前回の続編になります。
ドヴュッシー
亜麻色の髪の乙女
亜麻色とは何色なのか…?
金色と茶色の中間色…ということです。
光が当たると透けるように美しい
髪を持った乙女なのかな…?
絵画でもこのような髪色の女性が
描かれていることが多々あります。
印象主義の画家さんたちが
光を色で表そうとしたことに対して
印象派の音楽家たちは
色を音で表す試みをしたそうです。
日本人には馴染みなくても
ヨーロッパにおいては
ごくありふれた髪色なのでは?
それ故に、誰を想像するか…
何をモチーフにするか…
各々の判断にお任せしますという
感じですよね。
技術的には中級程度ですが
表現に悩みそう
日本では、髪色の認識って単純で
社会人は黒髪が印象が良いだの
金髪はギャルだとか
お固い認識ですが
そういうものを抜きにした
亜麻色の髪とは
どのような印象でしょうか?
「柔かそう」「優しそう」
私はこんな印象ですね。
ある意味、金色にも茶色にも
染まってしまうような
ちょっと儚げな人…
ひとりでいる時の佇まいは美しいけれど
大勢集まると埋もれてしまうそんな人。
この曲はピアニストによって
表現も多種多様で面白いですよね。
ということで、名ピアニストの演奏を
聴き比べてみます。
①ミシェル・ベロフ
ミシェル・ベロフさんの演奏
安定感と貫禄がすごいです。
最初の、ポーン!!の1音目から
虹色の世界が飛び出すような
色彩豊かな音色だなって
抑揚も華やかにつけられていて
乙女そのものというより
乙女の内面的な世界観を
映し出している印象でした。
若い頃ってとても美しい夢を
思い描きますから。
その美しさを切り取ったような
音色で、鍵盤一本から
何重にも音が重なって聴こえるようで
どんどん夢が広がるんです。
上手な人って音階を弾いただけで
もう物語が生まれます。
ファンタジックで
素晴らしい演奏でした
②辻井伸行
辻井さんの演奏
優しく控えめな弾き方をされています。
ファンタジックというよりかは
一番リアリティーがありました。
大人の女性ではなくて
少女の幼さや純粋さを
描いているなと思いました
5〜10歳の女の子ってこんな感じ。
抑揚も少なくて静かに始まり
静かに終わっています。
小学生くらいの
子供は、こういう弾き方を
好むみたいですね。
大人に対してもあまり
感情を表に出さない寡黙な人のほうが
子供にはなぜか人気だったり(笑)
③中村紘子
中村紘子さんの演奏…
利発で頭の良い少女になりきって
演奏されているという印象ですね。
さっぱりとした弾き方をされています。
音色が綺麗でキラキラと
光りを放ちながらも
浮ついているわけでなく
落ち着いた雰囲気を醸し出していて
あぁこれが、「亜麻色」という
カラーなのかもしれない
色彩がはっきりと
頭に浮かんでくる音色でした。
色を音で表すとはこういうことか…
納得の演奏でした。
私の想像する
「亜麻色の髪の乙女」とは
また異なる表現だったので
新たな発見がありました
じっくりと聴くことにより
見えてくる世界がありますね。
「亜麻色」に注目するのか
「乙女」に注目するのか
はたまた「ドビュッシーらしさ」
を表現するのかによっても
異なってくるんじゃないかな
聴き比べてみて色々勉強になりました。
ヘンデル
シバの女王の入城
ヘンデルが1748年に作曲した
オラトリオ「ソロモン」の
第三幕で演奏されるシンフォニアです。
3分と短いながら
序盤から一斉に華が開いたような
気高い弦楽四重奏に加え
優しげな音色のオーボエデュオが
良い味を出しています
まさに女王の気品と
それを崇める人々の歓声が
聴こえてくるようですね
オルガンが使われているところも
バロックぽくて時代を感じさせますね。
華やかな中に厳かな空気が漂っていて
当時の宮廷を肌で感じられる曲
ヘンデルは1685年ドイツに誕生します。
幼少期から才能を発揮。
ハレ大聖堂のオルガニストを務めた後
オペラ作曲家として活躍します。
イタリア各地を巡りオペラを勉強。
オペラ「リナルド」がヒット。
アリア「私を泣かせてください」は
現在でも映画やドラマに使用されるなど
人気ぶりが伺えます
「水上の音楽」「ハレルヤ」
といったヒットを飛ばし
バロックを代表する作曲家になります。
ヘンデルは場に一体感や緊張感を
持たせるような
重要な行事に適した
音楽を作るのが得意で
現在でも、結婚式や開会式などで
ヘンデルの曲が使われていますね💒
ヘンデルの曲は皆の中心を作り
同じ方向を向かせてしまう。
場をまとめたり、盛り上げるのに
ヘンデルの曲はぴったり!!
知らず知らずのうちに
お世話になっていたんだなぁと思うと
感慨深いです
次回はPart3
最後まで読んでいただき
ありがとうございました
名曲♪鑑賞日記