毎日の食事で何気なく摂っている炭水化物が、将来の認知症リスクに影響を与える可能性があることが明らかになりました。スペインのロビラ・イ・ヴィルジリ大学の研究チームは、炭水化物の「量」だけでなく「質」が、脳の老化と深く関係していることを示す大規模研究を報告しています。研究成果は『International Journal of Epidemiology』に掲載されました。
研究の焦点となったのは、グリセミック指数(GI)です。GIは、食品が食後に血糖値をどれだけ急激に上昇させるかを示す指標で、白パンやジャガイモなどは高GI、全粒穀物や果物、豆類は低GIに分類されます。研究者らは、英国の成人20万人以上を対象に、食事内容と認知症発症の関係を平均13年以上追跡しました。
その結果、高GI食品を多く含む食事を続けていた人は、認知症リスクが有意に高いことが分かりました。一方、低GI食品を中心とした食事をとっていた人では、アルツハイマー病の発症リスクが約16%低下していました。反対に、高GI食中心の人では、リスクが約14%上昇していました。
炭水化物は1日のエネルギー摂取量の半分以上を占める重要な栄養素ですが、血糖値の急激な変動はインスリン抵抗性や慢性炎症を引き起こし、長期的には脳の健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。研究者らは、果物、豆類、全粒穀物といった低GI食品を選ぶことが、認知機能の低下を遅らせ、健康的な脳の老化を支える鍵になると指摘しています。
【出典】 Nil Novau-Ferré, Javier Mateu-Fabregat, Christos K Papagiannopoulos, Christos V Chalitsios, Laura Panisello, Georgios Markozannes, Konstantinos K Tsilidis, Mònica Bulló, Christopher Papandreou. Glycemic index, glycemic load, and risk of dementia: a prospective analysis within the UK Biobank cohort. International Journal of Epidemiology, 2025; 54 (6) DOI: 10.1093/ije/dyaf182
























