先に、私は映画やドラマの知識が全くありません。俳優さんも知りません。

他の方のレビューを読むと学ぶことが色々ありますが、私の感想文は本当にただの感想の羅列です。

また、ネタバレせずに書く能力もないので、ネタバレしながらの文章であることをご了承ください。

さて「イカゲーム」です。

そのタイトルはだいぶ前から目にしていたのですが、タイトルからして興味が湧かず、ずっと見ずにいいました。

ある時アマプラで暇つぶしに見たのが「タコゲーム」。

こういうのをC級というのか何と言うのか知りませんが、見終わってから他の人の感想を見たら「イカゲームのパロディ」とのこと。

へえ、あのイカゲームってこういう系なのかと思って、遅ればせながら2024年後半に初めて見たのでした。

以下、ネタバレしながら思ったことを書き連ねたいと思います。

長文です！

イカゲーム：ゲームについて

まずシーズン1とシーズン2＆3でのゲームをおさらいしたいと思います。

シーズン1

第1ゲーム：だるまさんがころんだ

第2ゲーム：型抜き（タルゴナ）

第3ゲーム：綱引き

第4ゲーム：ビー玉遊び

第5ゲーム：飛び石ゲーム

第6ゲーム：イカゲーム

シーズン2

第1ゲーム：だるまさんがころんだ

第2ゲーム：五人六脚

第3ゲーム：マッチゲーム

第4ゲーム：かくれんぼ

第5ゲーム：大縄跳び

第6ゲーム：イカゲーム

この中で、上手くいけば全員助かる可能性のあるゲームは、双方第1、2、5のゲーム。（飛び石は確率的に無理だけど）

必ず脱落者（死者）が出てしまうのが、第3、4、6ゲーム。

後者は本当に嫌です。キツイです。

それぞれの感想を書きます。

「だるまさんがころんだ」（シーズン1、2）

456人が一斉に同じ行動をとるので見応えがあります。

そして唯一、参加者が死の可能性を知らずに挑むゲームですね。

前述のように私がイカゲームを見始めたのは2024年で、すでに「2」の公開が決まっていた頃。

シーズン1（以下S1）が終わり、ギフンがあの悪事を辞めさせようと再びゲームに戻って、一体どういう展開になるのか？

またゲームと殺人を繰り返すだけならば、ただそれを見て楽しむだけのホラーになってしまいます。

そしてシーズン2（S2）が始まり、やはり同じようにあの場で目覚め、緑のジャージを着て第一のゲームに向かったらあの会場であのヨンヒ人形。

結局また同じことを繰り返すのか…？と思ったら、違うじゃないですか！

ギフンがめっちゃ皆を守ろうと叫んでる！めっちゃ仕切ってる！

俄然、ワクワクし始めましたよ。

ギフンのアドバイス通り、1列に並んで進む集団。S1と違う！

S1では助けられた側のギフンが、S2では皆を助けようとし、さらに撃たれた人を助けるためにゴール後に戻りさえします。

そこで手伝ったヒョンジュ（120）のカッコ良さ！

ピンクガード視点を見れたのも、S2とS1の違いですね。

そしてもう一つ大きく興奮したのは、ここでの曲の使い方です。

S1では、こんな残酷なシーンにこんな素敵なジャズバラード（Fly me to the moon）を使うのか！という衝撃でしたが、S2では同様に再生された同じ曲が、途中からR&Bというのか何なのか、カッコイイ・ノリの良いアレンジに変化しました。

今までと同じだけど、決して同じじゃない。

それを確信させてくれたのでした。

「型抜き（タルゴナ）」

S1では第2ゲームが型抜きでした。

S2の第1ゲーム後の夜、ギフンがタルゴナの夢を見ますが、あのシーンが大好きです。

全員が三角（△）の型の列に整列し、いざ受け取って蓋を開けたら、超細かい超たくさんの三角形たち！

100億おじさんイム・ジョンデ（100番）のヒステリックに責め立てる様子と、オ・ヨンイル（001番）＝ファン・イノの無言で見つめる視線とに追い詰められるところがとても好き。

