山口・周防大島への旅 その2 陸奥記念館・なぎさ水族館 | 艦艇・船舶つれづれ

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旧帝国海軍および海上自衛隊の艦艇、海上保安庁の船艇、主に戦前の民間船舶を中心としたブログです。
「海軍艦艇つれづれ」からタイトルを変更しました。

前回に続いて、周防大島の旅です。

周防大島・なぎさパークに到着し、開館前に「陸奥記念館」の野外展示コーナーへ行ってみます。

丘に登ると一番奥に「陸奥之碑」があります。

 

「陸奥之碑」

 

手を合わせ、その左側の海、約4.5km先が戦艦「陸奥」の沈没地点です。

戦艦「陸奥」は、昭和18年6月8日の正午過ぎ、第三砲塔の団火薬庫で謎の爆発が起き沈没してしまいます。

この「陸奥」の爆沈により、艦長以下1,121名が犠牲となっており、その忠魂碑として「陸奥之碑」は建立されました。(昭和18年6月8日・爆沈した戦艦「陸奥」の生涯・後編

 

戦艦「陸奥」の沈没地点方向を望む

 

そして、戦後引き揚げられた「陸奥」の遺品が4点、並んでいます。

 

右手前からスクリュー、14cm単装副砲、艦首部材、14cm単装副砲

 

ただ、艦首部材はかなり腐食が進んでいるようです。

クラウドファンディングでもしてもらって、保存できないかと思います。

高額納税者が移住してきた周防大島町なので、その税収を少し分けてもらってもよいかも。

 

腐食が進む「陸奥」の艦首部材

 

また、当日実習で「陸奥」に乗艦していた予科練甲飛11期生戦没者の慰霊碑があります。

「陸奥」では同期生135名中124名が犠牲となっています。

当時乗艦しており犠牲になられた方々とともに、生存された方々の名も刻んであり、その絆に感銘を受けました。

 

予科練甲飛11期生戦没者慰霊「若鷲の碑」

 

そして、開館時間の9時を迎えたので、まずは「陸奥記念館」に入館します。

 

「陸奥記念館」

 

記念館の中には、多数の戦艦「陸奥」のパネルや、乗組員の遺品、そして乗組員が家族に宛てた遺筆となる手紙の数々。

ひとつひとつ見て回るに、涙を抑えることができないような展示品の数々でした。

 

「陸奥記念館」の内部

 

手紙等は個人情報にもあたると思い、写真には残しませんでしたが。引揚品については色々と写真に残してきました。

その中で、目を引いたのはこの引揚品でした。

 

「銃把(40cm砲・砲側射)手引金」

 

この引金を引くことで、「陸奥」の象徴でもあった40cm主砲から砲弾が発射されたと思うと、感慨深いです。

 

大正10年10月に竣工後、帝国海軍の象徴として君臨し、僚艦「長門」とともに国民に親しまれてきた「陸奥」。

しかし、その最期はこの地での爆沈、というものでした。

「陸奥」は、その一部が昭和45年から数年間かけて引き揚げられ、一部の引揚品は「陸奥記念館」に展示されています。

 

「陸奥記念館」の戦艦「陸奥」ポストカード

 

40分ほど、じっくりと見て回り「陸奥記念館」を後にし、向かいにある「なぎさ水族館」に入館します。

 

「なぎさ水族館」

 

小さな水族館で、小さい水槽が並んでいますが、それぞれにかわいいイラスト付きの手書き解説があり、興味を引く演出です。

海では比較的よく目にするような生物(ヒトデ、ウニ、アワビ、ナマコ、等)や、食卓に並ぶこともある、シャコ、アジ、ハゼ、イセエビ(食卓には並ばないか…)などがおり、また、カブトガニやタツノオトシゴなどの希少な生物もいました。

 

「カイカムリ」の説明文と何かを背負っている「カイカムリ」

 

個人的に気に入ったのは、水槽のガラスにくっついてダンスをしているこのお方。

 

お腹を見せてダンスする「ネコザメ」

 

全景を撮るのを忘れましたが、ここには日本最大級の水生生物に触れるプール「タッチングプール」があります。

 

タッチングプールにもサメが…

 

ここで気が付くと、10時35分。

ふと壁に貼られた防予フェリーの時刻表を見ると、伊保田港から柳井港に向かうフェリーの到着は10時47分で、出港時間は10時52分。

「なぎさパーク」から伊保田港までは約1km、急げば間に合う!

14時03分発のスクールバスまで待つつもりでしたが、ここで3時間浮かせること、また食事の心配もあり、急遽予定を変更し急いで伊保田港に戻ります。

 

港に着くと、係の方はすでにフェリーの接岸作業に行っておられます。

戻ってきてもらいチケットを購入、無事松山・三津浜港から折り返してきたフェリー「しらきさん」に乗り込みます。

周防大島での滞在時間は2時間半余り。

 

帰りの「上陸券」 旧社名の「岩国松山高速」の名があります

 

無事「しらきさん」船上の人となり、いちろ柳井港へ。

午後が空いたので、計画変更でもう1カ所寄ることにします。

 

柳井港へ着いてからのお話は次回となりますので、お付き合いいただけれれば幸いです。

 

柳井港へ向かう「しらきさん」のデッキから船尾側を望む