20080616 日本経済新聞 朝刊

 ボーナスの使い道の中で「投資」を選択した人に投資先商品の候補を複数回答で尋ねたところ、全体の五四%が日本株を候補に挙げ、断トツの人気(グラフ(4))。FPの石田英憲さんは「株価水準が下がったことを投資のチャンスと考える個人が多い」とみる。
 二位は個人向け国債(一九%)。長期金利の上昇傾向を反映し、熟年層に人気が高い。六十歳以上で二四%、五十代で二二%が選択した。
 外貨投資への関心も高い。全体の二九%が「ボーナスで外貨資産を増やす」と回答。中でも二十代と三十代では外貨MMFがバランス型投信を上回って三位だった。
 東京都に住む会社員の田村恵さん(仮名、24)は、ボーナスで日本株と米ドル建てMMF購入を予定する。「日本株は上昇しかけていて買い時だと思う」。円高局面になってから外貨投資も始め、今は金融資産の約五%が外貨建て。一ドル一〇三円より円高になるのを待ち、三割程度まで外貨の割合を増やす考えだ。
 外国為替証拠金取引(FX)も二十代の一五%、三十代の一〇%が選択し、全体平均(七%)より多い。大阪府の会社員、小竹宏さん(仮名、26)は「スワップ金利(家計百科事典を参照)が魅力。先進国で高金利の豪ドルを第一候補にFXを始めたい」。
 石田さんは「投機的な取引は勧められないが、失敗を取り返せる若いうちから株式などリスク資産で投資経験を積むのは、生涯の資産形成で大切なことだ」と話す。
 金融機関を選ぶ決め手は「手数料など取引コストが安い」(三三%)。二番目の「以前から付き合いがあり信頼できる」(一八%)を大きく上回った。この結果、取引したい金融機関は「ネット証券」が最多だった(グラフ(5))。(大賀智子)
20080615 日本経済新聞 朝刊

 政府・与党は十二日、後期高齢者医療制度(長寿医療制度)の運用見直し策を決めた。低所得者の保険料負担を減らすことなどが柱で「自分は軽減対象になるのだろうか」と気をもむ人が多いだろう。また十三日には多くの人の年金から二回目の保険料が天引きされた。後編では複雑な保険料を「どう計算するのか」を解説する。
 「各種控除を差し引かずに三十三万円の控除だけで保険料を計算するのはふに落ちない」(兵庫県の女性、75)、「自分の保険料は国民健康保険(国保)に比べ下がったが、六十九歳の妻の国保保険料の通知が来ないので、二人合わせると負担はどうなるのか」(奈良県の男性、77)。
「旧方式」に戸惑い
 後期高齢者医療制度について日経生活者モニターにアンケート調査を行ったところ、多くの読者が保険料の計算方法や負担の増減について疑問や不安を抱いていることがわかった。
 国保から後期高齢者医療制度に移行した高齢者世帯の保険料負担の増減について、厚労省が六月はじめに発表した全国調査によると(1)六九%の世帯で負担が減少(2)年金収入が年百七十七万円未満の低所得世帯の三九%は負担が増加――などの実態が明らかになった。だがこれはあくまでもモデル世帯を基にした集計だ。
 後期高齢者医療制度の保険料は「所得割」と「均等割」の合計からなる「二方式」で計算する(図A参照)。「自分の保険料がいくらになるか」、「政府が打ち出した新たな保険料軽減措置の対象となるかどうか」を知るには、この所得割と均等割の仕組みを理解することが必要だ。
 七十五歳以上の高齢者の多くが昨年度まで入っていた国保の保険料算出方法は、市町村により異なる。東京二十三区は後期高齢者医療制度と同じ二方式だが、それ以外の方式を採用する自治体も少なくなかった。後期高齢者医療制度は二方式に一本化したため、計算やほかの地域との比較はしやすくなった。
 ただ冒頭の女性のように、所得割の求め方にとまどいを覚える人が少なくない。女性は神戸市在住。国保の場合、神戸市や東京二十三区などは所得割の計算で、住民税額に一定料率を掛ける「住民税方式」をとっていた。住民税方式ならば、医療費控除や雑損控除など各種控除があれば住民税額が下がり、結果として保険料も下がる。
 一方、後期高齢者医療制度では、総所得から基礎控除額の三十三万円を引いた額である「旧ただし書き所得」を所得割の計算に使う。社会保険料控除や扶養控除などは勘案されず、住民税方式より低所得者も対象になりやすい。
 これまでは旧ただし書き所得がある人は原則、所得割が発生することになっていた。だが十二日に導入が決まった軽減措置により、旧ただし書き所得が十五万円から五十七万円程度の人については二〇〇八年度は五〇%の軽減対象となる。〇九年度も二五―一〇〇%の軽減となる見通しだ(図C参照)。
元被扶養者は注意
 保険料のもう一つの柱は均等割。低所得者に対して二〇―八五%(〇八年度)の軽減措置が設けられている(図B参照)。七十五歳以上の高齢者がいる世帯のうち五割前後が軽減措置の対象だ。
 軽減対象となるかを判定する際の所得は、世帯内の被保険者と世帯主の所得を合計した額になる。また六十五歳以上の年金受給者については、公的年金控除だけでなく十五万円の高齢者特別控除も含めて計算する(注意(1))。
 図Bの右側に挙げた例のように、世帯イは総所得が五〇%減額基準を下回るため、夫も妻も均等割が五〇%減額される。一方で世帯ロは、母親の年金収入は七十万円だが、同居する世帯主の息子の所得が高いため、母親は減額措置を受けられない。
 税理士で社会保険労務士でもある佐藤正明さんは「保険料は個人から徴収するのに、減額の判断だけ世帯主義の考えが入っている」と指摘する。政府・与党は世帯単位でなく個人の所得で判定する案も検討したが、今回は先送りした。
 世帯ロの場合、母親の保険料を減らす手段として「世帯分離」がある。市区町村に「世帯分離届」を提出し、息子と母親の双方が世帯主になるのだ。一つ屋根の下に複数世帯があることは禁じられていない。同居したまま母親の保険料負担を減らすことが可能だ。
 これまで政府管掌健康保険や健保組合、共済組合の被扶養者だった人も注意が必要だ。〇八年四―九月の半年間は保険料が徴収されていない。十月以降、〇九年三月までの半年間は、均等割が九〇%減額される。政府・与党は〇九年度以降も九〇%軽減を継続する案を検討していたが、今回は見送った。このままいけば、〇九年四月以降は均等割の五〇%を負担することになる。
 今年四月に後期高齢者医療制度保険料の通知を受けとった人は、通知書に「仮徴収額」とあるのに気が付いただろう。四月、六月、八月に年金から天引きされる保険料は、二〇〇六年の所得を基に計算した保険料だ。七月中旬には、〇七年の所得で計算し直した本徴収の通知書が市区町村から届く。
 〇六年に比べて〇七年の所得が大きく増減した場合は、十月以降の保険料は仮徴収額から変化する。また新たな軽減策によって、保険料計算のシステム変更を余儀なくされる広域連合では、混乱も予想されそうだ。東京都後期高齢者医療広域連合は九日、「被保険者にとってさらに分かりにくい制度となる恐れがある」として、十分な周知と準備期間を求める要望書を舛添要一厚労相に提出した。
 社会保険労務士の望月厚子さんは「天引き額がどう増減するか、間違いはないかしっかり確認して欲しい」とアドバイスする。疑問点があれば、広域連合の窓口や自治体に問い合わせることも大事だ。
(手塚愛実)
【図・写真】さらに複雑さを増した制度に、高齢者からはわかりづらいという声があがる
20080615 日本経済新聞 朝刊

