心事の棚卸 -3ページ目

夏休み 下山

朝4時10分に起床。山頂で日の出をみるためだ。


山小屋から山頂までは30分ほど登る必要がある。


東のほうから色づいてきた朝焼けを仰ぎ見つつ、ぐいぐい岩場をのぼる。


気温は13度ほど。さむくはないが、フリースを着こんで風をふせぐ。


5時少しまえ、日の出。というか、朝焼け。


山頂はぼくひとり。山並みや、雲、太陽の光の移り変わりを存分に満喫する。


山小屋に戻り、しらすとエビの入ったおかゆを頂く。本当においしい。


出発のとき、山小屋の管理人さんと少し話をした。


少し冗談まじりに、さみしくなることはないんですか?と聞いてみた。


「ないですね」と即答が返ってきた。


「里のほうが、私はつかれるかな」とのこと。


里、ですか。ふだん僕らは使わない表現だと、思った。


下山は順調。とはいえ、下山時のケガが多いときく。足元をしっかり踏みしめるよう、集中する。


家についたのは午後2時半ごろ。


ただいまー、とドアをあけるが、だれもこちらを見ず、おかえりーと妻の声だけ聞こえる。


長女が、なにやらYouTubeのおもしろ動画を見ており、それを妻と娘たち全員がのぞきこんでいるところだった。


僕は重いザックをおろし、汗ばんだシャツをぬぎ、気持ちのよいシャワーを浴びた。

夏休み 金峰山

朝4時半起床。5時33分発の電車にのって、金峰山に向かう。


10時頃に登山口に到着。さっそく登りはじめる。


最初の1時間ほどは明るい広葉樹の樹林帯。軽快に足を運ぶ。

やがて針葉樹がふえ、足元は苔で鬱蒼としてくる。

苔を手のひらで押すと、ふかふかしていて、湿り気がある。

この針葉樹の樹林帯はやがて岩場となる。

登っても登っても、岩。足元はぐらつき、ときに手をつき、木々をつかみ、登る。

僕の荒い呼吸と、しんとした森。

やがて樹林帯を抜ける。森林限界をこえたのだ。しかし、稜線も岩、また岩。

登頂したのは15時頃。山頂には、岩の神様。

この日は山頂直下の、山小屋に宿泊した。チキンの丼(?)と、おかわりでカレーをいただいた。

ひとかみごとに、自らの血肉になる感じがした。

山小屋にあった大友克洋の『AKIRA』を読みつつ、20時に就寝。

この日の宿泊者はぼくひとり。

夏休み 帰宅

ホテルで目覚める。午前4時半。さすがに早いので6時半まで二度寝する。


朝食はビュッフェ。おいしそうで、種類も豊富。妻にLINEで知らせる。


10時に妻、3人娘と合流。娘たちは少しおつかれかな?


妻のお姉さん夫妻とおわかれの挨拶をする。お義姉さんは、僕の娘たちをひとりひとり抱きしめてくれる。


10時24分、西明石を出発。


新幹線のなかでは、次女も長女もお昼寝。三女はずっとゲーム(少し寝たようだけど)。


3年前の旅行だったか、あのときはお別れしたあと、次女も長女もさめざめ泣いていたものだ。(今しらべたらなんと5年前。)


僕は久しぶりに『吾輩は猫である』を読む。たいして読み進まないうちに新横浜につく。


我が家についたのは午後2時過ぎ。台風通過後のせいか、ものすごい暑さ。


午後は家の片付けと、僕は翌日の登山の準備。


今回は持ち物リストも作ったし、登山計画も提出したし、天候の変化にも備えた。


適切な危機感をもって、山に向かう。


22時前に就寝。(そういえば、シャワーを浴びるとき、娘たちの目に「クマができてた!」と妻。)


長女は、いとことの別れをさみしがっており、何時間前は○○してた、と一日中過去を振り返っていた。


妻は、もはやいちいちその相手をしていない。