髭の拝さんのブログ

髭の拝さんのブログ

病について分子栄養学的観点で思い付くまま書き記しますが、中身は栄養素の生理活性をお知らせしながら
健康回復の道筋を説きます。
物売りサイトじゃないです。
よろしくお願いします。

 

Amebaでブログを始めよう!

2ヶ月以上の間ブログ更新を怠ってしまいました。

いろいろと溜まった報告もしたいと思っていましたが、徐々にお知らせしていきます。


さて、妻のこと。

7月15日に放射線治療を終えた妻を迎えに行ってきました。

当日妻は「帰れるのが楽しみで、昨夜は眠れなかった♪」と云います。

「家が一番!」 その一言にほっとするものを感じた。


家に帰るなり翌日から日常の生活が始まり、家事、庭仕事、ペットの世話、近所の奥様方との談笑、・・・そんな状態を観て、妻の病態を知っている方々も含めて皆さんが口々に言う・・・「ほんとに奥さんはガンなの??」

・・・その皆様が認識しているがん患者の病態とは全く違うことに驚いているのです。・・・


治療が終わり、その後一ヶ月も経つと骨転移していた肩の痛みはスッキリ消えたようだ。ただ、腰に抱えた痛みは未だに残っている。

821日に会員制クリニックへ行き、妻はその痛みを問診の過程で報告した。

私は、「年も年なので腰だって痛くなりますよね。」と言うと、医師も「そうですよ~」・・・と私の胸の内を察してくれたのか? 話を合わせくれた。


私の想いは次のとおりです。


1. 917日に有明の放射線クリニックで全身検査もあるので、その結果が出るまでは憶測で余計な不安を抱くのはマイナスだと思うこと。


2. 7月の放射線治療で全身状態が落ちていないか、今日の時点で前回と同じ血液検査をしておくこと。


3. 妻の腰は、腰椎の変形から痛みが出ているのではないか? であるとすると、強い鎮痛薬で対処しても、昨年春のような食欲不振や吐き気に襲われるのでは、マイナス効果となる。


4. 妻には、侵襲性(身体に及ぼす物理的負担や影響)の低い治療をしてもらいたい。


少しでも痛いのは辛いと思います。でも、今は痛み止めの貼り薬で暫く過ごしてください。今月17日の検査で何かが見えてくるでしょう。


 その結果を見て妻と一緒に考えようと思っています。

相変わらず肩の痛みを訴える妻です。


近所の整形外科で診て貰おうか? と勧めますが、妻は否定的です。


「どうせ良い治療には巡り合わないだろうから・・・」  ・・・内心、同意。

「18日に有明の検査と、会員制クリニックの医師からの所見を待って、それから考えるのが良いね。」


・・・そのような経過で、今まで通り鎮痛剤で対処しながら、この10日間を過ごしてきました。


本日18日、有明の放射線科に今月5日に受けたメディカルスキャンニングのMRI検査の結果を持って診察を受けた。痛みが強いのでその病因を確かめたかったからです。


私は医師に尋ねてみた。

「先月21日のCТでは異常なしだったのですが、どう思われますか?」


医師は、「昨年のPETでは異常がありません。先月のCТでは、肩甲骨の痛みを訴える部位には、CТでは骨転移と明確に云える病変は感じません。しかし、この部位がMRIで骨転移を疑う、と言う箇所には、確かにCТでも僅かな病変を感じないわけではありません。」 ・・・と云う。


医師の診断は、やはり「肩甲骨への転移」であった。


肩が痛い・肩が・・・と訴える妻に、痛む肩の位置と、肩甲骨への骨転移部位に位置のズレがあるかどうか? 先生に診て貰いなさい、と妻に言った。

医師は、妻の肩甲骨(ほとんど肩)の位置軽く押しながら、「ここですか?」と聞いた。

妻は 「痛い。ソコです!」


合致しました。MRI画像の骨転移を疑う位置と、痛みの位置、が。

先月21日に有明でCТ検査を受けた妻は、「首が痛い・肩が痛い・腰が痛い」 と訴えていました。アチコチの部位に痛みを訴えられると、医師には「女性特有の不定愁訴なのかな?」と感じたのかもしれません。ましてや、1月・3月・5月のCТでは首から腰までを流して観ても大きな変化が観られなかったので、経過観察をしようと決めたのだと思います。


