二条為道 五月雨の | わたる風よりにほふマルボロ

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檐盧橘

 

五月雨の雲ふきすさぶ夕風に露さへかをる軒のたちばな

 

二条為道

玉葉和歌集夏374

 

 

 

【現代語訳】

 

五月雨の雲、吹き荒ぶ夕風、

空も地上も吹きまぜるような

夕風に、

その風自体はおろか

吹かれ散り乱れる露さえ

香りの匂い立つようだ。

軒の橘が、

それよりこぼれる露に

花の香りを移して。

 

(訳:梶間和歌)

 

 

【本歌、参考歌、本説、語釈】

 

たちばな:昔を思い出すよすが

さつきまつ花橘のかをかげば昔の人の袖のかぞする

詠み人知らず 古今和歌集夏139

 

 

 

あからさまに恋を述べたり

連想させたりする

という詠み方ではなく、

 

しかし

和歌において「橘」と言う以上

なにかしら昔の事を

ほのかに匂わせる、

 

という上品な、節度ある

「橘」の用い方だと感じます。

 

 

『新編国歌大観』では、題が

「檐盧橘」、

 

岩波文庫『玉葉和歌集』では

「簷盧橘」の表記。

 

 

 

 

「檐」は「のき/ひさし」などと

読むそうです。

 

「簷」の訓も「のき/ひさし」。

 

 

「盧橘」は

橘を意味するそうですね。

和歌の題でも

「盧橘」というものがあるよう。

 

 

「檐盧橘」や「簷盧橘」も

「のきのろきつ」と読んで

よいのでしょうか。

 

 

二条為道は二条為世の嫡男、

将来を嘱望されましたが、

二十九歳で早世しました。

 

 

五月雨の雲ふきすさぶ夕風に露さへかをる軒のたちばな

 

 

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