岡山県高梁市の吹屋地区といえば、ベンガラを塗った伝統的な建造物が立ち並ぶところ、そんな吹屋地区から車で十分ほどのところにあるのが「広兼邸」があります。

     広兼邸   岡山県高梁市成羽町中野2710  大人400円・小中学生200円   駐車場は無料

享和、文化の頃(1800年ごろ)小泉銅山ローハ(硫酸鉄)の製造を営み、巨大な富を築いた大野呂の庄屋・広兼氏の邸宅です。まるで城塞を思わせるたたずまいは圧巻です。

この道の先には、江戸末期に建てられた楼門づくりで、城郭にも劣らない堂々たる石垣が今もそのままに当時の富豪ぶりをたたえています。

正門に当たる楼門。二層からなる構造で、二階部分には不寝番部屋と呼ばれる見張り部屋まで設けられていました。見張り役が人の出入りを常に監視していたといわれます。

使用人の部屋や、馬小屋農作業場があった長屋です。敷地内は二階建ての母屋や離れのほか、3棟の土蔵や使用人たちの暮らした長屋などがあり、敷地は781坪にもおよぶとのこと。母屋だけでも98坪もあり、その広さがあります。

このような豪壮な建物ゆえ、『八つ墓村』では中国地方きっての名家とうたわれた田治見家のモデルとなったのもうなずけるでしょう。では、物語の後半以降、辰弥が暴徒化した村人たちから避難するために逃げ込み、田治見家を皆殺しにしようとたくらんで暗躍する殺人鬼が行き来するあの巨大鍾乳洞の入口は、映画に描かれていましたが、あるのかな~?。

母屋は土間だけ入ることができ、それ以外の部屋は外からの見学となるが、戸や窓が開け放たれているので、その暮らしぶりを垣間見ることができます。

広兼氏は大野呂の庄屋で、同家2代元治が享和、文化の頃小泉銅山とローハベンガラの原料)製造を営み巨大な富を築き、規模、構造とも雄大な城郭を思わせる構えで今もそのままに当時の富豪を偲ばせています。庭には水琴窟(すいきんくつ)があり、水を落とすと涼やかな音を響かせています。

母屋では土間にだけ入ることができる。台所、いろり端など当時の暮らしがしのばれます。崖からは湧き水が流れ出しており、広兼邸では、その湧き水を日常生活のなかで使っていました。

広兼邸がいかに豪壮で、映画のロケ地としても活用されるだけの魅力のある建造物です。見どころは満載。広兼邸を訪れ、銅山経営で莫大な富を築き上げた広兼家の権勢を偲ばれます。『八つ墓村』をご覧になってからお出掛けになると、広兼邸に対する理解がよりいっそう深まりますよ~。

     カメラ~次回を お楽しみに では またね~OK