使いやすい不動産鑑定書をエクセルで簡単に作る方法 -3ページ目

条件の合うものだけを合計(SUMIF関数)

不動産鑑定の査定表の作成の中で、特定の条件に合致するものの合計を求めたい場面があります。

典型的な例が、テナントロールを入力した後に、
・事務所だけの賃料の合計
・店舗だけの賃料の合計
を求めたいというような場合です。

この際に便利なのが、SUMIF関数です。


【SUMIF関数の基本式】

SUMIF関数の基本式は、=SUMIF(検索範囲,検索条件,合計範囲)です。

『検索範囲』内のセルが、『検索条件』に一致するについて、『合計範囲』で指定した部分を合計してくれます。

ちなみに、検索条件は、
数字やセルならそのまま入力でOKですが(ex.25,E11)、
文字列や式なら『" "』でくくる必要があります(ex.">25","事務所")。


【SUMIF関数の実例】

レントロール分析を念頭に置いて、SUMIF関数を使用してみたのが、以下の例です。

上のレントロール(っぽいもの)から、下の用途別集計を自動計算しています。

$不動産鑑定士のためのエクセル小技・裏技-sumif


分かりにくいかもしれませんが、一番下の柿色で囲った式が、事務所の賃料合計欄に入っている式の内容です。

検索範囲(緑枠)・条件範囲(赤枠)は、相対参照でもかまいませんが、店舗・倉庫にもコピーすることを考えると、上の例のように絶対参照にするか、範囲名を付けるかしておくのが得策でしょう。

上三桁表示を自動で実現(LEN関数)

鑑定業界では、試算価格・鑑定評価額は上三桁表示が慣行になっています。

しかし、ROUND関数は下○桁目という形で処理を行うため、素直にやると物件毎に手動で桁数処理をする必要があります。


もちろん手動でやっても、それほど手間というわけではありませんが、文字数を数えるLEN関数を使用すると、上三桁表示を自動処理することができます。


【LEN関数とは】

まずLEN関数の動きですが、=LEN(数えたいセル)で、セル内の文字列の数を返します(全角・半角の区別はありません)。

ですから、=LEN(試算価格等の生数字のセル)とすれば、試算価格等が何桁なのかを返してくれます。

なお、小数点以下がある場合は、これも数えてしまいますので、実践的には試算価格等の生数字セルには(生数字と言いつつも)ROUND処理をしておいた方が良いですね。

$不動産鑑定士のためのエクセル小技・裏技-LEN



【上四桁目の桁数を取得】

試算価格等の桁数が分かれば、そこから3を引けば上四桁目の桁数になります。

例を挙げてみると、
・試算価格等が8桁であれば、8-3=5桁目が上四桁目の桁数
・試算価格等が9桁であれば、9-3=6桁目が上四桁目の桁数
になります。

$不動産鑑定士のためのエクセル小技・裏技-4TH



【上三桁表示】

ここまでくれば、後はROUND(UP,DOWN)関数と組み合わせればOKですね。
=ROUND(試算価格等,上四桁目の桁数)で上三桁表示の出来上がりです。

*ごちゃごちゃするので忘れがちですが、マイナスは忘れないでください。

お好みで丁寧に指定するも良し(上の例)、一気に指定するも良し(下の例)です。

$不動産鑑定士のためのエクセル小技・裏技-上3

エクセルの文章の行間を空ける

エクセルで鑑定評価書を作る場合に少し気になるのが、そこはかとなく漂よう『エクセル臭さ』(なんとなく『表』っぽくて、簡易評価っぽくなるアレ)です。

これには色々と原因があるわけですが、その中でも『いつもみっちり詰まった行間』は、大きなファクターの一つと言えるでしょう。


この点について、ワードのように自由な行間設定を行うことは、正直に言いまして不可能です。

ただ、以下の2つの方法を選択することで、ある程度は解決可能です。


【1.均等貼り付けor両端揃え】

まず1つ目は、『セルの書式設定』の『配置』タブ中の、縦位置の指定で、『均等貼り付け』または『両端揃え』を指定する方法です。

不動産鑑定士のためのエクセル小技・裏技-kintou


これによって、セル内の文章は、そのセルの縦幅に合わせて均等に張り付けられますので、
・セルの縦幅を広げれば、行間は広く
・セルの縦幅を狭めれば、行間は狭く
なります。

*均等貼り付け・両端揃えですが、横書きの文章について縦位置で使う場合は、どちらの指定をしても同じ動きになります。


この方法の長所は、行間を自由に設定できる点ですが、それは同時に短所でもあって、文章量の違うセルについて行間を同じにするのは神業です。


【2.上付き指定+フォントを大きく】

2つ目は、『セルの書式設定』の『フォント』タブ中で、『文字飾り-上付き』を指定し、(これだけでは文字が小さくなるので)フォントを幾分大きくするという方法です。

$不動産鑑定士のためのエクセル小技・裏技-uetuki


こちらは、(結構広い間隔で)行間が固定されてしまい自由度はありませんが、それを踏まえたレイアウトが可能であれば、常に行間が揃うという長所になります。


個人的には、一つの文章の中では行間を一定に保ちたいので、2.の方をメインに使っています。

ただ、トータル2~3行で、増えたり減ったりしない文章を書く場合は、1.の方が間延びしません。

両方をうまく使い分けられるようになると、かなりワードチックな体裁の文書も作成できるようになりますよ!