今回は私にとって良い勉強になりました。「圧痛点があれば、手指で圧迫して痛い部位を明確に示さないと医師にも判り得ないこともあるのだ、」・・・と云うことを。


骨転移の痛み取り除くには、放射線治療しかないだろう、と云う医師の意見を聞き、私は質問してみました。

「一昨年の11月、12月の放射線治療、そして、昨年3月の放射線治療で、白血球数が7000から3700に落ち、次には2700に低下した。今回治療すると、どれほど下がってしまうのか怖いのです。」(私が危惧したことは、白血球数が低下すると風邪・インフルエンザ・肺炎などの感染症に簡単に負けてしまうのです。=死に直結し易い。)


医師は丁寧に答えてくれました。「肩甲骨は骨も薄く、骨髄で作られる白血球も少ないので、治療しても白血球の低下は少ないと思います。」・・・と。


未治療で痛みを甘受しながら不安に慄き続けるよりも、侵襲性のある放射線治療であっても痛みを取り去り、骨の再生に期待する決意をした。

免疫力の低下には、私が考える・・・と心の中で固めた。


今月29日から治療に入る。29日の夜は、この日は車のハンドルは握らずに、ゆっくり築地の寿司屋で美酒美食に酔うことに徹しよう、と妻と語り合った。

厚生労働省の有識者懇談会が、健康対策の一環として、2020年までにたばこ、酒、砂糖などへの課税強化を求める提言案をまとめた。

このニュース発表では、現医療費47兆円の削減のため、を併せて目標に掲げていた。

 

 この提言に タバコや酒については兎も角として、『砂糖に課税』提言には「唐突にそこまで言うのか!」と思いました。


何故そこまで言ったのか? その一つの理由に、2009年にアメリカで決議された事例が影響を与えていると思った。


砂糖の過剰摂取(他にもジャンクフードによるカロリー過多)によってアメリカの子供たちに増え続ける肥満・心臓疾患などを憂慮して、クリントン前大統領が大手飲料販売会社に公立学校で甘い炭酸飲料の販売を中止させることに成功した。


二つ目に、これまで表に出なかった事例も影響を与えたのだろうと直感しました。それは分子整合医学的に訴える「低血糖症」への理解が厚労省にも医療界にも得られず、平成21年に当時の舛添要一厚生労働大臣宛に『機能性低血糖症に係る国の取り組みを求める要望書』 なるものを提出した方々がいた。(インターネット情報からこの要望書コピーが削除されているため、その全文、並びに、署名者の方々をお知らせできません。)


概略を記しますと、砂糖の摂り過ぎから始まる様々な身体症状、精神・神経症状があるのですが、現行医療ではその発症原因が不明と思われている。病院で診察を受けても内科では、体に異常がないので原因は心の問題なのでしょう、と診断される。それでも患者が症状を訴えると、心療内科や精神科を紹介されるのが常である。


紹介先の医師からは、パニック障害・神経症・うつ病・統合失調症など精神疾患と診断されて、精神安定剤・抗うつ剤・向精神薬等を投薬されていることが多い。


この二点に砂糖が関与しているとしても、ここに課税しただけではそうした患者の治癒には結びつかず、また、肥満や成人病の抑制、医療費削減に寄与する抜本的政策には至らないだろう、と感じました。


http://ameblo.jp/vitamin-receptor/entry-11576052439.html  過去記事ですが、「機能性低血糖症」参考に読んでみてください。


また続きを記したいと思います

ガンは嫌な病気です。

画像検査を受けて『異常なし』、と診断を受けても、それでも、痛みを発する場所にガンが転移したのでは? と疑う妻。

ガンに罹ると、一生「がん」なのですよね。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「術後4年が過ぎようとしていた時、僅か4ヶ月の間にリンパ節転移・骨転移を繰り返した妻ですが、その後、一昨年11月と昨年の3月に放射線治療を終えてから、検査を繰り返しても治療を要するような転移病変は発見できない、ということですよね?」 (妻の心に刻み込んで欲しくて) 確認してみた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