思えばS1は笑う場面がほとんどなかったように思いますが、S2はけっこう笑いもしたまあ。

「綱引き」（シーズン1）

何のゲームか知らされぬまま、チームを組むように言われ、女性や高齢者は排除されます。

強そうな男性ばかりで構成されたチームと、高齢者1人と女性3人を含むチームが戦うのは綱引き。

どう見ても絶望的ですが、高齢者の豊かな経験と知識からのアドバイスと皆の団結とで、なんと勝利します。

そのことが爽快だったし、また、負けて落ちてぶら下がり、その綱が断ち切られて下へ落下するシーンも残酷でありながら美しくもあり、印象的でした。

「五人六脚近代五種」（シーズン2）

すべての中で私が一番好きなゲームです。

上記綱引きと同様、やはり高齢者や女性が避けられ排除され、その人たちが組んでチームとなり、成功したことが心地よかったです。

なによりあんな残酷なゲームなのに、あんなに皆が盛り上がって声援を送ったり、成功を喜んだりしているのが本当に好き。

オ・ヨンイル（001番）＝ファン・イノですら、すっごく楽しんでます！

また、ここでクムジャ（149）・ヨンシク（007）親子、ヒョンジュ（120）、ヨンミ（095）のほんわかした関係に心癒され、一気に感情移入が進みました。

あと、男性だけのチームで、碑石打ちが全然当たらず、もう絶望で意識飛んでる感じの人もすごく良かったです。

私もたぶん、その状況ならそうなる（笑）

「マッチゲーム」（シーズン2）

一番苦手で怖く思うのがこれです。

短い制限時間内に、指定された人数で組んで小部屋に入る。

組めなかった人、切り捨てられた人は、脱落して殺されてしまう。

メリーゴーランドのような巨大な回転装置と、明るく陽気な歌と、色とりどりの50個のドア。

可愛らしく美しい環境と、そこで行われることの残酷さの対比が強烈でした。

5人6脚で良い関係を築いたヒョンジュ（120）達が同じ部屋に駆け込む中、ヨンミ（095）が転倒してその隙にミョンギ（333）が入り込み、ドアの窓越しにヨンミがヒョンジュに泣き縋りながら殺されてしまうシーンが悲しくて可哀想で、強く印象に残っています。

また、一度離れ離れになってしまったクムジャ（149）・ヨンシク（007）親子が、その後は絶対に離れまいと手をしっかり握り合っている姿が愛しく、切なくて。

ドラッグでハイになってるサノス（230）と、ナムギュ（124）だけが、陽気に踊っている図も面白かったです。

フロントマンである001番オ・ヨンイル（ファン・イノ）の冷酷さも、今後の不幸な展開を予測させてくれました。

あと、ヨンイルが最後のゲームの前に「次は２人だと思う」って言ったのは、本当に推測なのか、知っていたことなのか、どちらなのでしょう？

「ビー玉遊び」（シーズン1）

これは辛かった…

その前がチーム団結しての綱引きだったから、またチームで戦うと思うじゃないですかー！

なのに、２人で組ませて、どちらかが必ず死ななくてはならない。

こんな残酷ってあるだろうか。

不遇な善人アリが、善人面したサンウに罵られ騙され、死に追いやられたことが許せなかったです。

ギフンのおじいちゃんとのやりとり。

あんな結末、一生引きずるよね…

ファンハウス　殺戮の監禁部屋(字幕版)

