介護予防が広がってきた背景にあるのが医療費増大への危機感だ。北関東三県の医療費は一九九六年度から二〇〇五年度までの九年間で、群馬県一五%、栃木県一八%、茨城県二三%とそれぞれ増えた。
将来推計を出している栃木では、一五年度に〇五年度より四三%増えて六千七百五十億円まで膨れ上がる見通しだ。「介護・医療制度の抜本改革がなければ毎年二・五%増加していく」(栃木県保健福祉課)という。
国民医療費は患者負担のほか事業主などが払う保険料や公費を財源とする。高齢化が進んで今後も医療費の増大は避けられない。〇六年に改正介護保険法が施行されて介護予防に力点が置かれたことも、各地の取り組みを加速させた。国民負担が過大になるのを避けるためにも、運動や食事の改善を通じて地域全体で生活習慣病を予防することが重要になっている。(前橋支局 栗原健太)
20080905 日本経済新聞 朝刊
生保各社が保険商品をわかりやすく見直す動きが広がってきた。日本生命保険は十月、死亡保険などの主契約に上乗せして加入する医療特約を現在の六種類から一種類にまとめる。太陽生命保険は同月から特約を実質的に全廃する。保険金の支払い漏れが多かった「通院特約」を廃止する会社も目立つ。商品の簡素化により不払い問題の再発を防ぐ狙いだ。
国内大手生保は主契約の死亡保険に、入院費や通院費をまかなう「特約」が付いた商品を主に販売してきた。特約数は十―二十になることも珍しくなく、加入者が特約の保険金請求を忘れる事態が相次いだ。不払いの再発防止策として、増えすぎた特約の絞り込みが課題。特約削減はすべてが保険料の引き下げに直結するわけではないが、契約者利便を高める一定の効果がありそうだ。
日生は入院、短期入院、通院など六種類の医療特約を一つにまとめる。新規加入だけでなく、既存の医療特約から切り替えることも可能だ。
太陽生命は十月から「入院」や「手術」といった特約をなくし、それぞれ単品の商品として加入できるようにする。現在は五十九ある商品を二十四に減らす。「商品簡素化で不払い問題を二度と起こさないようにする」(田中勝英専務)。
各社が相次いで廃止しているのが通院日数に応じて保険金を受け取れる「通院特約」。加入者が請求を漏らしやすいためで、金融庁の調査では全体の一五%で請求漏れが起きていた。第一生命保険や大同生命保険は二〇〇七年に販売を停止。三井生命保険も停止を検討している。日生も通院特約を廃止し、新しい医療特約では入院した人にはすべて通院費相当額を払うようにする。
夫の契約に付けることで妻や子供も保障する「家族特約」の廃止も目立つ。保険会社が保障対象者を把握しづらく、支払い漏れが起こりやすいという問題があるためだ。富国生命保険は八月から一部の家族特約の販売を停止した。明治安田生命保険、大同生命、朝日生命保険もすでに販売を停止している。
医療特約の内容をわかりやすく見直す会社もある。日生は約款上の八十八種類の手術を保障対象としてきたが、十月からは公的医療保険が対象とする一千種類以上の手術に給付金を払う。新たに「切れ痔(じ)」などが加わる。大同生命は八月、手術の種類によって入院給付金日額の五―五十倍の給付金を払っていたのを改め、入院を伴う手術は二十倍、それ以外は五倍を払うようにした。
商品の簡素化で保険会社が得る保険料は減る可能性もあるが、不払いの再発防止を優先し、顧客の信頼回復に努める。複雑な商品を維持するシステムの費用を削減できる利点もあるという。
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20080905 日本経済新聞 朝刊
東京海上日動火災保険など損害保険大手六社が四日発表した二〇〇八年八月の営業成績によると、六社合計の保険料収入は前年同月比四・三%減の四千五百七十七億円だった。料率が低下した自動車損害賠償責任保険の保険料収入が各社で三割程度落ち込んだ。全体の保険料収入は六社とも前年実績を下回った。
六社合計の自動車保険の保険料収入は一・七%減の二千二百十五億円。八月は軽自動車を除く単月の新車販売台数が二十万台を割り込むなど「事業環境が厳しかった」(三井住友海上火災保険)。
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