静岡市から御来院いただきました。
主訴; 「フルマラソン・ 腿(もも)が上がらなくなる、こわばってくる」 デス。
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筋肉は、その走行に沿って、真っ直ぐに収縮する時が一番力を発揮します。
走行が捻じれて動くと、筋力低下を起こたりし、つったり、肉離れ、骨剥離を起こしやすくなります。
また、関節には運動軸が存在します。捻じれた状態で動くと、スムーズな動きが行えないだけでなく、関節内部の軟骨や、周囲の靭帯組織が軽微な損傷を繰り返します。
ですから、何事も フォームは大事なんですね。
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膝が中に入るのは故障の兆候ですから、一度 練習を休んで一休みです。
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足を触診しても、筋肉に硬さは感じられませんでした。股関節などもROM(可動域)検査を行いましたが、
筋肉、関節共に異常はありませんでした。むしろ、柔らかい方でした。
●フォームを観てみます。
走り方が上手ですね。頭の上下も少ないし、足音も静かです。
姿勢が前に傾き過ぎていると、足が前に出にくいケースがありますが、それもありません。
むしろ、骨盤は後傾してます。これだと、足が前に出やすいはずなんだけど・・・なんでしょうね??
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しかし、実走検査を行うと、見えてくるものが多くありす。
1) 右左の膝が前に出る距離が違いました。
右足の方が、左よりも10cm以上前に出ていました。
※治療前と後での左右の膝の出かたの違い
2) 左右の腕の振れ方が違いました。
右肘に比べ、左肘の方が10cm以上、後方まで引かれていました。
※治療前と後の腕振りの違い
3)左の膝が大きく中に入りました。
以上の観点から、少なからずも腰や背中のROM異常があると推測いたします。
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●実走検査の利点 2.
静的な検査では足首に異常はありませんでした。
しかし、走行時の足首はプロネーションを起こしました。
このように、実走してみなければ解らないことが数多くあります。
いくつものエラーが重なり、体のどこかに“ 痛み・異常 ”として現れます。
一つの痛み・異常を治す為には、いくつものエラーを整え、体を正常な状態に戻す必要があります。
●実走検査の利点 3.
実走検査の最大の利点は、その治療が有効な手段であったのか?それとも他の方法を探るべきなのか?一目瞭然に判定できることにあります。
もちろん、全てが良い結果がでるとは思っていませんよ。
良い結果が出なかったとしても、その結果を真摯に受け入れ、方針を変える必要があると思ってます。
治療や処置に対する有効性の評価をする意味でも、実走検査は有効と考えています。
次回は治し方について書いてみます。 (つづく)