早坂吝さんの「VR浮遊館の謎」を読みました
探偵AIのリアル・ディープラーニングシリーズの第4弾です
人工知能探偵の相以と助手の輔は、VRゲームに挑戦することになります
卵型の機械につながれた輔が意識を失うと、次に気がついたときには、相以も実体を持った状態でいっしょに推理ゲームに参加していました
そこには7人の参加者と1人の司会者がおり、それぞれ別々の魔法が使える設定になっています
お互いの魔法を入れ替える魔法もあるので、各人の魔法は固定的なものとは限りません
ゲームが始まると、まるで無重力空間のようにあらゆるものが空中を浮遊しており、おそらくそれは風の魔法のせいだと思われます
ただ、それではわかりやすすぎるので、なんらかのひっかけがあるのかどうか
ほどなくして、参加者に紛れ込んでいたシリアルキラーによる連続殺人が発生します
相以と輔は犯人をみつけだして、ゲームを攻略できるのか?
ヴァーチャルゲームを使ったミステリは、これまでも多数書かれており、1989年に発表された岡嶋二人さんの「クラインの壺」は35年前に書かれたとは信じられない完成度をみせてくれました
その後のものでは、本作の作者による「アリスワンダーキラー」が好みでした
今回は、さらにVRものを追加する意味があるのだろうと期待していたのですが、8つの魔法の設定がけっこうごちゃごちゃしていて、わかりにくいところがありました
しかし、それは作者が最後にもってくる大技のためにはしょうがない
ワンアイデアを強引にものにする技量はさすがですね
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