正欲/朝井リョウ

朝井リョウさんの
作家生活十周年記念の書き下ろしだそうで
- 2022年本屋大賞ノミネート
- 第34回 柴田錬三郎賞受賞
- 第38回 織田作之助賞最終候補
- 第5回 未来屋小説大賞入賞
- 第3回 読者による文学賞受賞
- 「ダ・ヴィンチ」プラチナ本 OF THE YEAR 2021 選出
- 「ダ・ヴィンチ」ブック・オブ・ザ・イヤー 2021 第2位
- ブクログ年間登録 2021 第1位
- キノベス!2022 第2位
- #私のベスト本2021 最多登録
受賞はこれからまだまだ増えるのか
書店員さんからも絶賛されてます
冒頭の6ページ
こういう始まりだと、面倒くさくておしりから読んじゃう
日常を切り取ったわかりやすい描写でなく
さあこの世界へ入っておいで〜という始まり
奥付は当然、どうやって終わるのかと最後のページも読んじゃう
そしておしりを読んでもよくわからない系の小説とわかって
そういうのが好きなのでまずは一安心
パラパラ途中を確認してようやく読み始めるという
よくやる読書法なのです
反則?
こういうネタバレ大歓迎の楽しみ方をする読者もいるということで
読みながら、いつもよりはちょっと深く多様性について考えたよ
ちょっとだけど
水フェチががんばって想像してもよくわからず、、
想像してもわからないものがあるのだな
自分を取り巻く世界は狭く、未だ知り得ない感情があるのだな
思い込み、決めつけをしていては世界が広がらない
って何じゃその感想
水といえば
ラヴェル「水の戯れ」
そしてこの歌が脳内でかかる
「ジャンル分け」がキーワード
1989年生まれ(33歳)
いや、勝手に並べたけども、
「Habitは映画「ホリック xxxHOLiC」の主題歌として、Saoriが8年前に作成したトラックにFukaseの歌詞とNakajinのメロディーが噛み合い、期限が迫る中制作した」
らしい
この小説とは全く関係ない
関係ないHabit、1度聴いたらなかなか頭から離れない
脳内リピート必至
中毒性のあるトラックと
全部は聞き取れない歌詞が所々聞き取れた時
気になって意味を引き摺る
けっこういつまでも
朝井さんご本人のインタビューを見ると(確信犯的に?)謙虚で
「作家だとなんでもわかってる人という位置になっちゃうけど
わかってません」とか
「変化していくことを受け入れる」とか答えてるので
おそらく変わっていく朝井さんのこれからの作品も楽しみだなー
ストーリーとか結末よりも
道中が十分に楽しかったよ
今回も!
ただ、登場人物の名前はすんなり読める漢字にしてほしいなあ
いちいち引っかかって流れが止まる、、
下記、秀逸だなあと思う描写
ネタバレ含みます
これも読むタイミングによって変化するもの、ということで
(父と息子の距離を表して)
泰希と目が合う。その顔面の肉が重力の負けていく。
いつも自分が朝食を摂る場所に父親の姿を認めた泰希は、甘え声に象徴されるご機嫌なオーラをすっかり体内に仕舞い込んでしまった。
顔面の肉って!
ご機嫌なオーラをすっかり体内に仕舞い込む
(ダンスサークルのメンバーを表して)
見るからに、旺盛な人たち。男女問わず、一見して、これまで沢山その身体を動かしてきたということがよくわかる人たち。
旺盛な人たち
おそらく朝井さん自身も旺盛な側であろうに
冷たいまでの客観視
(話し合いで意見が食い違う時)
狭い空間だと、ほんの少しの気まずさに、全てが負ける。
誰もが共感できそうな、ああ、あの感じということを
きちんと言葉にしてくれる朝井リョウさん
(自分にとっての地雷発言をする忌々しい相手に対して)
いま私は、社会に良い影響を与えているーそう信じて疑わない顔面の油分が、照明を浴びてぴかぴかと光っている。
生きづらさに寄り添う等と献身的な姿勢をアピールした数秒後には、それが自分のやりがいに繋がると嬉々として語る。
顔面の油分!
何となくの嫌悪感に、この攻撃力
(息子との溝が広がっていくのを自覚しながらどうにもできない父親)
「結局お前は俺にどうしてほしいんだ」
そう言ったとき啓喜は、自分は今息子の話が理解できない苛立ちをそのままぶつけているのだと自覚した。会話として必要な言葉を発したのではなく、話し出すタイミングや語気や表情に、息子をだまらせることのみを目的とした感情が混入したことを自覚した。
だまらせることのみを目的
(ゆく年くる年を見て寂しくなる自分の感情が面倒くさいと感じながら)
テレビの画面に映る、寒いと言い合うことすら楽しそうな人々
比較して落ち込む寂しさ
(少数派の夏月が、死なない前提で生きてる実感を得て、先の不安を共有できる人に出会えてよかったと思い)
「無敵の人とか最近よく聞くけど、皆そうだよね」
「皆もともとたった独りで、家族とか友人とかがいる期間を経て、また独りに戻るだけ」
もともとたった独り
(言い出しにくい本題に入る前に訪れた無言の時間)
沈黙は彫刻刀ににている。冷蔵庫の音や隣の部屋の生活音、外の世界を人や車が通り過ぎていく音ーそれまでもずっとそこにあったはずの音たちを、空間からはっきりとけずり出す。
はっきりとけずり出す
聴覚が覚醒したようなあの感じ
「何を見たって、それを見たときに湧き上がる感情は自分ですら明確に線引きできない。どの感情だって、0でも100でもない。喜怒哀楽の何がどれくらい混ざり合って今の気持ちになってるかなんて、誰にも正確にはわからない。そうだろ?」
感情はジャッジできない
(久しぶりに会った友人に)
「久しぶりだね」と呟く。懐かしいだけでなく、なんだか恥ずかしい。照れるような間柄ではないはずなのに、時間とは色んなものを勝手にリセットしてしまう。
いろんな経験を経ても、変わらない自分の本質と向き合う時間
私の中で今作のテーマは【生と死のうち、生を選び取るきっかけになりうるものとは】というものです。なので、今作は、今まで書いた本の中で一番「生きるを選択する」ことを前向きに咀嚼できた気がしています。
私は人の目をすごく気にするタイプなのですが、そもそも世の中の“人の目”自体がすごく変わるものだということが、ようやく理解できるようになったというか
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