今頃になって考えて、腑に落ちていることがあるのですが、最近とみに取りざたされる食品問題では「健康被害」が出ているのだ、ということです。
 何を当たり前な事を、って感じですが。


 ところで食品にかかわる問題と言えば中国産の食品の問題も後を絶ちませんが、その中国では食品事故によって重症患者が出たりひどい時には死者が出たりします。つまり生命にかかわる問題となっています。生命問題(生命被害)と言う言葉は聞いたことがありませんが、これを健康被害といっていいものか?と。


 もちろん広義に扱えばいいのですが、それにしても健康と言う言葉はピンからキリまで非常に範囲が広いものです。
 そもそも健康とはどういう状態のことか?と考えると、例えば「平和とは、戦争のない状態の事を言うのだ」とシニカルな人なら言いますが、同じ論法で言えば健康とは病気や怪我のない状態のことです。ただ、そんな考えには必ず違和感が付きまといます。あなたは健康ですか?と問われて「ハイ、私は健康です!」と断言できる人は少ないとは言わずともそれほど多くもないでしょう。
 つまり、単に機嫌が悪いてな状態であっても健康的ではありませんし、あまりに長く機嫌が悪い状態が続くと本当に病気になる事だってあるわけです。逆に、至って健康なヘビースモーカーてのもそこらじゅうにいます。


 ということは、健康被害という言葉の定義を下のほうに拡大すると、赤福や事故米を全く食べていない、何の関係もない人であっても、赤福や三笠フーズの事件をテレビで見て「気分を害した」と言うだけで健康被害と言えます。かなりこじつけくさいですが、しかし実のところは日本国内のほとんどの食品問題において、そういうこと以外の健康被害はどういうものがある?と考えても確実に観測できるものはほとんどありません。もちろんメタミドホスやジクロルボス問題を別にすれば、ではありますけどあれにしたところが本物の被害はかなり限定的です。


 そういうところへもってきて、例えば私などがADIなんかを基にして「生命問題」を説明しても何の意味もないことだ、と感じたわけです。わからない人にとってはそもそも問題の階層が全然違うわけで、つまりマスコミ報道などで本当に必要なのは「生命問題に関する知識・情報」ではなく、「『健康問題』のクラス分け」なのでしょう。


 別に食品報道に限らずな話にも思います。


koume

 いやあ、パンチがあれほどスベるのは初めて見た(笑)まあ噛みまくりもありましたが。

koume

 愛知の業者で、タケノコの水煮の産地偽装をやったというニュースが出ています。なんか、国内の生産者の顔写真も勝手につけてたとかで話題になってます。


東京新聞:ニセの生産者写真で偽装 タケノコ水煮 中国産を『国産』
2008年12月17日 朝刊

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2008121702000082.html




 農林水産省は十六日、中国産原料を使っていたにもかかわらず熊本県産などと表示し、タケノコの水煮などを販売したとして、日本農林規格(JAS)法に基づき愛知県一宮市の食品製造販売「たけ乃子屋」と協力した四社に是正を指示した。一部商品の包装に架空生産者の写真を印刷するなどの工作もしており、同省は悪質な産地偽装とみている。愛知県警は不正競争防止法違反の疑いもあるとみて捜査する。


 同省東海農政局の調べでは、たけ乃子屋は昨年七月から今年十月までに製造、販売した水煮のほとんどで中国産のタケノコを使っていたが、「熊本県産」や「鹿児島県産」など国内産にして首都圏や東海地区のスーパーで販売していた。


 また、売れ行き好調で自社生産が間に合わなくなったため、取引先の熊本缶詰(熊本市)など四社に加工・包装を依頼していた。四社には原料のほか虚偽の原産地が印字された包装材も提供。四社は産地偽装を認識しながら協力していた。


 熊本缶詰が製造した水煮は、包装パックの裏側に「熊本県竹林農家の皆さん」として、男性一人、女性二人が並んで写っている写真を印刷していたが写真の三人は実際は熊本缶詰の従業員だった。


