来年の桜は見られないだろう・・・その2 | 髭の拝さんのブログ

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病について分子栄養学的観点で思い付くまま書き記しますが、中身は栄養素の生理活性をお知らせしながら
健康回復の道筋を説きます。
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・・・私は、あることを懸念していた。


彼には、1ヶ月~2ヶ月に一度は会員制クリニックを受診してくださいね、とお願いしていたのですが、彼はそれを1年も放置してしまった。

その間に、彼の体には高濃度ビタミンC点滴が入り難くなっている現実、がん処方のサプリメント摂取不足、それらは、ガンが勢いを増す状況を作っているのではないだろうか?

直腸肝臓へと転移したステージのがんの勢いは、正に、グレード3の直腸がん故の結果であること。そのタイプのガンを局所的に叩いても体は楽になるのだろうか? その後、別の部位にガンは勢いを増して転移するのではないだろうか? 


今年の春になって嫌な予感は当たってしまった。日赤の医師の「来年の桜は見られないだろう。」と云う宣告。

根拠は、この1年の間に腫瘍マーカー CA19-9が一挙に20倍にも上昇し、肺に映る影が巨大化してしまったこと。


体調を聞くと、食欲もあるし、疲れるということもない。ただ、咳き込むようになった、と語る。体は元気でも、すっかり諦めの気持ちが先に立ち、最後の覚悟を決めてしまったようです。

仕事先にがん末期をカミングアウトし、40年続けてきた自分の会社をたたむ。そして、奥さんの生計を立てる道を探る、と言う。


大変な覚悟ではあるが、果してそれで良いのだろうか?

疑問符を投げ掛けた理由は、肺がんの末期で寝込むほど体も弱り、余命3ヶ月と宣告された方が医師の告知を覆してしまったからです。会員制クリニックで6年ほど前に起きた症例です。


高濃度ビタミンC点滴療法、栄養療法を選択して、元気を取り戻し、余命宣告の6倍も長生きしました。

がん末期の場合、標準治療に頼るだけでは長生きするだけ苦しみも伴うことが多いのですが、その方の場合は苦痛もなく生きる喜びを味わい続けた、と云うのです。

趣味は渓流釣で、渓流沿に山を登り、崖をよじ登りポイントを見つけて、ヤマメやイワナと知恵比べする釣なのです。大変な精神力と体力を使わなくては果たせない趣味なのです。


そのような症例もあったことを聞いている私は彼に言いました。

私:「余命宣告というのは、無治療のまま過ごすと亡くなる時期を指していることも多い。でも、栄養療法の力は捨てたものではないですよ。栃木くん独りで決めるのではなく、会員制クリニックの医師・管理栄養士のカウンセリングを受けて、希望を持ってください。奥様とも相談しながら会社を閉める時期を選んでね。」


先日、栃木くんが栄養を取りにやってきた。私の留守中に彼は妻に色々と零していった。


栃:『会社を閉める時期、残される女房のこと、国家試験浪人の長男・二人の娘のこと、考えると夜も眠れない。』


妻:「栃木くん、考え込まないで前を向こうよ。病気に苦しむのは貴方だけじゃないよ。私だって乳がんが骨やリンパ節に転移して、全身でもう既に5ヶ所だよ。痛みも走るけど、家事をしたり、亭主に自分が居なくなったら分からなくなってしまうことを書き残したり、美味しいものを食べたくなったら連れて行ってもらったり、毎日忙しいよ。」


栃:『奥さんみたいに強くなれないよ。弱いんだよ・・・俺。』


妻:「あれもこれも考え出したらキリがないけど、良くない方向に考えたら自分の体にもマイナスだよ。ガンが喜ぶだけだ。」


栃:『ハハハ・・・ そうだね。』


彼の顔に少し赤みが差して、少し元気な顔付きで帰っていったそうだ。


日赤の医師の告知ですが、『来年の桜は見られない』 と云い放つだけで、温かいフォローがないのは患者の望みを絶つだけですね。