機能性低血糖症 | 髭の拝さんのブログ

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病について分子栄養学的観点で思い付くまま書き記しますが、中身は栄養素の生理活性をお知らせしながら
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機能性低血糖症に思うこと

 機能性低血糖症と云うその病気は、悪寒・震え・極度の苛立ち・怒りっぽい・脱力感・めまい・意識の混濁・理由のない不安感・過食・パニック・自傷行為・自殺願望・等々の症状を生むことがある。勿論全ての症状が現れると云う訳ではないが・・。

 症状が現れる理由は次のとおりである

 甘いお菓子類の糖は吸収が早過ぎる為に、一時、血管の中に糖が増えすぎて体に害を及ぼします。生体の防御機構として血管内に溢れた糖を下げようと、インスリンが過剰に分泌される。この過剰分泌されたインスリンが、数時間後になっても血管の中に溢れて、血糖値を極端に下げるので上記のような諸々の症状を引き起こすことになります。これを反応性低血糖または、機能性低血糖といいます。低血糖が進むと、脳のエネルギーレベルを低下させ、最悪の場合は痙攣発作・意識混濁・意識消失、そして、死に至る。

 生体はそれを防ごうと、イライラホルモン・不安ホルモンであるアドレナリンやノルアドレナリンなどをいっぱい分泌してしまう。アドレナリンもノルアドレナリンも血糖値を上げるホルモンですから、そうして血糖値が上がり脳は守られるのだが、その時に諸々の嫌な症状を生み出すことが知られています。

 そうした理由で現れた症状を訴える患者たちは、医師によって『自律神経失調症』『鬱病』『統合失調症』などと誤診されることも多いのです。日本で始めにこの事実を訴えたのは、当時岩手大学教授で医師ではなく犯罪心理学を専攻する”大沢 博”先生だったことが興味深い。

 臨床の医師たちからの反論は『機能性低血糖症なんて、そんな病気はありません!と一言で切り捨てる。保険の制約があって、5時間の糖負荷検査が行われないことも事実を歪めています。

 機能性低血糖症が引き起こす、脳内の化学的変化を少し噛み砕いて説明します。人の脳は栄養を受け取ることで、脳のそれぞれの役割を担う部位が働いて、情緒や思考のバランスも取っています。低血糖になると、脳は、理性の座である大脳皮質よりも、本能の座である大脳辺縁系に栄養を送り込むことで、生命維持しようとします。この時に甘い物好きの低血糖者は、理性の座である大脳皮質が「食べるのを我慢しよう」という意思よりも、本能の座である大脳辺縁系が働いて「甘い物が欲しい」と云う欲求に勝てなくなるのです。

 血糖値が250mg/dl(基準値超え)→70mg/dl(基準値内下限)などと急降下してしまうと、脳は糖エネルギー不足となって混乱してしまうのです。日常生活では、こうした血糖変化がもっと激しく現れることもあって、その時に人は様々な症状が現れるのは何も不思議なことではないのです。

 統合失調症の代表的症状としての幻聴・幻覚については、ナイアシンアミド(ビタミンB3) 3000㎎/日程度の投与で消えるかもしれない。と云うのは、低血糖状態で過剰のアドレナリンやノルアドレナリン分泌が余儀なくされると、アドレナリンが酸化されてアドレノクロム(あるいはノルアドレナリンがノルアドレノクロム)へ変換されると脳にその毒性が蓄積されて、そうした症状が起こるとホッファー博士は唱えています。

 また、統合失調症では、ドーパミンと云うカテコールアミンが増え、脳を混乱させるので統合失調症状が現れると理解されています。そのドーパミンからノルアドレナリンへ変換され、更にアドレナリンへと変換されて、アドレノクロムが作られる経路がある。そのために、幻覚・幻聴も現れますが、ホッファー博士はこれすらもナイアシンで回復すると説いている。

 カナダのエイブラム・ホッファー博士は2009年の5月に亡くなりましたが、治療実績50年の間に4,000症例もの統合失調症・うつ病患者を、ナイアシンを中心とした栄養で完治させています。