 たけ乃子屋は森嘉仁社長名で「品質表示制度に対する認識の甘さを深く反省している」とする謝罪文を発表した。



 これもまた昼のテレビニュースで見たんですけども、どっかの団体の人が「信じられない」とか「トレーサビリティに喧嘩を売っている」などと言っていましたが、本当にそう考えているとしたらどうかしてるんじゃないですかね。
 産地偽装をしたのを擁護するつもりは全然ないですが、生産者の顔写真があるから安心できるって、あんなもん簡単に偽造できるってのは前々から分かりきっているはずでしょう。怪しめなマンガ雑誌の裏表紙に出ている「体験談」なんて見るまでもなく、きわめて低いコストで簡単に偽装できるような代物をそれだけ無邪気に信用できる精神構造というのはもう信じられない。


 私は、「生産者の顔が見える作物」とか言う売り文句で、本当に生産者の顔や連絡先までさらしてしまうのは嫌いです。
 スーパーに行くと本当に生産者の顔写真を添付した商品がたくさんありますが、あれが本当か嘘か知りませんが、もし本当だとしたらなんとまあ無茶なことをするもんだと思います。私自身は金沢在住だとかけっこう気軽にブログで書いたりしてて、わりと個人情報保護には甘い方だとは思うんですが、それでも顔写真と連絡先つきの商品を全国区のスーパーに並べて不特定多数に見られるなんてとても出来ません。それは製品に自信があるとかどうとかの問題ではありません。ああいうののトラブルはまだ聞いたことがありませんが、本当にトラブルはないんでしょうか?


 加工品や野菜なんかは市場とか商社を経由しているのでまだマシですが、農家直販のコメの小売袋には信じられないくらい無防備な情報がガンガン載っています。何らかの対策はした方がいいかなあ。といってどんな対策を取ればいいかわからないんですが。


 あータケノコ業者は潰れればいいと思いますよ。当たり前ですが、偽装が簡単と言うことと、やっていいかどうかは別ですからね。まったくこういう業者のせいで規制強化とかになって、ほかの業者まで全部ワリを食う。


koume

 非医療者であるancomochiさん が考え、ご自身のブログで紹介されているものです。すでにたくさんの方が紹介し、絶賛されているものですが、一応同好の士と(勝手に)解釈してこちらでも紹介。


http://d.hatena.ne.jp/ancomochi/20081204/1228403206


1:医療は不確実です。医療には限界があります。医師がどんなに手を尽くしても亡くなることはあります。

2:医師はエスパーではありません。症状をきちんと伝える為に「いつから、どこがどう痛いのか」等を予めメモにまとめておきましょう。


3:医師は敵ではありません。敵なのは病気であり、医師は共に戦う仲間です


4:医師は病気を治すのではありません。医師は病気を治す手伝いをするのです


5:新聞やニュースの医療記事を鵜呑みにしないようにしましょう。偏向報道の場合があるので出来たらネット等で調べ、多角的に考えましょう


6:「たらい回し」「受け入れ拒否」という言葉は使わないようにしましょう。これらは人手・設備不足等で受け入れ能力がないために起こります。つまり「受け入れ不能」「受け入れ困難」の方が適切です。


7:“ベッドが満床”のベッドは物理的なベッド以外に、酸素マスクや看護する人員等含んだ設備と言う意味があります。つまり「ベッドが満床」=「(物理的な)ベッド・設備・人員すべて受け入れる余力が無い」んです。それから“ベッドが無ければソファに寝かせて治療”は重症患者ではとてもできません。


8:「一般人だからわからない」と言わずに調べるくせをつけましょう。自分の病気についても人任せにしないで正しい知識をつけましょう。


9:時間外の救急外来に平日昼間のような設備や人員は望めません。コンビニ受診は控えましょう。


10:医療崩壊について調べてみましょう。医療崩壊、医師不足や受け入れ不能事件の一因は我々国民にもあることを自覚し、何をしたらいいのか建設的に考えていきましょう。我々非医療者、医療者が協力し合わなければ医療崩壊はくい止められません。

(赤字は勝手に装飾(^^;)




 こういう活動のポイントは、医療関係者に対しての活動にはならないようにしないといけない所だろうなと、思っています。例えば、医療過疎な地域の住民が署名を集めて病院や自治体に嘆願しに行くとかは、拙い気がします。署名なんか集まっても腹の足しにはならねえよ、までいくと言いすぎでしょうけども、要するにまだ他人任せに感じるからです。


 ancomochiさんの視点も、私の目標も同じ(たぶん)なのですが、医療受益者に対する活動こそ、まだやる余地はあるだろうと思います。我々非医療者が医療問題に直接にタッチするには、患者の立場で行うのが唯一の方法です。直接でないといけない。政治やマスコミを「利用して」ならともかく、そういうものを「通して」行うのはダメでしょう。