妻の心から、がん転移への不安を取り除きたくて、敢えて医師にそう問い質してみたのです。

昨年末から首、肩、腰の痛みを訴える妻なのですが、がん転移の兆候は観られない。痛みの原因は骨粗鬆症なのではないか、と云う放射線科医の見解。

そう云われても、・・・この痛みは「がんの転移ではないのか?」・・・と、妻は疑心暗鬼になっている。


それがガン患者なのです。・・・「ガンは嫌な病気です。」 と冒頭に申し上げた理由です。


妻の苦痛が耐え難いものではないにしても、私は異常を感じていた。

なんとかしなくては・・・との一念から、6月2日に、会員制クリニックに検査依頼を申し出た。いつもながら素早く手続きをしてくださった。メディカルスキャンニング(性能の良い機器で専門医が検査・診断し、その結果をみんなで利用できる機関)に繋いで戴けた。


 一昨日、5日は都内のメディカルスキャンニングで肩のMRI検査と、会員制クリニックで検査結果を聞いてきた。


 結果は意外なものでした。

先月21日の検査では、放射線科医から3ヶ月ほど経過観察しましょう。を撮っても異常はないし、と診断されたのですが、それから半月後のMRI検査では、評価が一変してしまった。


肩の痛みは原因不明です。


肩関節に骨棘(コッキョクと読みます. 関節軟骨にカルシウム沈着がおこり、棘のようなものがゴリゴリ擦れて痛む)は観られず、腱板肩甲骨 上腕骨 をつなぐ4つの筋肉(棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋)の腱の総称』は保たれて観られる、と言う。腱板損傷はない、と云うことのようだ。



肩甲骨に転移の疑い、と説明された。


妻は、肩甲骨のところを押してもちっとも痛くない。左肩を動かすと酷く痛む、と云う。どうやら、骨転移であるとしても、痛みの原因ではなさそうだ。




明日、放射線科医に電話して、診察を申し込む予定です。




今回の左肩関節MRIでは、肩甲骨に転移らしき陰影が映った。15日前のCТ検査では発見できなかったが、ずっと以前からCТには映らなかったが、転移していた可能性もある。肩甲骨に痛みがないのだから、敢えて治療に踏み切る必要もないのでは? 転移が原因で骨折に繋がる危険があるのならば、そのときは医師の考えに従おうか、と私は想った。


会員制クリニックの医師と妻の前で、持論を述べてみた。

MRI画像と低信号、高信号など数値が示すものは、科学的で客観的な検査ですが、それを読み取るドクターの主観が診断を左右することになりますね。」「ましてや、転移癌と云う病歴は医師にとって、最初にガンを疑うのは無理もないのだろうと思います。」

・・・妻が、「また治療か~」とガッカリするのを少しでも和らげたかったから、不遜にもそのような言い方をしてみたのです。

すかさず医師が「そうなんですよね。患者さんと診察の場を通して長い付き合いがある医師と、いきなり画像と数値だけを見る画像診断の医師とでは表現に自ずと違いがでます。」


 会員制クリニックの医師は、患者の気持ちを読み取りながら対応してくれるので、いつも有難いな、と感謝しています。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

がんの成長促進と体の衰えが進むようになると、ますます栃木くんの身体は弱って、苦しんで、余命も短くなるのではないか? と云う話をしてみようと思った。

栃木くんは「あと23年は生きられる・・・と、思っていたけど、ちょっと(進行が)早かったな・・・。」


ポツリと、そう云う。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


栃木くん、諦めないで欲しい。・・・そう思って彼に伝えた。

「ガンは『糖』をエネルギーとして成長しているのはご存知だと思う。食事から得られた糖分を使うのではなく、体のタンパクから糖を作り出してガンは成長していきます。ご飯やウドンを食べなかったからといって、ガンの成長が止まることはありません。」



「食事が喉を通らなくなって体が痩せ衰えても、ガンは勢いよく成長を続けているじゃないですか。それは、体内タンパクがガンに削られて体の機能が衰えていく姿そのものです。」



