20080615 日本経済新聞 朝刊

 次のうち、業務上の傷病で労災保険が適用されないのはどの人でしょう?
(1)パートタイマー
(2)日雇い労働者
(3)株式会社の取締役▼正解とミニ解説を下に
 (3) 株式会社の取締役は労働者に該当しないため原則として労災保険は適用されません。
 労災保険は、労働者が業務中や通勤時に事故や災害にあった際に保険金を給付する制度です。労働者を雇用する事業所は基本的に労災保険の適用事業所になり保険料を負担します。適用事業所が雇用する労働者は勤務形態にかかわらず労災保険が適用されるので、パートタイマーや日雇い労働者も保険給付を受けられます。
 一方取締役は原則適用外ですが、取締役でありながら工場長や部長などの役職を兼務し、役員報酬のほかに労働者としての給料を一部もらっている場合には、適用される場合もあります。また特別加入という制度があり、申請して加入要件を満たすことが認められると、中小企業の経営者や取締役でも労災保険に加入できます。個人タクシーや大工、漁業などに従事する「一人親方」の場合も、特別加入ができます。
 労災保険が適用される場合、健康保険証を使った受診はできません。労災保険の指定医療機関以外で治療を受けた場合、医療費の全額をいったん支払ったうえで、請求書を労働基準監督署に提出し、医療費を返還してもらいます。
 パートの時給が増えている。厚生労働省が3月に発表した2007年の賃金構造基本統計調査によると、パートなど短期間労働者の1時間当たりの賃金は平均で男性が1085円、女性が962円だった。いずれも06年から2%強増加している。
 年齢別に見ると、男性の時給は30歳以上の年代で1200円前後で推移するのに対し、女性の時給は30―34歳の1009円がピーク。それ以上の年代では900円台にとどまる。多くの産業で男性の方が女性の時給を上回る。例えば製造業での男女差は約260円だった。
 4月には改正パートタイム労働法が施行され、同じ働きのパートと正社員の処遇に差をつけてはならないとされた。同じ職種では正社員とパートの賃金格差が縮まる一方で、パート同士では働き方による賃金格差が広がる可能性もある。