 そういう意味で、当ブログの医療系エントリへの反応や、ancomochiさんのブログに集まっているコメントの多くが医療関係者からというのは、ほんとーはあんまり喜ばしいことではないと思うんですが、けど活動が徐々に広まってる感は確実にありますね。充分に速い速度かと言うとそれはまた別の問題なんですが(^^;


 ところで、最近ブログでは医療系の話題にはほとんど触れていません(医療問題を注視しる!その8は一応作成中です・・・)が、ネタに触れていないわけでも興味がなくなったわけでもありません。が、自分なりの解釈や表現が出来るなと思いつくようなネタはない感じ。あるとしても、「注視しる!」のためにあっためてますんで(笑)新年が明けたら、注視しる!をもうちょっと頑張ろうかな。


koume

 その7
 昔々あるところに、田んぼでコメを作っている七郎どんがおりました。七郎どんの田んぼは田園地帯の中にぽつぽつとあり、七郎どんの田んぼの周りには必ず他所のお百姓さんの田んぼがありました。
 七郎どんはある日、農薬なんて危ないものは使わずに、自分の田んぼは無農薬で安全なコメを作ろうと思い立ち、さっそく実行しました。すると、雑草の処理には苦労しましたが、害虫や病気の被害はあったものの思ったほどではなく、何だ無農薬でもコメは作れるんでねえか、未だに農薬を使ってコメ作りしてる農家なんか遅れてるべ、とホルホルしておりました。
 しかしそれを聞いた、回りの田んぼでコメを作っているお百姓さんたちは怒り心頭になりました。実は七郎どんの田んぼに病気や害虫があまり来なかったのは、周囲の田んぼで殺虫剤や殺菌剤などを使っていたため、地域一帯の害虫や病気が少なかったからなのでした。七郎どんの田んぼのすぐ隣でコメ作りをしている人などは、害虫対策をまるでしない七郎どんの田んぼから出てくる害虫のために、農薬を使う回数が増えたほどでした。また、七郎どんの田んぼは畦草の伸びもものすごく畦管理も大変で、マジでクレーム一歩手前になりました。
 その後七郎どんは、もっと安全・安心なコメを作ろうと思い立ち、きれいな水が流れる中山間地で無農薬のコメ作りに取り組みました。中山間地では田んぼは点在するばかりで、たくさんまとまっているわけではありません。もちろん隣で農薬を使ってくれるお百姓さんなどいるはずも無く、七郎どんの田んぼはあっという間に病気と害虫の餌食になりました。めでたし、めでたし。


 その8
 昔々あるところに、田んぼでコメを作っている八郎どんがおりました。八郎どんは長年、慣行農法でコメを作っていましたが、ある日、無農薬栽培を超える安全・安心農法の無肥料栽培と言う噂を聞いて、取り組んでみました。
 無肥料栽培とは、つまり、普通の山や原っぱなんかに生えている雑草は肥料なんか使っていないが普通に生えていて虫にも病気にもやられていない、しかし栽培作物は肥料をたっぷりやって、農薬を使わないと処理できないくらいに病気や害虫にやられる。つまり作物は肥料をやるおかげで栄養素タップリになってしまい、おかげで虫に狙われるのだ、だから無肥料なら農薬など使わなくてもいいのだという理屈でした。これはよく考えると、栄養も味気も無いごく貧相な作物を作れば虫からも愛想をつかされるんじゃないかと言う話で、じゃあそれを食わされる人はどうなんだと普通は思ってしまうのですが、八郎どんは幸運にもそんなことは考えもしませんでした。
 さて八郎どんが無肥料の米作りに取り組むと、意外や意外、1年目は稲がそれなりにすくすく育ち、多少の農薬は必要としましたがコメとしてはそれほど悪くないものが収穫できました。八郎どんは、何だ無肥料でもコメは作れるんでねえか、未だに肥料を使ってコメ作りしてる農家なんか遅れてるべ、とホルホルしておりました。
 しかし八郎どんの稲は2年目以降、急速に無残なものになっていきました。それもそのはず1年目にうまくいったのは、それまでいい加減な施肥管理しかしていなかったので、前年までに過剰に使われた肥料分がまだ田んぼに残っていたからなのでした。2年目以降は土壌が本当に貧困化し、コメを作るどころの騒ぎではなくなってしまいました。
 あわてて追肥をしても時すでに遅し、むしろ不自然な時期に肥料を貰ったおかげでひょろ長く育った稲はあっという間に倒伏し、八郎どんは大失敗の末離農してしまいました。めでたし、めでたし。


