乃木坂46新入生の選抜事情:虐げられた5期生 | 平山朝治のブログ

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乃木坂48に5期生が加入した最初のシングル29th『Actually...』で5期生の中西アルノがセンターとして選抜入りしたが、それに対する反発から中西に対する事実無根の誹謗中傷の嵐が吹き荒れた(中西アルノへの誹謗中傷:違法の構造 週刊文春の中西アルノ記事を捻じ曲げ、“パパ活疑惑”を捏造した文春オンライン)。

 

このようなことは再び繰り返されてはならないが、そのためには、この事件に至った乃木坂の歴史を省みる必要があるだろう。従来の例をみると、

上表のように、創設時の1期生の生駒里奈をのぞいて、加入した最初のシングルで選抜入りしてセンターとなる例は5期生の中西がはじめてだが、新加入の次のシングルで同期初選抜、初センターに抜擢されるのは、2期生の堀の7th『バレッタ』、3期生・大園桃子&与田祐希Wセンターの16th『逃げ水』、4期生遠藤さくらセンターの24th『夜明けまで強がらなくてもいい』と続いていたように、2期生以降も、新参メンバーのうち運営が有望と判断した人がいきなりセンターとなるのは乃木坂の伝統だったのであり、中西のデビュー即センターもその伝統に従ったものだったと言うべきだろう。

 

他方、新入生がいきなり重用されると、先輩たちは選抜に入ったりセンターになる余地を圧迫されることになるので、既存のファンも新入生に敵意を持ちがちなことも否定できない。乃木坂運営はこの問題をどのように扱ってきたのだろうか?

 

2期生が加入してすぐ発売された6thシングル『ガールズルール』では、2期生もペアを組んで個別握手会に参加した。その完売表の2期生の部分

出所:【最終版】乃木坂46 6thシングル個別握手会売り切れ状況 第十三次受付終了

 

をみると、堀未央奈が参加したペアの完売部数が全12部中9部と群を抜いており、2期生のエース候補として、7th『バレッタ』で堀だけが2期生から選抜入りし、しかもセンター(左枠外は引用時に加えた次のシングルの選抜で、C1は1列目センターをあらわす)に抜擢された。

 

2期生からひとりだけまず選抜入りし、個別握手会の成績も2期生のなかで抜きん出ていたので、ご祝儀としてセンターをあてがうことを、大多数のファンは受け入れたと思われる。選抜入りした2期生の人数も、15thまでは0〜2人の間で低迷し、16thではじめて3人になったので、1期生推しファンの反発はほぼ皆無だったと思われる。

 

AKBでは2期生のエース大島優子の人気の伸びがすさまじく、1期生ファンと2期生ファンの対立もひどくなったことの対策として、期別の劇場公演をやめて公演メンバーを混ぜたり(ひまわり組)、運営が1期生の前田敦子を優遇することへの不満を和らげるために選抜総選挙がはじめられたが、堀を筆頭とする乃木坂2期生には1期生を脅かすほどのパワーはなかったとも言える。

 

3期生が加入してすぐ発売された17th『インフルエンサー』の個別握手会に3期生も参加し、その完売表

出所:乃木坂46 17thシングル個別握手会売り切れ状況 第十四次受付終了

 

をみると、3期生は18部ないし12部参加しており、成績トップは12部を2次に完売し、4次には18部全完売した久保史緒里、山下美月、与田の3人だが、18部全完売がそのほかに大園、梅澤美波、17部完売が伊藤理々杏、12部参加して全完売が阪口珠美、岩本蓮加と、多数がよい成果を記録した。

 

18thシングル『逃げ水』では、3人の3期生トップのうちから与田がセンターに選ばれたが、もうひとり、5次までに18部全完売の大園とのWセンターとされた。梅澤も含めて18部を6次までに全完売した5人の誰もが選抜入りしたりセンターになる可能性があったと思われるが、そのなかでトップ3ではない大園が与田とWセンターを組むことには、3期生ファンのなかでも疑問の声があがっただろうし、3期生が2人もWセンターで選抜入りし、それに匹敵する成績の3期生がほかに5人もいるということで、先輩メンバーのファンはこれから選抜枠を次々と奪われることを恐れたと思われる。19th『気づいたら片思い』で3期生の選抜入りがゼロとなったのは、18thが3期生ファン間の選抜を巡る対立や3期と先輩との選抜枠をめぐる新旧ファンの葛藤を引き起こしかねないため、冷却期間を置くという意味があったと思われる。

