【腎盂腎炎とは】
【症状】
ーー治療期間中の注意ーー
患者は圧倒的に女性が多い
その理由は、女性は男性より尿道が短く、尿道口と肛門が接近しているので、上行性感染による細菌感染が起こりやすくなってしまうからです。
また同様の理由で、膀胱炎も女性に多い病気ですが、腎盂腎炎の患者の約3割が膀胱炎を併発します。
【症状】
①発熱:時に40度近くになる発熱を認めます。
②側腹部痛:感染を起こしている腎臓の側の腹部から腰部に痛みが生じます。
③頻尿:膀胱尿道炎を原因とするので、頻尿となります。
④膿尿:感染した菌による膿が尿に混じ、膿尿となります。
⑤血尿:感染によって尿路から出血し、血尿となります。
②側腹部痛:感染を起こしている腎臓の側の腹部から腰部に痛みが生じます。
③頻尿:膀胱尿道炎を原因とするので、頻尿となります。
④膿尿:感染した菌による膿が尿に混じ、膿尿となります。
⑤血尿:感染によって尿路から出血し、血尿となります。
症状は人それぞれですが、生理痛の時ような腰の重みを感じ、痛みがひどい場合は眠ることもままなりません。痛みを感じる場所は、背中の下部(腎臓があるあたり)です。
【原因】
腎盂炎の主な原因は大腸菌とされていますが、2種類以上の細菌が同時に感染している(混合感染)ことも珍しくありません。また、その感染経路として上行性感染や血行性感染、リンパ行性感染などがあげられます。
原因その①上行性感染
上行性感染とは大腸菌などの細菌が何らかの原因で逆流、腎盂に達するものです。前述した膀胱尿管逆流症をはじめ腎盂・尿管の形態異常あるいは悪性腫瘍、前立腺肥大、尿路結石、痛風、妊娠などがその原因とされています。
原因その②血行性感染
他の臓器に感染源となる細菌があり、それが血流にのって腎臓まで運ばれ感染することを血行性感染といいます。
原因その③リンパ行性感染
リンパ管を通って細菌が運ばれ、感染することをリンパ行性感染といいます。風邪などで体が弱っている時には、このリンパ行性感染や血行性感染が多く見られます。
【検査方法】
①尿検査
尿の検査では細菌や白血球が確認されます。急性の場合は血尿もみられます。
②血液・血清反応検査
白血球の増加や炎症の有無を確認するCRP(C反応性蛋白)試験では陽性度が高くなり、急性では血清IgM(免疫グロブリンM)値が高くなります。
③X線検査
腎臓の大きさや腎杯の異常を確認します。
検査の結果、閉塞や構造上の異常や、結石などが見つかった場合には、手術が必要になることもあります。
検査の結果、閉塞や構造上の異常や、結石などが見つかった場合には、手術が必要になることもあります。
【治療法】
原因となっている微生物に効果的な抗生剤投与が治療の中心になります。
症状が重い場合は入院での点滴治療になりますが、軽症の場合は基本的に飲み薬で、抗生剤を内服します。
治療期間は?
膀胱炎で3日間、腎盂腎炎で7~14日間といったところです。
ーー治療期間中の注意ーー
治療が奏功すると症状は3日ほどでよくなりますが、渡されたお薬はすべて飲み切るようにしましょう。症状がよくなり途中でお薬を飲むことをやめてしまうと細菌が生き残りやすくなり、再発してしまうことがあるからです。
【予防法】
①食事療法
腎臓の負担を軽くするためには、食塩制限が必要です。食塩摂取量は1日6g未満が適切とされています
②水分摂取
適切な量の水分を摂取することによって、尿量を確保し、侵入した細菌を体外へ洗い流すことが大切です。
③排尿を我慢しない
排尿を我慢することによって、侵入した細菌が膀胱内で繁殖しやすくなり膀胱炎を引き起こしやすくなります。そのため長時間、我慢をせず排尿することを心がける必要があります。
④性行為の後の排尿
性行為の後は膀胱内に細菌が侵入している確率が高く、そのため性行為の後排尿することによって、膀胱炎を予防することができます。