 その9
 昔々あるところに、田んぼでコメを作っている九郎どんがおりました。九郎どんは何とかして無農薬でコメを作れないかといろいろ調べて、遺伝子組み換え作物のことを知りました。遺伝子組み換えで、稲に病気に強い体質を持たせ、さらに特定の害虫が嫌がるような性質を付け加えれば殺菌剤や殺虫剤を使わなくてもいいんじゃないかと考えました。
 さっそく遺伝子組み換え米の種籾を捜してみましたが、手に入りません。実は九郎どんが住んでいる国では、遺伝子組み換え作物を作ることがほとんど許されていないのでした。
 さらに、おろしやの国から来た研究者がラウンドアップレディダイズの危険性についての講演をして、それにかぶれた町民たちは遺伝子組み換え食品のことが大嫌いになってしまいました。九郎どんが見る限り、おろしやの研究者の発表には、ラットの母数が書いてなかったり、生のGMダイズと加熱した一般食用ダイズを使って実験していたりと胡散臭いところばかりだったのですが、かわら版には遺伝子組み換え食品の悪口ばかり書かれ、栽培する意欲をなくしてしまいました。
 九郎どんは結局離農して、サラリーマンになりました。めでたし、めでたし。


 その10
 昔々ある村にコメを作っている、十兵衛、十一太夫、十二郎、十三乃助、十四右衛門、十五美、十六花、十七乃信、十八左衛門、十九乃丞の10人がおりました。10人はそれぞれ10枚ずつの田んぼを作っておりました。
 10人はある日、お奉行様の屋敷に呼ばれました。曰く、
 「そなたらは今後、10人が10枚ずつの田んぼを作るのではなく、全員で共同して100枚の田んぼを作ることにするが良い。さすれば大型の機械も使えるし、作業も効率化してコストダウンが出来よう。これぞ、集落営農の法である。カッ、カッ、カッ」「ははーっ」
 何故か平伏した10人は村に帰り、さっそく打ち合わせをすることにしました。
 十兵衛は慣行農法で田んぼを作りたいといいました。
 十一太夫は有機農法で田んぼを作りたいといいました。
 十二郎は有機肥料を使うのはいいが農薬は使うべきだと言いました。
 十三乃助は完全無農薬でやるべきだといいました。
 十四右衛門はうるちではなくもち米に取り組むべきだと言いました。
 十五美は加工品を作りたいといいました。
 十六花はとにかく面倒くさいことはしたくないといいました。
 十七乃信は他所の専門家から聞いてきた新しい農法を説明しました。
 十八左衛門はほかの作物も作るべきだといいました。
 十九乃丞はアイガモ農法がやりたいといいました。
 とにかく全員、自分がリーダーシップをとりたがり、結局は全員の思惑を少しずつ取り入れたりしながらぐだぐだになり、コメ作りはスタートしましたが案の定、組織はいつもまとまらずに分解寸前でした。
 さて何とか収穫まで終わりましたが、売り上げについては全員が同じだけの収入をほしがりました。当然のことです。ところが一部の人間から文句が飛び出しました。
 一番の若手である十二郎(58歳)は、実際の農作業はほとんど自分がやったと主張して、たくさんの分け前がほしいと言いました。十四右衛門と十五美は、売り先を開拓してきたのは自分だと言い、販売に対する功績を主張しました。ほかの面々も、同じだけの田んぼを提供したのだから売り上げは等分にすべきだと言いました。
 すったもんだの挙句全員が納得しないままに終わった後、十七乃信が居酒屋で愚痴っているとある人に言われました。「大規模経営ってのはねえ、大きくした規模を少ない人数でやるからコストダウンするのよ。しかも船頭さんばかりで仲間を作ったら、船は山に登るだけよ?」そこではっと膝を打った十七乃信はすぐさま集落営農から脱退しようとしましたが、ほかの面々からは「あれ、まだやめてなかったの?」と言われる始末でした。めでたし、めでたし。


 前回よりも全体的にかなり極端ですね(笑


koume