Amazon（アマゾン）

「かくれんぼ」（シーズン3）

シーズン2からリアルタイムで見た私にとって、シーズン3は待ち焦がれすぎたものでした。

事前に見た監督や出演者のインタビュー記事か何かで「より残酷になる／すごく残酷」と見たので、いくつかの残酷を想像していました。

そのうちの3つが、シーズン3の最初からいきなり的中してしまいました。

3つとは、

・参加者同士が殺し合うゲーム

・息子ヨンシク（007）の死とクムジャ（149）の後追い自殺

・ヒョンジュ（120）の、誰かを守っての死

でした。

シーズン初めに死なせちゃう？

もうちょっと生きていて欲しかった！！

参加者同士の殺し合い

ゲーム内容が説明されて、赤グループは「青の誰かを殺すこと」と言われた時、私は初めてイカゲームでちょっと冷めました。

夜間の特別ゲームは別として、参加者同士で殺し合せるってもう別のホラーじゃね？と思ったからです。

というか、可能性の一つに殺し合いを予想しましたが、「そしたらイカゲームと違っちゃうから、たぶん違うよね」と思っていました。

あまりに酷いし、今まで凝っていたのにちょっと安易になってしまった気が。

でも、かくれんぼは、すごく見応えがありました。

命懸けの、鬼ごっこと迷路。

ドアを開けたら床は遥か下…というのも良かった。

息子ヨンシク（007）の死とクムジャ（149）の後追い自殺

ゲームの特性上、親子どちらかが先に亡くなるのは十分あり得たことでした。

そしてS1では夫婦参加があり、ビー玉遊びで妻を死なせてしまった夫が後追い自殺。

なので嫌な予想はありましたが、あまりにも、あまりにも酷くて残酷すぎました。

S2でクムジャがかんざしの秘密を明かした時、いつかこれが使われるだろうとは思っていました。

それがまさか、ずっと守ってきた我が子を刺すことに使われるだなんて。

そもそも彼女の参加動機は、自身の財産のためでなく息子の借金返済のためなのに。

これほどの残酷ってあるでしょうか。

そしてクムジャは後追い自殺。

一番大好きだった出演者の、一番悲しい死でした。

おばあちゃん、もっと生きてて欲しかったよ！

生き残れないにしても、苦しんだり悲しんだりしないで死を迎えてほしかったよ！（泣）

ヒョンジュ（120）の、誰かを守っての死

これもキャラクターの特性上、多くの人が予想したことだろうなと思います。

彼女は一人で行動していたならば、きっと生き残れていたことでしょう。

でも弱者二人（妊婦と高齢者）を守り、一度はゴールに足を踏み入れ安堵の表情を浮かべたけれど、二人の元に戻りました。

そして殺されてしまいました。

きっと誰よりもカッコいい、誰よりも惜しまれる死を迎えるだろうとは思っていたけれど、シーズン3の最初で死んじゃうとは思っていませんでした。ひたすら悲しい。

飛び石ゲーム（シーズン1）

光景的にかなり好きです。

暗い黒い中に浮かぶ、透明の橋。

どのゲームも凝っていますが、この光と闇の美しさが本当に好き。

片方のガラスは強化ガラスで二人まで乗ることができる、というのがポイントですよね。

だからこそドクス（101）のような、悪知恵が出てくる。

この卑怯でトラブルメーカーのドクスを、ハン・ミニョ（212）が心中に連れ込んだのは痛快でした。

あれを「愛」とする解釈もあるようですが、女として私は「愛じゃない」と思います。

ミニョは一瞬もドクスなんか愛したことはなく、あの医者同様、保身から取り入って利用していただけだと思います。

おまけに綱引きでもビー玉でもドクスから排除されて、もう恨みしかない。

ガラスの橋で、あの時点でミニョが無事に渡り切る可能性は限りなくゼロに近く、死はほぼ確実。

そんな状況で、憎いドクスのために死んであげるなんてこと、絶対したくない。

死ぬなら道連れにしてやる、って心意気だと思うんですよ、私は。

ところであれで001番を譲ってもらった人、とことんツイてないですね。

宗教と数学、ガラス職人も良かった！

大縄跳び（シーズン3）

シーズン3を待ち焦がれていた時の予告動画で見聞きした、夕焼け空と「コーンコン」の歌で想像を膨らませ胸を高鳴らせていたので、実際にその瞬間が出てきた時はキターっ！と興奮しました。

残酷なイカゲームの中で、上手くやればクリア出来る、易しい方のゲームではないでしょうか。

巨大なヨンヒ・チョルス人形と、大縄がヒュン！と迫ってくる迫力が素敵でした。

シーズン2ではスネ夫のような腰巾着のような、イヤな奴役であったナムギュが、シーズン3では輝いていました。

臆病で逃げ専なミンス（125）が行動に出たのも良かった。

出産直後で足を怪我したジュニ（222）は可哀想でしたが、私、ここ思うんですよ。

ベッドのシーツを割いて、足にグルグル巻いてガチガチに固定したら、大分楽になったのではと。

そして、激痛だろうけれど何しろ自分と我が子の命が掛かっているのだから、ギフンの助けがあれば渡れたのではと。

今まで命懸けで守ってくれたヒョンジュ（120）とクムジャ（149）がいなくなり、精神状態が正常でないギフン（456

）以外は誰も妊婦・出産直後の若い母親を気にかけないって、酷いなーと思います。

イカゲーム（シーズン1、シーズン2）

どちらのゲームもファイナルはイカゲーム。

S1は1：1のデスマッチで、個人的に殴ったりの描写が嫌いなのであまり集中せずに見ました。

S2はS1と同じようにやるのかと思ったら、違いましたね。

なんと天空イカゲーム！

なぜそれぞれのステージ上でスイッチを押してから始める必要があるのかと思ったけれど、進むうちになるほどと思いました。

残酷さのアイディアが優れすぎです！

S2はS1と比べてプレイヤー達の個性や人間関係もたくさん描かれ、自然に感情移入し、死なないで欲しいと強く思うキャラが出来ました。

その人たちがS3であっけなく死んでいき、残ったのはギフンと、S2でセミを見捨てたミンス（125）と、いけすかないユーチューバーのミョンギ（333）と、100億おじさんイム・ジョンデ（100）とその他おじさん達という感じ人達だけ。

「なぜこんな地味なメンツに…」と思ったけれど、もしここにヒョンジュやクムジャ・ヨンシク親子、ジュニやヨンミが生き残っていたとしたら、それこそ地獄です。

そうならなかったのは、まだ良かったのかなと思いました。

ミョンギ（333）は最初から最後まで嫌な奴でしたが、ずっとクールだった彼が顔をくちゃくちゃにして本心をむき出しにした演技はとても良かったです。

誰か１人以上を切り捨てなければクリア出来ない。

一番切り捨てやすい弱者を排除したら、その次は残った中から再び弱者が選ばれ、切り捨てられる。

老人や障害者などを差別し、排除したならば、次にまた必ず排除される対象が出てくる…というメッセージも含まれているのかなと勝手に思いました。

すごく長くなってしまいましたが、イカゲーム全シーズンのゲームに対する感想を書きました。

次はプレイヤーに対しての感想を書こうと思います。