 次のうち、業務上の傷病で労災保険が適用されないのはどの人でしょう?
(1)パートタイマー
(2)日雇い労働者
(3)株式会社の取締役▼正解とミニ解説を下に
 (3) 株式会社の取締役は労働者に該当しないため原則として労災保険は適用されません。
 労災保険は、労働者が業務中や通勤時に事故や災害にあった際に保険金を給付する制度です。労働者を雇用する事業所は基本的に労災保険の適用事業所になり保険料を負担します。適用事業所が雇用する労働者は勤務形態にかかわらず労災保険が適用されるので、パートタイマーや日雇い労働者も保険給付を受けられます。
 一方取締役は原則適用外ですが、取締役でありながら工場長や部長などの役職を兼務し、役員報酬のほかに労働者としての給料を一部もらっている場合には、適用される場合もあります。また特別加入という制度があり、申請して加入要件を満たすことが認められると、中小企業の経営者や取締役でも労災保険に加入できます。個人タクシーや大工、漁業などに従事する「一人親方」の場合も、特別加入ができます。
 労災保険が適用される場合、健康保険証を使った受診はできません。労災保険の指定医療機関以外で治療を受けた場合、医療費の全額をいったん支払ったうえで、請求書を労働基準監督署に提出し、医療費を返還してもらいます。
 パートの時給が増えている。厚生労働省が3月に発表した2007年の賃金構造基本統計調査によると、パートなど短期間労働者の1時間当たりの賃金は平均で男性が1085円、女性が962円だった。いずれも06年から2%強増加している。
 年齢別に見ると、男性の時給は30歳以上の年代で1200円前後で推移するのに対し、女性の時給は30―34歳の1009円がピーク。それ以上の年代では900円台にとどまる。多くの産業で男性の方が女性の時給を上回る。例えば製造業での男女差は約260円だった。
 4月には改正パートタイム労働法が施行され、同じ働きのパートと正社員の処遇に差をつけてはならないとされた。同じ職種では正社員とパートの賃金格差が縮まる一方で、パート同士では働き方による賃金格差が広がる可能性もある。
20080614 日本経済新聞 朝刊

 自民、民主両党など超党派の「たばこと健康を考える議員連盟」は十三日、憲政記念館で設立総会を開いた。来年度の税制改正に向け、たばこ税の引き上げを含めた提言をまとめる方針。共同代表を務める自民党の中川秀直元幹事長は「私はヘビースモーカーだし、いろんな意見があることは当然だが、大局からたばこの問題を考えるべきだ」と述べた。総会には、自民党の尾辻秀久参院議員会長や民主党の前原誠司副代表ら約二十人が出席した。

6月12日12時13分配信 読売新聞


 仕事と子育ての両立支援のあり方を検討している厚生労働省の「今後の仕事と家庭の両立支援に関する研究会」(座長・佐藤博樹東大教授)の最終報告書が12日、明らかになった。

 働く女性の子育て時間を確保するため、労働者が短時間勤務か残業免除を選択できる制度を企業に義務付ける法整備を求めた。子育て支援の期間を現行の小学校就学前から、小学3年生までに拡大することや、母親の出産後8週間を「父親の産休」として、男性の育児休業の取得促進を求め、育休の再取得も特例的に認められるよう要件を緩和すべきだとしている。

 厚労省は、こうした措置を盛り込んだ育児・介護休業法の改正案を、来年の通常国会に提出することを目指す。