「さんご いのちのりれー」
源河川の植物Ⅱの1からの続きです!
昼食をすませたら 川歩きです。
今年は梅雨に入っても雨らしい雨もなく
ダムの貯水量は63%で、長い夏をどう乗り切るか
断水になりはしないかと心配しています。
山を被うようにして茂っている樹はイタジイです。
もこもこもこと続く林冠を 現代っ子はブロッコリーのようと
表現します。
イタジイ(スダジイ) ブナ科 常緑高木
イタジイは本土のスダジイと同種とされるようになりましたが
以前はイタジイ(オキナワジイ)として区別していました。
高さ20m、直径1.5mになり、
天然記念物のノグチゲラが巣を作る営巣樹になります。
老木になって出来た樹の洞は、
天然記念物ヤンバルテナガコガネの、住処兼餌となります。
日本で一番大きなドングリがつくオキナワウラジロガシも
近くで見ることができました。
オキナワウラジロガシ ブナ科 常緑高木
奄美大島~西表島に分布する、中・南琉球の固有種で
日本で一番大きいドングリができる樹として有名です。
湿潤で肥沃な所に育ち、大きな板根ができます。
よく似たものに、
ウラジロガシがありますが葉の特徴で判別できます。
オキナワウラジロガシ:葉は細長で縁が波打ち、
先のほうだけに鋸歯がある
ウラジロガシ:オキナワウラシロガシに比べ幅広
葉の縁は全体に鋸歯がある
、
林道沿いでよく見られるエゴノキやショウベンノキ・アカミズキ・
コバンモチ・ショウロウクサギなどが見られました。
一番多いのはイラクサ科のハドノキでした。
エゴノキ エゴノキ科 落葉亜高木
北海道から沖縄まで広い範囲にわたって分布しています。
沖縄での花期は2月から4月、林道沿いで多く見ることができます。
2月の末にやんばるの林道を行くと、敷き詰めるように白い花が落ちているので、車を止めて見上げます。
道の辺の いちしの花の いちしろく
人皆知りぬ 我(あ)が恋妻は
壱師(いちし)の花は、
彼岸花だ定説のようですが、エゴノキ説もあります。
種子はヤマガラが好んで食べるとのことですが
山雀が少ない性か、源河川の砂州(?)には
エゴノキの幼樹がいっぱい生えていています。
ショウベンノキ ミツバウツギ科 亜高木
小便の木 とはよくつけたものですね!
春先に枝を切ると樹液がでることからついた名だといいます。
国内では、四国南部から九州・沖縄にかけて分布しています。
木の高さは4~8mで葉は三出葉で光沢があります。
果実は球形で1cmぐらい。
黄赤色に熟し熟し、よく発芽します。
川の近くや林道沿いでよく見られます。
ちょうど今が花の時期で、
やんばるの林道を行くと見ることができます。
小さな白い花が集まって咲くので、
遠目にはかすんで見えます。
花にはかすかな芳香があり、蝶などがよく集まっています。
アカミズキの名は、
枝が赤味を帯びてミズキに似ていることからついた名です。
コバンモチ ホルトノキ科 常緑亜高木
国内では紀伊半島以南から沖縄にかけて分布し
高さ4~6mになります。
茎は黒褐色で艶があります。
古い葉は紅葉するので、一つの木に紅葉・新芽・
緑の葉が
同時に見られます。
果実は楕円形で1cmぐらい、黒紫色に熟します。
ショウロウクサギ クマツヅラ科 落葉高木
4~8mになります。
国内での分布は、四国南部~沖縄。
クサギの変種で、白い花には芳香があります。
沖縄での方言名はクサギナー(臭木菜)で、若い葉を食用にすることからついた名称です。
独特の臭いのある葉ですが、湯がくと臭いは消えます。
ハドノキ イラクサ科 常緑亜高木
雌花雄花が別々の株に咲く雌雄異株で、
国内では和歌山・伊豆諸島~沖縄にかけて分布しています。
台湾では樹高が10m→沖縄で5m→九州で3mと
北に行くにつれて低くなっています。
果実は半透明に熟しますが、
まーまー食べられるかぐらいの味です。
以前 ハドノキの名称について調べたことがあります。
そのときは、カラムシに対する高知県の方言名が
ハドノキだ、みたいな所にたどり着きました。
高知県または四国の方で、
カラムシやハドノキの方言名(地方名)を
教えていただけると嬉しいです!
しばらく進むと 赤い果実のつくイイギリやゴンズイが出てきました。
イイギリは、まだ緑の果実で目立ちません。
房状に垂れ下がった雄花
3月末に咲き始めた花は
6月になると緑の果実を房状につけます。
イイギリ イイギリ科 落葉高木
雌花雄花が別の株に咲く雌雄異株の木で
高さ15mくらいになるとされていますが
県内ではは5~8mのものが多いようです。
花には花弁がないので雌花は見つけにくいです。
冬になって、本部町の伊豆見辺りを散策すると
ブドウのように垂れ下がった赤い果実がよく見られます。
ゴンズイ ミツバウツギ科 低木
林道沿いや林縁に生える低木で、高さ3~5mになります。
初夏に咲く花は緑黄色をした小さな花ですが
群れて咲くので独特の風情があります。
秋になると、緑色だった果実は赤色→紅色と変化
はじけると中から黒い種子が出てきます。
枝や幹は黒褐色で不規則に白い模様があります。
「さんご いのちのリレー」
歌詞はこちらで!