甘いものを我慢しても意味がない?欲求も健康も変わらず
英国のボーンマス大学などの研究チームは、甘いものの摂取量を減らしても、甘味への欲求や健康指標に大きな変化は見られない可能性を報告しました。この研究成果は、2026年に『The American Journal of Clinical Nutrition』に掲載されています。
本研究では、180人の参加者を「甘い食事」「甘味を抑えた食事」「中程度の甘味」の3群に分け、6か月間にわたり追跡しました。砂糖だけでなく、天然甘味や低カロリー甘味料も含めた“甘味の強さ”を調整し、嗜好や健康への影響を検証しました。
その結果、いずれのグループでも、甘いものへの好みはほとんど変化せず、体重や糖尿病・心血管疾患に関連する指標にも有意差は認められませんでした。さらに、多くの参加者は時間の経過とともに元の食習慣に戻る傾向も示しました。
これまで、肥満対策として「甘いものを控える」ことが広く推奨されてきましたが、研究者らはこのアプローチの限界を指摘しています。人は生まれつき甘味を好む傾向があり、単純に甘さを減らすだけでは嗜好自体は変わらない可能性があるためです。
一方で、重要なのは「甘さ」ではなく糖分や総カロリーの摂取量そのものであるとされています。例えば、甘く感じない加工食品にも多くの糖分が含まれている場合があり、逆に果物や乳製品のように自然な甘みを持つ食品は健康に寄与することもあります。
研究チームは、公衆衛生の観点からも、甘味の強さだけに着目するのではなく、食事全体の質や糖質バランスに焦点を当てた指導が必要であると結論づけています。甘いものをただ我慢するのではなく、「何をどのくらい食べるか」を見直すことが、より現実的で効果的な戦略と言えるかもしれません。
【出典】
Eva M Čad, Monica Mars, Leoné Pretorius, Merel van der Kruijssen, Claudia S Tang, Hanne BT de Jong, Michiel Balvers, Katherine M Appleton, Kees de Graaf. The Sweet Tooth Trial: A Parallel Randomized Controlled Trial Investigating the Effects of A 6-Month Low, Regular, or High Dietary Sweet Taste Exposure on Sweet Taste Liking, and Various Outcomes Related to Food Intake and Weight Status. The American Journal of Clinical Nutrition, 2026; 123 (1): 101073 DOI: 10.1016/j.ajcnut.2025.09.041