「栃木くんはプロテインを摂りすぎると下痢が始まる訳ですから、自分の体が受け入れる量を飲んで、その他に、肉・魚・卵・大豆製品などを積極的に食べてください。タンパク質は体の重要な働きを応援してくれるはずです。」



タンパク質は次のような働きをしている。

1. エネルギーになる。

2. 体内の重要な酵素を作る。

3. 日夜作りかえられている血液・骨・髪の毛・爪・内臓等の構成材料になる。

4. ホルモンになる。

5. 心身を正常に働かせる神経伝達物質の材料になる。

6. 皮膚に張りを持たせて、内臓を所定の位置に座らせておくコラーゲンの材料になる。

7. 薬や栄養素を体内運搬するときの運搬役をする。

8. 免疫力を高める。

9. 血管を丈夫にする。

10. 栄養や薬、神経伝達物質を細胞内に取り込む受容体の材料になる。

11. アミノ酸からタンパク合成する時に体内で水を作る。

12. 体内水分の保持役をする。


ガン発症当時、彼にお知らせしてあったタンパク質の働きについて、改めてお話してみた。

彼は理解してくれた、と私には感じられた。



日赤の医師から「来年の春までは生きられないだろう」と告知されて以来、栃木くんは眠れない日々が続いている、と話す。

私は、冷たい告知を聞かされるだけで話が終わるよりも、会員制クリニックの医療カウンセリングと栄養カウンセリングを受けてみたら? 専門家によるそうした話は、きっと栃木くんの気持ちを明るくしてくれるはずだから・・・と、お勧めした。


「うん(*´∀`*) 予約してみる。」・・・彼の顔が少し明るく見えた。


4月に、日赤のドクターが「がん放置療法」を説く医師の話をしたそうだ。

栃木くんは「がん治療で、何もしないのが一番良くない」とはっきり言ったそうだ。それは、日赤の前医が彼の顔を見るたびに「そろそろ抗がん剤治療しない?」と言われる度に、抗がん剤治療はしない! と断り続けていた経緯がある。

日赤の医師にとっては、高濃度ビタミンC点滴療法も栄養療法も「がん放置療法」に等しい、と理解しているのかもしれない。


「がん治療で、何もしないのが一番良くない」と、言い切った彼の言葉の裏に、前向きな心を感じた。

日赤のドクターから死の宣告を受けて以来、栃木くんは落ち込んでいる。


彼を診察した会員制クリニックの医師からも、彼と話をした妻からも、その落ち込み様を聞かされている。



訪ねて来た彼にどんな話をしたら良いのか、戸惑いながら体調を聞いてみた。



栃「今も普通に働けているし、咳き込むのを除けばどこも悪くないよ。女房からは、最近少し疲れているようね、と言われている。自分はそういう認識はなのだけど・・・。」



栃木くんのこの返事は、医師から後10ヶ月間は生きられないだろう、と冷たい宣告を受けた末期ガンの彼の言葉です。



私「まぁ、もうすぐ70才だし、誰でも疲れたように映るさ。」 「咳込み方は酷いの?」



栃「食後に咳き込むと食べたものをみんな戻してしまう。食前に飲むように言われている咳止め薬も一緒に出てしまうし、それで、咳止め薬は食後に飲むようにした。」と言う。



私「どんな薬でも腸から吸収される薬は薬効が出るまでに30分以上掛かりますよ。食事の一時間前に薬を飲んでみたら?」



栃「ああ、そうだね、それなら咳は出難いかも。そうしてみるか。」



栃木くんの気持ちは前を向いている。だからこそ、サプリメントを取りに来たのです。彼の苦しみを和らげるために、どんな話が良いのか、それをずぅ~っと考えていた。



私「先月の血液検査結果を見ても、栄養状態は悪くないですよ。一般医が判定する全身状態の項目は、標準治療を受け続けている末期ガン患者よりもはるかに良いのです。」「転移性肺がんで咳が出るようになったからといって、それだけでガンの末期を表しているわけではありません。」



