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価値の最大化

             

就職活動をしていて一番イヤだったのが、
「将来の目標や夢がないヤツはダメだ」という空気。

これは、本当に辛かった。
だって、将来の夢や目標なんて、ないから。

強烈な原体験を持っていたりして、本当に将来の夢や目標を持っている人は、
それはそれでとても良いことだと思う。

でも、きっと、そうじゃない人の方が一般的だと思うし、
そういう人に対して、夢や目標を「今から」持つことを強制するのは違和感がある。

就職活動のセミナーとかで夢や目標の大切さを説かれ、
「自己分析」をして夢や目標を描き出す。

こういった作業を薦めている人や、している人に多く出逢ったけど、
その人たちが語る夢や目標に「本気さ」を感じたことはほとんどなかった。

僕自身は、自分を騙したくなかったので、
夢や目標を持たない自分を隠さずに就職活動をし、
それでも自分を採用してくれる企業を探し、素晴らしい出逢いにめぐりあえた。

就職活動のときに、もっというと、いつでも、
将来の夢や目標を持っているか否かは大きな問題ではない。

大切なことは、自分の生き方に腹が括れているか。

夢や目標を語るなら、本気で語る。
夢や目標を持たないことを隠さないなら、本気でさらけ出す。

それが大事なんだと思う。

では、夢や目標を持たない人は、何を礎に生きていくのか。

それは、価値観だと思っている。

夢や目標を持っている人は、様々な意思決定を、
ゴールから逆算して決断することができる。

夢や目標を持たない人は、自分の価値観を基準に、
事象々々に対して判断をしていけば良い。

僕が大切にしていることの一つに、「本質を知る」ということがある。

僕は、夢や目標があって仕事をしているわけではないけど、
「仕事の本質とは何か」を知りたいから、
もっというと、「人生の本質とは何か」を知りたいから、走り続けることができる。

『答えなんてもんはハナからねぇんだ。
 大事なのは、てめぇが納得するまでやったかどうかなんだよ』

最近読んだマンガの一節。
一年が経つのは早いと思っていたのも束の間。
さらに一月が経った。
時間は歩みを止めない。

仕事のことしか考えずに全力で走ろうと思っていた一年目。
短距離走というより長距離走のように駆け抜けた。
否、駆け抜けたとは言えないか……。

自分について、社会について、仕事について、会社について、人間について……
様々なことについて、これまで知らなかった良い面や悪い面に触れることができた。

そして、いま。
この地に足をつけている自分を俯瞰して抱くのは、
やはり、圧倒的なまでの空虚感。

仕事が楽しくないわけではない。
むしろ、とても恵まれた環境だと心の底から思っているし、
この会社に出逢えた奇跡に感謝する日々。

それは、本当に、嘘偽りない気持ち。
他の会社だったら、心が折れていたと思うから。

でも、だけど、何か、違う。
ふとした折に、心に雪崩込んでくる、暗く深い闇。
繰り返し、問いかけてくる。

お前は誰なんだ。(ボクハナニモノナンダロウ)
お前はどこに行くのだ。(ボクハドコニムカッテイルンダロウ)

気が狂いそうに、吐きそうになる。

光を求めて走っていたはずなのに、
気が付くと、
闇から逃げるために走っている。

「ポジティブに考えろ。ネガティブなことは口にするな」と人は言うけど、
そんなことで絶対に「答え」は見つからない。

「自分の頭で考え続けること」
これだけは絶対に貫き通したいことだから、
目を背けずに、闇と向き合うしかない。

どんなに苦しくても、どんなに傷ついても、どんなに逃げたくなっても、
手を握り締めたまま、足を踏み出し続ける。

それが、僕の闘いだから。
30日~3日の年末年始休暇も今日で終わり。
実家には帰らず、東京でダラダラと過ごした5日間でした。

読んだ本たち。

『SQ』:人間は周囲の人間の感情の影響を受ける。
『サラリーマンだから貧乏ですが、なにか?』:資本家は、労働者の余剰労働を搾取する。
『日本大転換』:日本の高度な技術でアジアのインフラ整備をしよう。模範国家へ。
『食糧格差社会』:日本が進むべき道は、食糧自給率100%ではなく、輸入ルートの整備。
『下流志向』:そもそも、子供は学びから逃走し、そして、労働からも逃走する。
『インパラの朝』
『神去なあなあ日常』
『ヘヴン』
『猫を抱いて象と泳ぐ』

むぅ。だらだらと過ごしてしまったなぁ。
「やること」が明確だと、それに集中できるのだろうけど、
「やること」を見つける(作り出す)ことができていないと、ずるずるといってしまう。

その「やること」が上から下りてきたり、教えてもらったりするのを待っている
という受身な姿勢がまずダメダメですが……。

もちろん自分でも、模索してはいるのだけど、
やるべきこと・やりたいこと・できること
3つの輪のどれもが、曖昧なんだよなぁ。

「危機」という漢字は、「危」険と「機」会の両方を含んでいる。
ピンチの裏返しはチャンスというけれど、危機、奥が深い漢字だなぁ。

漢字とか熟語のこういう深さって良いよね。