット付属品は変更後の形状で幅1.2㎜となっており、「おお、よく観察されているじゃん」と感心。

受けは0.8t×幅6㎜をRに仕上げ、逆転棒の裏を削って貼りました。キャブ側は半割れにしてフォーク状に曲げました。

機関車に取付。前端はオリジナルの凸穴の奥の方に固定、後端は先に取り付けた金岡工房の2本のスリットに差し込みます。金岡のは外に張り出しているので、16.5㎜ゲージで外に広がった前端部に合わせると逆転棒がボイラと平行になり、好都合です。「おお、良く解っていらっしゃる」とメーカーの見識に感心しました。

明日は、半田SL資料館の当番日で夕方まで出かけます。丁度良いので、将来の工作に備えて、C11戦時型の寸法測定もしてこようと思います。

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