粋ざま
先生に初めてお会いしたのは、
とある作品の
裏方兼出演者としてでした。
「尾崎右宗さん、…そう、尾崎紅葉さんを浮かべるわ。もう覚えました」
なんとも
チャーミングな笑顔で、
粋な方だなぁ
という印象でした。
ご一緒した公演の最中はことある事に、スタッフキャスト・ベテラン新人隔たりなく、周りの方へのステキな思いやりを目の当たりにしました。
銀幕の世界、舞台の世界、黒澤明監督をはじめ、多くの作り手や共演者から信頼と尊敬を集める山田五十鈴さん。大女優で大スターです。
スターというのは、
仕事で聴衆を喜ばすだけでなく、生きざまや人間性が関わる人をも幸せにし、周りの人は受けた感動を自然と語り繋いでしまうからスターになるのだと。山田五十鈴さんを見て気づきました。
公演が終わってからも
時折りご連絡をいただいて、
本番の舞台袖、インタビュー番組やドラマ収録に呼んでいただいたり、昼食をご一緒させていただいたり、本当に気にかけていただきました。
気さくにお話しさせていただいた様々が、今にして思うと何気に俳優というものの生き方を教えてくださっていたような。。
先生はいつも
屈託なく笑って
驚かせてくれます。
「あなた、来月あいてる?」
「はい」
「京都で時代劇があんのよ」
「一緒に出てくれない」
「?、、はい!」
「良い役があったからね、推薦してみたの」
さらに
ある日は、
山田先生から帳面を出されると
あなたも一筆くださいな、と。
「芸事の養子会があってね。俳優の後輩達が連名で作ってくれたのよ。洒落みたいなものだけど…(笑)あなたは息子にしたら若くて失礼だから孫かしら」
名だたる俳優や演出家の方々が
名前を連ねていらしゃいます。
大変光栄であり、
恐れ多いですが、、
ありがたく
末席に書かせていただきました。
今にして思いますと、
東宝の後輩俳優をたくさんの方に紹介し、
また見守ってくださったと感じます。
なぜだったか?分かりませんが、、生意気にも先生と臆せずに雑談から芝居まで話す自分を優しく笑って聞いてくださいました。まるで孫が遊びにきたかのように…
今思うと、感謝ばかりです。
「芸に生き、芸に遊ぶ」
とした大女優、山田五十鈴。
粋という言葉が
こんなにもふさわしい人はいません。
優しさと思いやり、
その伝え方まで…
すばらしくて惚れ惚れします。
ふと、
いただいた浴衣を前にして
そんな心地よい思い出に包まれ、
先生の微笑みと
芸への覚悟を思い出しますと
背筋が伸びてきます。
先生、これ着て
お稽古や芝居に励みますね。
ヒゲヨサラバ
有楽町スバル座での公開初日舞台挨拶はなんと、立ち見のお客さままででる盛況ぶり。映画館にはあふれんばかりの人、熱くなります!
1994デビュー
僕の出自、
舞台のことを。
デビューは舞台「アナザー・カントリー」(1994年/演出:釜紹人/アートスフィア)。
イギリス発日本初演、パブリックスクールの人間模様を描いた作品。
TBSで製作され、このオーディションからキャリアがスタートしました。
『舞台という虚構。しかし虚構の中にある真実を見つける作業は、現実をより感じる時間となると思うのです』
舞台は
俳優の軸をつくる。
稽古を重ね、自信を培う作業。
作品を魅力的に…どう伝え動かすか。
台詞は自分の思いにして語るが、そもそも作家の心。そして相手役、カンパニー、演出家と共に作られる。
キャラクターの居場所、相手との距離、リアルに…考えつづけた日々。






















