20090131 日本経済新聞 朝刊
〇八年十二月の鉱工業生産指数(速報値)は前月比九・六%低下、十―十二月期で前期比一一・九%低下とそれぞれ過去最大のマイナス幅となった。一―三月期も前期より二割減る見通し。企業の収益悪化に伴い、雇用・消費関連の指標も軒並み悪化している。
米欧発の経済金融危機に伴う急速な輸出減少で、輸出関連の国内企業は昨年十月以降、減産を加速している。
だが、生産調整に歯止めがかかる気配はない。一―二月の生産予測指数をみると、一月は前月比九・一%、二月も同四・七%それぞれ落ち込む見込み。予測指数通りならば、三月が前月比横ばいでも、一―三月期は前期比二〇・三%という大きな落ち込みになる。
企業の減産にもかかわらず在庫調整は進んでいない。出荷に対する在庫の比率を示す「在庫率指数」は十二月は前月比六・五%上昇、過去最高水準になった。急激な需要の冷え込みに、減産が追いついていないことがうかがえる。
雇用不安から消費抑制の動きも強まっている。十二月の家計調査によると、二人以上世帯の実質消費支出が前年同月比で四・六%減と、〇六年九月以来の落ち込みとなった。第一生命経済研究所の新家義貴氏は「厳しい雇用・所得環境、株安など悪材料が目白押しで、個人消費の下振れリスクは強まりつつある」と警戒する。
需要低迷は物価にも影響し始めた。総務省が発表した〇八年十二月の全国消費者物価指数(CPI、〇五年=一〇〇)は生鮮食品を除くベースで前年同月比〇・二%の上昇と、上昇率は前月より〇・八ポイント縮小した。一月のCPIは一年四カ月ぶりにマイナスになる可能性もある。物価下落は消費者には朗報だが、長引けばデフレ再燃の懸念も浮上する。
十二月の主要指標発表を受け、民間調査機関は一斉に〇八年十―十二月期の実質国内総生産(GDP)予測を下方修正した。三十日に修正値を公表した十一社の予測平均は、前期比年率で一二・三%減。七四年一―三月期以来、三十四年ぶりの二ケタマイナスという見立てだ。
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