栃「えっ?」 と驚いている。



私「一滴の水を飲み損なって気管に吸い込んだだけで、ひどい咳込み方をすることがあるじゃないですか。」「栃木くんの場合、たまたまガンが気管を圧迫して咳が出ているのだと思います。」


・・・症状の重さ=病気の重症度を記すものではない、と申し上げたかった。・・・

そうだよね、と納得する栃木君。



私「栃木くんの血液検査の結果から、僅かながらタンパク(総蛋白・アルブミン)が低下しているのが観られます。」「軽度ですが貧血も現れています。」「血清鉄の低下も観られます。」



そこで、がんの成長促進と体の衰えが進むような食生活が続くと、ますます栃木くんの身体は弱って、苦しんで、余命も短くなるのではないか? と云う話をしてみようと思った。



あと23年は生きられる・・・と、思っていたけど、ちょっと(進行が)早かったな・・・。


ポツリと、そう云う。



この話、もう少し続けさせていただきます。

















乳がん・転移、経過観察中の妻は2ヶ月ぶりに、有明の放射線科を受診してきました。


以下、あらましだけ記させて戴きます。


浸潤性乳管がん、ステージⅡa グレード3、術後4年近く経った時から リンパ節転移・骨転移を重ね、ステージⅣに進んでいる妻です。


昨年末から腰痛や背部・肩関節痛を訴えており、それは、未だに続いています。痛みの度合いに波はあるものの、日常の生活を楽しんでいる。いや、楽しもうとしているのか、・・・妻は何事にも前向きなのです・・・。


この日のCТによる検査では、がん転移の兆候は観られず所見は「異常なし」でした。

ドクター曰く、腰痛・背部痛の原因を推測すると、今までの治療痕にも異常は観られず、骨転移ではなく骨粗鬆症(こつそそしょうしょう)が原因なのでしょう? と云うことでした。


また骨転移が発見されるのではないか? と不安になっていた妻でしたが、その様子を観ながらドクターに問いかけてみた。



「術後4年が過ぎようとしていた時、僅か4ヶ月の間にリンパ節転移・骨転移を繰り返した妻ですが、その後、一昨年11月と昨年の3月に放射線治療を終えてから、検査を繰り返しても治療を要するような転移病変は発見できない、ということですよね?」 (妻の心に刻み込んで欲しくて) 確認してみた。


ドクターは、「そうです。あぁ~ 転移が止まってから14ヶ月間になりますね。・・・確か、他の治療(化学療法)は何もしていないのですよね。点滴していますか?」、と尋ねられる。


私は、点滴の意味を考えていた。


何を知りたいのだろう? と思いながら ・・・「高濃度ビタミンC点滴をしていますよ。」 ・・・と答えた。 

ドクターは「2ヶ月ごとに検査を繰り返してきましたが、次は3ヶ月後の8月まで様子を観ましょう。」と言うことで、その日の診察を終えた。

点滴していますか? と言う質問の意味を考えながら・・・でも何だろう?・・・疑問を持ちながら、会員制クリニックに向かった。

 

会員制クリニックの医師にその意味を聞いてみると、「有明の先生は以前、ビタミンC点滴をしながら抗がん剤を打つと、がんがどのように変化するかを観る研究をしていた。ですから、放射線治療専門医ではありますが、ビタミンC点滴のことはそれなりに関心をお持ちなのだと思いますよ。」と教えてくれた。


私は得心できた。


高濃度ビタミンC点滴療法を第三の抗がん剤、と位置づけたのはH.リヨルダン博士ですが、その解説書の中に「抗がん剤とビタミンC点滴を併用すると効果が大きい」、と言う記述がありました。

そうか・・・それを確かめるために有明のドクターは治験として実践していたのか・・・得心できた、と云うのはそういう意味でした。


やがて、妻の骨転移について話が移る。

(私たちの体の中では、毎日壊れゆく骨を毎日造り変えています。しかし、その機能が低下する状態になると病的に骨がスカスカになってしまい「骨粗鬆症」になってしまうのです。

