がらんどう/大谷朝子
第46回スバル文学賞受賞作
初出「すばる」2022年11月号
「空洞を抱く」を改題
表紙の写真の彫刻は
土屋仁応/「梟」「ステイホーム」2021年制作
惹かれる彫刻
この白く触るとすべすべしていそうな彫刻の材質は何だろう
木かな
着色してるのかな
気になって調べていたらご本人による技法のお話を見つけた
https://www.tfwsa.or.jp/post/彫刻家-土屋仁応
赤ちゃんの肌のようなフワッとしたニュアンスを表現したいと思っています」「白い下地を塗り、ピンクの淡い色を目の周りなどに入れると、急に血が通った印象になります
意図通りに伝わります
目には仏像彫刻で用いられる技法「玉眼」が用いられていて
ガラスや水晶が入っているとのこと
生を感じます
帯より
第46回すばる文学賞受賞作。
誰にも恋愛感情が抱けず、結婚や出産が見えない平井の隣で、
死んだ犬のフィギュアを作る菅沼。
アイドルの推し活が繋いだふたりのコロナ禍でのルームシェア。
“今”を生きるすべての人へ、
さまざまな属性を越えて響く“わたしたち”の物語。
最も読む快楽を感じた――岸本佐知子
不穏な虚を抱えたパワーバランスを評価したい――堀江敏幸
(選評より)
◇以下、ネタばれします
死んだ犬、という表現がなんか、、わざと乱暴に言っているのかストレートすぎてなんか、、
なんか何だろう
愛がないというか、距離を置いているというか、他人事のようで冷たいなあ
冒頭の一文が
リビングで、菅沼が死んだ犬を作っている。
最後の文が
人間になるかもしれなかったわたしの卵子も、愛されて死んでいった犬たちと同じところへ行って、
魂の尻尾を振りながら暮らしてくれればいいと思った。
受賞者インタビューの記事
ラスト、これまでの静かな筆致とは変わって重層的になり、主人公の思いが疾走する。ユーモラスで不穏。ゆったりとした物語のあちこちに〝深淵〟が埋めこまれていたことに気づかされる。選考会でもこの小説の最後の部分について、「フランスの実存主義の小説のようだ」という意見が出た。
フランス実存主義?
え、そうかな
自分で選び取ったという意味で?
うーん、実存主義とは思わなかったな
感性の違い?
実存主義とは何か
NHK「100分de名著」
死んだ犬
やっぱり他人事っぽくて
冷たくないっすか
生にも死にも敬意が感じられなくてどうしても拒否反応
主人公平井、何が嫌なのか、ということはよくわかるのだけど
何が喜びなのか、が全くわからない
何のために生まれて〜何をして喜ぶ〜
ではなくて
がらんどう、空洞を描きたかったという
そこに共感するタイミングじゃなかったということか
38才主人公平井、とルームシェアの相手菅沼42才
閉塞感は伝わる
すばる文学賞受賞作『がらんどう』刊行記念対談
