 

4期生が加入してすぐ発売された23rdシングル『Sing Out!』の個別握手会に4期生も参加し、その完売表

出所:

をみると、遠藤、賀喜遥香、掛橋沙耶香、金川紗耶、田村真佑、筒井あやめの6人が24部に参加して23部完売し、成績は田村、遠藤、賀喜、掛橋、筒井、金川の順だが、24th『夜明けまで強がらなくてもいい』では、遠藤がセンター、賀喜と筒井がその両脇を固めた。成績トップの田村がセンターでも選抜でもないのは、審査に関与した人たちの目のほうが、4期生にまだなじんでいないしろうとの印象に依存する初ミーグリにおける僅差の成績より信頼できると、運営は判断したことを意味するだろう。初ミーグリで4期生トップだった田村の冷遇は、5期生のときにはミーグリの洗礼を受ける前に最初のシングルでセンターを決めると示唆していたことになる。

 

また、5位の筒井が選ばれたのは、4期生で最年少だからだろうか(以下で述べる25thの選抜落ちが織り込み済みだったのかもしれない)?いずれにしても、3期、4期と続けて、個別握手会の成績とは異なる評価によって新入生の選抜メンバーや初センターが選ばれたのである。

 

25th『しあわせの保護色』は白石麻衣の卒業シングルであり、1期生全員が選抜入りした。遠藤、賀喜、掛橋、筒井はいずれも全30部全完売、そのうち25部は2次まで、残り5部は4次に完売したが、遠藤と賀喜だけが選抜入りし、筒井は選抜落ちした(https://x.com/lovefiaa/status/1276018638999285761?s=20)。そのような波乱を伴いながら1期生全員が選抜入りしたが、そのうち中田花奈と和田まあやは個別握手会に参加したものの成績ははかばかしくなく、通常ならば選抜入りしないはずだった。

 

このような4期生に対する処置は、エース級メンバーの卒業に因んで同期メンバーを全員入れることを理由に、成績のよい新入生のなかから選抜落ちを甘受してもらうひとを選んだもので、メンバー最年少の筒井が犠牲の子羊として選ばれたことは、本人も含めて納得できたとは思われる。

 

それと比べて、5期生については、最初のシングルのミーグリ(コロナ禍のため握手会に代えて行われるようになった)での評価によらずに選抜入りメンバーやセンターを決めることは、3期、4期で実施されて慣行となっており、抜群の歌唱力で合格した中西に29th『Actually...』でセンターを担わせようというのは、当然のなりゆきだっただろう。しかし、それに対する既存ファンの反発は運営の予期をはるかに超えて、彼女に対する常軌を逸した事実無根な誹謗中傷の集中砲火となり、文春もその火に油を注ぐ事態となって彼女は活動自粛を強いられた。

 

その後、5期生の選抜入りは30th、31thでは見送られた。中西はそのいずれもミーグリ全完売している。コロナ禍以降、全30部のミーグリを15以上参加して全完売すれば選抜入りするという慣行があったことなどは、下のブログで明らかにした。

 

中西の選抜入りは5期生選抜入りが再開された32th以降も見送られ、34thではアンダーセンター

アンダーライブ座長としてぴあアリーナ3days完売

という大きな成果を挙げたにもかかわらず、35thでは、3期生全員が山下の卒業に因んで選抜入りするため、選抜落ちした4期生の筒井や5期生の管原咲月、冨里奈央と並んで、今回も選抜入りできなかった。30部全完売しながらも選抜入りできなかったのは5期生最年少の小川彩も含めてちょうど、全完売せずに選抜入りした3期生と同数の5人だった(向井葉月は34thで選抜入りしていたので除く)。

 

中西は2年間の活動を通して、加入当初反発したファンの大多数も認めざるをえなくなるような成果を十分あげてきたにもかかわらず、なおもこのような、アンチを恐れた措置をとるのだとすれば、新たに応募・加入する6期生のなかでも優秀な人ほど、自分たちの行く末に不安を感じるのではなかろうか?