原因はいろいろな要素があるのですが、妻が骨粗鬆症に陥る原因は、妻特有の乳がんです。(そうした特異的な病態に陥らない乳がんも多くありますので、ご自身の乳がんと重ねないでください。)

エビスタ錠(骨に存在するエストロゲン受容体だけに作用することで骨粗しょう症を治療する薬)を追加して頂き、3ヶ月後に骨密度を検査する、ということで話しを終えました。

その後、がんの栃木くんについてお話しました。

医師「栃木くんの病態は進んでいます。」・・・については、・・・ 今日、栃木くんと1時間ほどお話しましたが、改めてお知らせします。

看護師N子さんのこと。


この看護師さん、妻の腕に針を挿しながらいつも感じていたことがあったと言います。

肌の色艶・潤い・弾力と滑らかさ・70歳になるステージⅣのがん患者なのに、自分より全てが良い。ビタミンC点滴・サプリメント、これらの働きって何なのだろうか?・・・そのことがずっと不思議でした、と言う。


ビタミンC点滴に来てくれた看護師N子さんの問診が終わり、雑談が始まると患者の話しもよく聞いてくれる。


時間があれば私も其処に加えて戴くようにしている。


妻と関わりの深いある方のうつ病と乳がんの話題から話が進展した。


「うつ病と乳がんには深い関わりがありますよ。乳房切除からうつ病になるだけではなくて、乳がんになる前からうつ病になることも多い。心の風邪とも云われているうつ病ですが、ビタミンB6欠乏から「乳がん」発症と云うことがあります。」

「また、女性のうつ病の発症にはビタミンB群欠乏だけではなく、鉄欠乏性貧血も深く関与していています。」


と、お話したところ、N子さんが意を決したように「髭さん、娘のことなのですがお話聞いて頂いて良いですか?」 と、相談を受けた。「最近、20歳の娘の様子が変で、落ち込んだり興奮したりして、このところ親にも攻撃的なのですよ。困ってしまって・・・」 と言う。


・・・何処の家庭にも起こり得る話ですが、聞き流すべきか、踏み込んでお話を伺うべきか迷いましたが、N子さんの真剣な顔を見てお話を聞いてみようと思った。


勤め先で、家庭内のトラブルを暴露するような相談はし難いものです。内科や外科領域の相談事ならば別なのですが、ドクターや同僚ナースに気軽に相談できない分野が、精神症状から始まる家庭内のトラブルなのだと思います。


私はN子さんに申し上げた。


「荒れた感情だけを捉えて悩んでも問題は解決しません。むしろ、その荒れる原因を探ることが必要です。」

「そのためには血液検査が必要です。そして、検査結果の解析は病気の有無を読み取るのではなく、体の中で何が起きようとしているのか、それを探り当てないといけません。そうすると自ずと答えは見えてきます。」

「それから、食事調査も大切です。お嬢さん、甘いものがお好きですか?」

と尋ねてみた。

「娘はお菓子もよく食べるし、炭酸系の甘いジュースが大好きで、たくさん飲んでいます。」・・・と言いながら、低血糖ですか? と看護師さんは気付かれた。


1年ほど前に、低血糖症と攻撃的性格・うつ病・統合失調症についてお話したことがあった。覚えていてくれたのです。


「低血糖と鉄欠乏性貧血が重なると、大変に重症化した症状も出るので早めに取り組まれた方が良いです。」


私の拙い説明よりも本を読んで頂こうと「低血糖症治療体験集」をお貸しした。 



検査の手続き等、問い合わせがくれば治る道筋ができますが、本を読んだだけでは娘さんは病気を抱え込んだままになる。


どの道を辿るか、分水嶺ですね。

この処、妻の様子を観ながら外に連れ出している。モヤモヤと貯まりきったストレスは放っておくと良い結果を示してくれない。


気晴らしも必要だろう、と妻を築地に誘った。


「ビタミンC点滴剤を4月30日に宅配便で送ってもらうように手配してあるけど、直に受け取りに行こうか。お昼は築地でご飯食べよう。」

「うん(^-^*)(・・*)(^-^*)(・・*) 行く!」

「おばあちゃんの原宿にも連れて行ってェ~」


咄嗟に意味を理解した。巣鴨・・・刺抜き地蔵尊「とげぬき地蔵」として霊験あらたかな延命地蔵菩薩にお参り。普段着のパンツ(赤色パンツ下着ではないです) とТシャツも買いたかったようだ。


