オスグッドのリハビリ、
最後はプライオメトリクストレーニングです。
トレーニングの説明をする前に、
プライオメトリクスについて話をしたいと思います。
特に、
パフォーマンスアップを目的とするトレーニングでは、
この理論を押さえておくと効果が高くなります。
理論的な話になりますが、ぜひ最後まで読んでください(^_^;)
Q.プライオメトリクスとは?
プライオメトリクストレーニングとは、
「瞬発力」を上げるトレーニングです。
具体的には、筋肉が速く引き伸ばされ状態から
縮む力を利用して、爆発的なパワーを出すことが目的です。
「瞬発力=筋力×速さ」
瞬発力を上げるためには、筋力と速さ、
それぞれの力を上げる必要があります。
そのために、プライオメトリクストレーニングでは
速さに優れている速筋(白筋)を中心に強化していきます。
★速筋(白筋)に分類される筋肉
上腕二頭筋
大胸筋
速筋に分類される筋肉は大きな筋肉で、
筋肥大しやすい特徴があります。
これらの筋肉を鍛えることで爆発的なエネルギーを
生み出し、瞬発力を上げることに繋がります。
ここで重要になるのが、筋肉の収縮様式の違いです。
①.求心性収縮
筋が力を発揮しながら短くなる収縮です。
例:肘の屈曲運動時の上腕二頭筋
②.伸張性収縮
筋が力を発揮しながら長くなる収縮です。
例:肘の伸展運動時の上腕二頭筋
③.等尺性収縮
筋の長さが変わらない状態で力を入れた状態です。
例:一定角度を保持した上腕二頭筋
この3つの収縮の中で、
瞬発力に大きく関わるのが伸張性収縮です。
言い換えると、瞬発力を高めるのには速筋(白筋)の
伸張性収縮が鍵になるわけです。
では、プライオメトリクストレーニングでは
どのような仕組みを活用しているのでしょうか?
それは・・・
伸張性収縮と求心性収縮の関係性です。
伸縮性収縮が起こると、その後に求心性収縮が起こります。
そして、伸張性収縮のパワーが強いほど、
得られる求心性収縮のパワーは増大し、
この切り替えが速いほど瞬発力は向上します。
※輪ゴムによる再現
勢いよく筋肉を伸ばすと、
筋線維が切れないように反射で筋肉を収縮します。
この仕組みを「伸張反射」といい、
この反応を応用したのが
プライオメトリクストレーニングです。
このプライオメトリクストレーニングを行う上で、
もう一つ大切になるのが「パワーポジション」です。
Q.パワーポジションとは?
パワーポジションとは、最も力が出やすい構えのことです。
パワーポジションを取ることで、
瞬時に素早く動く力を身につけることができます。
つまり・・・
少ない身体への負荷で最大限のパワーを
発揮できると言うことです。
このポジションをマスターすることが、
パフォーマンスアップやケガの予防に大きく役立ちます。
★スポーツ中でのパワーポジション
野球の守備やテニスなどの前後左右への動き
サッカーやバスケなどでのフェイントの動き
サッカーやハンドボールなどの
ゴールキーパーがシュートに対応する動き
〜全身のパワーポジション〜
①.肩幅に立ち膝とつま先同じ方向に向ける
②.背中を真っ直ぐにして軽い前傾姿勢を取り、
お尻を後ろに引く
③.股関節と膝を曲げて、
肩―膝―つま先が一直線になるように構える
④.肩の力を抜いて肩甲骨を軽く寄せる
〜Point〜
骨盤を軽く前傾させて股関節をしっかり曲げる
→殿筋に力が入り下半身の力が最も入りやすくなる
膝とつま先の向きを揃える
→膝の故障につながるため、
ニーインやニーアウトに注意する
〜足底のパワーポジション〜
一般的にパワーポジションは全身を指しますが、
体を支える足底にもパワーポジションは存在します。
特に足首や膝の故障が多い選手は、
衝撃を足底で分散できていない可能性があります。
体重を支えるポイントは、
「踵」「母趾球」「小趾球」の3点です。
比率では踵が50%、母趾球・小趾球がそれぞれ25%です。
この割合でしっかり地面を踏めると、
力が発揮しやすくなります。
そして、このバランスが崩れるとケガにも繋がります。
ここまでの内容を読んで気づく方もいると思います。
パワーポジションは「スクワット」の姿勢と似ています。
ですから、非機能的トレーニングの一つである
スクワットがしっかりできていないと、
プライオメトリクストレーニングは難しいと思います。
しっかりパワーポジションが取れてから、
次回紹介するボックスジャンプなどに挑戦してみましょう。
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