ぼてふり~な -3ページ目

映画「TOVE」

いわずとしれた、ムーミンの作者、トーベ・ヤンソンの物語である。

もちろん、どうやってムーミンが生まれたか、なんて話ではなく、トーベの人として、女性としてという面に光を当てている。

 

フィンランドといえば、ヘヴィメタルとWRCというのは、とても個人的なイメージ。

森と湖の中をラリーカーが疾走するイメージだ。

 

なので、きっとトーベ・ヤンソンは森の中の山小屋のような家に住んで、いつも空想しながら、森にいる妖精を主人公に絵本を書いたのだと思っていた。

 

ところが、映画で描かれるトーベは、芸術一家の家に生まれて、生まれながらにして芸術界にいる人で、本業は油絵らしい。

彼女の油絵が有名になったり、サザビーズで高値で落札されたなんて話は聞いたことがないから、それほどでもなかったのかもしれない。

ムーミンは、むしろ彼女の落書きのようなものだったようだ。

おそらくは、それだけに、ほんとうに内から出てくるイメージそのものだったことがヒットにつながったのだろう。

 

そして、映画が最も強く焦点を当てるところは、彼女が女性を愛するということである。

それを女性監督が描くという、言い方はよくないかもしれないが、イマドキの流行りな感じであった。

 

にしても、これをハリウッドできれいな形で表現するのではなく、ちゃんとフィンランドで フィンランド人が作っていることに意味はあると思う。

そういうリアリティは重要だ。

 

愛に燃える芸術家を描くというと安っぽいが、ま、そういう映画である。

 

 

 

 

 

 

 

NETFLIX「チェストナットマン」

これは、久しぶりに好みの重い北欧サスペンスが。

 

主に子どもへの虐待がテーマになっているが、話がよくできている。

丁寧に作られているので、ラストに犯人がわかっても、落胆することはなかった。

また、せまい人間関係の中で展開されるというのは、ドラマではよくあることだが、そこもギリセーフである。

そこが北欧らしい。

 

北欧のサスペンスといえば、やはり「ミレニアム」がおもしろい。

もう少し地味だが、よくできたサスペンス・ドラマといえば、「刑事ヴァランダー」だ。

これもたまらなくおもしろい。

主演のケネス・ブラナーがめちゃいい味出している。

 

こんな作品を作りたい、と思いつつ、日本ではヒットしないだろうなと思う日々。

まあ、北欧にまかせとけば?というのもアリだが。

 

久しぶりにちょっと重厚感のあるドラマかと期待した「日本沈没」だが、、、

まあ、こんなもんだろう。

日曜劇場で北欧サスペンスばりの重厚ものをやれるはずもない。

 

 

NETFLIX「ザ・トリップ」

久しぶりのノオミ・ラパスである。

スウェーデンの映画「みレミアム」は、後にダニエル・クレイグでリメイクされた「ドラゴン・タトゥーの女」の方が有名かもしれないが、オリジナルの方が、より原作に近い。

その主役を務めたのが、ノオミ・ラパス。

 

リスペットというある意味問題児をとても印象的に、そして自然に演じた。

他の作品を知らないということもあると思うが、リスペット本人ではないかと思うほどだ。

 

本作はノルウェーで制作されているが、ノオミ・ラパスはスウェーデンから引っ越してきた役どころ。

ノルウェー語も、芸能界の事情もわからないが、おそらくスウェーデンの女優とテレビディレクターがノルウェーで仕事をするというのは、なにかしらの意味があるのだろう。

 

旅を装ってお互いに相手を殺そうと思ってやってきた山小屋に脱獄犯が潜伏していて、大騒ぎになるという話である。

もしかすると、舞台用に書かれたホンではないかと思われる。

ほぼ、山小屋でのシーン、そこにいろんな事情を抱えた人が集まって騒動になるという、ある意味パターンである。

中盤から殴って、撃って、血だらけになってというシーンの連続だが、基本的に喜劇なのも舞台らしい。

 

これがヒットするか?というと疑問だが、それなりに楽しめる。

 

最近、デンマークの「チェストナットマン」、フィンランドの映画「TOVE」を観たり、なぜか北欧づいている。

おそらく、ちょっと陰気で地味な土地柄なのだろうと思うが、そのテイストが肌に合うのかもしれない。