まず、築地で寿司を食べた。「すしざんまい」・・・いつも此処に決めている。何故なら、旨い・安い・ネタが新鮮、一度も期待を裏切られたことがないからだ。


巣鴨地蔵通り商店街 、歩いてみると街並にマッチしている二人である。・・・無理もないな、前期高齢者が二人で歩いているのだから。5(ご縁)10倍あるように50円を賽銭箱に入れてお参りした。


そして会員制クリニックに回った。

ビタミンC点滴剤を受け取る予約は入れてあったのですが、診察予約は取っていない。医師は急な対応をとり問診を戴くことになった。


問診って、当人は受け答えしているのですが、聞いていると、どこか物足りなさを感じる。つい口を挟んでしまう。

「血圧も安定している様子で、アムロジンしか飲んでいない。暖かくなって、血圧が落ち着いているのでしょうけど、きっと痛みも少ないのだろうと思う。いたたたっ、と云う声も聞こえなくなって、苦痛が減ったことも影響しているのでしょうか。」

「プロテインを飲みすぎて下痢したようなのですが、今は回復傾向にあるようです。」

医師はニコニコして聞いていた。


私は栃木くんの様子を聞いてみた。(栃木くんは私からの紹介で入会し、検査・診察にも立ち会っていたので、栃木くんのサポート役と認めて守秘義務は外してお話してくれます。)


私「418日の様子はどうでしたか?」


医「肺のがんが大きくなっています。腫瘍マーカーも上昇している。一時間ほど話してゆかれましたよ。日赤の医師に告知されたこと、仕事のこと、ご家族のこと、・・・ただ、奥様には伝えたそうですがご長男、娘さんにはまだ話していない、とも。」

「子供さんたちにはお話しておいたほうが良いのでは?(先がないから、と言う意味ではない。) と言いましたが、迷っているようでした。」


妻が続けて、(昨日のブログに記したことを)栃木くんにお話した、と伝えました。そして、


妻「昨日29日に、一時間も長話したけど、やはり奥さん以外には誰にも話していないって。でも話さないとね。自分でそう判断したとき、きちんと伝えるといいね。」


医「奥さん、言ってくれたのですね。ありがとう。奥さんは強いです。私がガンになったら、どうなってしまうか? 奥さんみたいになれないかも・・・」


実にほんわりとした先生で、患者の気持ちを和らげてくれる。


今月21日に有明で検査を受けた後、ドクターの所見を持ってまた来ます、と伝えて待合室に出た。


会員制クリニックのU子さんと云う看護師さんのこと。


乳がんオペ後4年でリンパ節転移して、クリニックを訪れた処、「奥さ~ん 大丈夫よォ 」そう言って、抱きしめてくれた。根拠もない元気付けであったが、妙に患者を安心させてくれる。実に爽やかで気の利く看護師さんで、私たち夫妻はお会いするたびに癒されています。

U子さんには乳がん発症以来、5年半以上もお世話になっている。妻の元気そうな顔を見るたびに 会いたかったァ~ と言ってニコニコしながら近寄ってくる。


いつものようにU子さんがやって来て、奥さんもご一緒? と声を掛けてくれた。

「ストレス解消も兼ねて連れてきました。」

「それ 必要よね~ どちらへ?」

「築地からおばあちゃんの原宿 赤パンツは買わなかったよ。()


妻のこと。


2009年の12月に浸潤性乳管がんを手術して、丸4年が経とうとした20139月に胸部のリンパ節と腰椎への転移が始まりました。放射線治療で綺麗になった。


その後、4ヶ月で頚椎と腰椎の2ヶ所に骨転移が始まった。これも放射線で焼いた。20143月でした。


振り返ってみると、その後の定期検診でも微妙な影は映るものの、いつも転移は否定されています。激しかったがん転移は13ヶ月間起きていない、ということです。昨年末から首・肩・背中・腰と痛みを訴えていましたが、その都度検査しても転移している様子が見えません。


