ガラスの靴は歩けるか?
どうすればガラスの靴でも歩けるか? 真剣に考えたことはありますか?
僕はあります。
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側弯症の治験に協力してくれた初老のお母さん。
(靴下の違いによる姿勢の変化)
後ろ姿の違いを見せると大変喜んでくれて・・・
「最後にもう一度だけ、つま先が尖った靴を履きたい」
そう言いました。
ひどい外反母趾で、10年以上、装具のような靴しか履いていません。
「誰か好きな人でも、できたんですか??」
そう尋ねると、ムキになって否定した上で、事情を話してくれました。
捨てられなかったシューズ
お洒落な靴は全て捨ててしまったけど、
旦那さんが生前にプレゼントしてくれた靴だけが、捨てられずにあると言います。
「いつか履けるかもしれない」
「いつか履けるかもしれない」そう思っていたけど、
もう皮は固くなり、ひび割れ、履けそうもないから処分すると言います。
「処分する前に、もう一度履いて歩きたい」
「今から “なでしこジャパンに入りたい” と言うなら無理だと思うけど・・・そんな細やかな願いなら、試すだけ試してみればいいじゃないですかね?」
そんな流れで、その靴を持ってきていただきました。
履くと、痛くて歩くことができませんでした。
歩行を観察すると、指が痛い右ではなく、痛くない方の左足に問題があるように見えました。
(ラクちんソックスができる前の研究です)
指が痛くない方の左足の靴下に、パッチを貼りました。
痛みなく歩けました。
この検証で解ったことは、
・先端の細い靴を履いているので、外反母趾は外反したままなのに痛みが消えました。
・反対の脚の動きが外反母趾に関与しています。
そんな事が解りました。
予想外のことが起きました
その検証の4時間後、想定外の事が起きました。
「10年ぶりに靴を買ってきたから見て欲しい」
そう言って、靴を見せに来てくれました。
黒い靴より、明るくていいじゃないですかね。
靴下無しでも歩けるように、インソールを調整しました。
(今のラクちんソックスに似てるでしょ?)
そうやって、インソールなしで履ける靴下の開発は進められてきました。
ラクちんソックスができる前の話です。