きっと、首から腰まで放射線を浴びせ続けたので、微妙な骨変形が起きて神経を圧迫したのだろう、と想像しています。


痛いのは辛いけど命を取られるような状態ではない、と理解しています。この2ヶ月ほどはその痛みも、和らいでいるようです。

・・・私は、あることを懸念していた。


彼には、1ヶ月~2ヶ月に一度は会員制クリニックを受診してくださいね、とお願いしていたのですが、彼はそれを1年も放置してしまった。

その間に、彼の体には高濃度ビタミンC点滴が入り難くなっている現実、がん処方のサプリメント摂取不足、それらは、ガンが勢いを増す状況を作っているのではないだろうか?

直腸肝臓へと転移したステージのがんの勢いは、正に、グレード3の直腸がん故の結果であること。そのタイプのガンを局所的に叩いても体は楽になるのだろうか? その後、別の部位にガンは勢いを増して転移するのではないだろうか? 


今年の春になって嫌な予感は当たってしまった。日赤の医師の「来年の桜は見られないだろう。」と云う宣告。

根拠は、この1年の間に腫瘍マーカー CA19-9が一挙に20倍にも上昇し、肺に映る影が巨大化してしまったこと。


体調を聞くと、食欲もあるし、疲れるということもない。ただ、咳き込むようになった、と語る。体は元気でも、すっかり諦めの気持ちが先に立ち、最後の覚悟を決めてしまったようです。

仕事先にがん末期をカミングアウトし、40年続けてきた自分の会社をたたむ。そして、奥さんの生計を立てる道を探る、と言う。


大変な覚悟ではあるが、果してそれで良いのだろうか?

疑問符を投げ掛けた理由は、肺がんの末期で寝込むほど体も弱り、余命3ヶ月と宣告された方が医師の告知を覆してしまったからです。会員制クリニックで6年ほど前に起きた症例です。


高濃度ビタミンC点滴療法、栄養療法を選択して、元気を取り戻し、余命宣告の6倍も長生きしました。

がん末期の場合、標準治療に頼るだけでは長生きするだけ苦しみも伴うことが多いのですが、その方の場合は苦痛もなく生きる喜びを味わい続けた、と云うのです。

趣味は渓流釣で、渓流沿に山を登り、崖をよじ登りポイントを見つけて、ヤマメやイワナと知恵比べする釣なのです。大変な精神力と体力を使わなくては果たせない趣味なのです。


そのような症例もあったことを聞いている私は彼に言いました。

私:「余命宣告というのは、無治療のまま過ごすと亡くなる時期を指していることも多い。でも、栄養療法の力は捨てたものではないですよ。栃木くん独りで決めるのではなく、会員制クリニックの医師・管理栄養士のカウンセリングを受けて、希望を持ってください。奥様とも相談しながら会社を閉める時期を選んでね。」


先日、栃木くんが栄養を取りにやってきた。私の留守中に彼は妻に色々と零していった。


栃:『会社を閉める時期、残される女房のこと、国家試験浪人の長男・二人の娘のこと、考えると夜も眠れない。』


妻:「栃木くん、考え込まないで前を向こうよ。病気に苦しむのは貴方だけじゃないよ。私だって乳がんが骨やリンパ節に転移して、全身でもう既に5ヶ所だよ。痛みも走るけど、家事をしたり、亭主に自分が居なくなったら分からなくなってしまうことを書き残したり、美味しいものを食べたくなったら連れて行ってもらったり、毎日忙しいよ。」


栃:『奥さんみたいに強くなれないよ。弱いんだよ・・・俺。』


妻:「あれもこれも考え出したらキリがないけど、良くない方向に考えたら自分の体にもマイナスだよ。ガンが喜ぶだけだ。」


栃:『ハハハ・・・ そうだね。』


彼の顔に少し赤みが差して、少し元気な顔付きで帰っていったそうだ。


日赤の医師の告知ですが、『来年の桜は見られない』 と云い放つだけで、温かいフォローがないのは患者の望みを絶つだけですね。