NHK沖縄放送局戦後70年テーマソング


「さんご いのちのりれー」






源河川の植物Ⅱの1からの続きです!





昼食をすませたら 川歩きです。

今年は梅雨に入っても雨らしい雨もなく
ダムの貯水量は63%で、長い夏をどう乗り切るか
断水になりはしないかと心配してい
ます。





川の中を歩きながら、植物を見ていきます。


山を被うようにして茂っている樹はイタジイです。
もこもこもこと続く林冠を 現代っ子はブロッコリーのようと
表現します。




沖縄山原(やんばる)の森




イタジイ(スダジイ)  ブナ科  常緑高木


イタジイは本土のスダジイと同種とされるようになりましたが
以前はイタジイ(オキナワジイ)として区別していました。

高さ20m、直径1.5mになり、
天然記念物のノグチゲラが巣を作る営巣樹になります。

老木になって出来た樹の洞は、
天然記念物ヤンバルテナガコガネの、
住処兼餌となります。




日本で一番大きなドングリがつくオキナワウラジロガシも
近くで見ることができました。




オキナワウラジロガシ  ブナ科  常緑高木


奄美大島~西表島に分布する中・南琉球の固有種で
日本で一番大きいドングリができる樹として有名です。


湿潤で肥沃な所に育ち、大きな板根ができます。

よく似たものに、
ウラジロガシがありますが葉の特徴で判別できます。

オキナワウラジロガシ:葉は細長で縁が波打ち、
              先のほうだけに鋸歯がある

ウラジロガシ:オキナワウラシロガシに比べ幅広
         葉の縁は全体に鋸歯がある

         






水量が少なく浅瀬続きなので、歩はどんどん進みます。



林道沿いでよく見られるエゴノキやショウベンノキ・アカミズキ・
コバンモチ・ショウロウクサギなどが見られました。

一番多いのはイラクサ科のハドノキでした。







エゴノキ  エゴノキ科  落葉亜高木 


北海道から沖縄まで広い範囲にわたって分布しています。
沖縄での花期は2月から4月、林道沿いで多く見ることができます。

2月の末にやんばるの林道を行くと、敷き詰めるように白い花が落ちているので、車を止めて見上げます。


道の辺の いちしの花の いちしろく
   人皆知りぬ 我(あ)が恋妻は


壱師(いちし)の花は、
彼岸花だ定説のようですが、エゴノキ説もあります。

種子はヤマガラが好んで食べるとのことですが
山雀が少ない性か、源河川の砂州(?)には
エゴノキの幼樹がいっぱい生えていています。









ショウベンノキ ミツバウツギ科  亜高木 


小便の木 とはよくつけたものですね!

春先に枝を切ると樹液がでることからついた名だといいます。

国内では、四国南部から九州・沖縄にかけて分布しています。

木の高さは4~8mで葉は三出葉で光沢があります。

果実は球形で1cmぐらい。
黄赤色に熟し熟し、よく発芽します。







アカミズキ アカネ科  亜高木


国内での分布は奄美大島から八重山で
川の近くや林道沿いでよく見られます。

ちょうど今が花の時期で、
やんばるの林道を行くと見ることができます。

小さな白い花が集まって咲くので、
遠目にはかすんで見えます。

花にはかすかな芳香があり、蝶などがよく集まっています。

アカミズキの名は、
枝が赤味を帯びてミズキに似ていることからついた名です。





コバンモチ  ホルトノキ科  常緑亜高木


国内では紀伊半島以南から沖縄にかけて分布し
高さ4~6mになります。
茎は黒褐色で艶があります。

古い葉は紅葉するので、一つの木に紅葉・新芽・
緑の葉が
同時に見られます。


果実は楕円形で1cmぐらい、黒紫色に熟します。






ショウロウクサギ  クマツヅラ科  落葉高木



低地海岸林から山地林道沿いで多く見られ、
4~8mになります。

国内での分布は、四国南部~沖縄。
クサギの変種で、白い花には芳香があります。

沖縄での方言名はクサギナー(臭木菜)で、若い葉を食用にすることからついた名称です。

独特の臭いのある葉ですが、湯がくと臭いは消えます。







ハドノキ イラクサ科  常緑亜高木


雌花雄花が別々の株に咲く雌雄異株で、
国内では和歌山・伊豆諸島~沖縄にかけて分布しています。

台湾では樹高が10m→沖縄で5m→九州で3mと
北に行くにつれて低くなっています。

果実は半透明に熟しますが、
まーまー食べられるかぐらいの味です。


以前 ハドノキの名称について調べたことがあります。


そのときは、カラムシに対する高知県の方言名が
ハドノキだ、みたいな所にたどり着きました。

高知県または四国の方で、
カラムシやハドノキの方言名(地方名)
教えていただけると嬉しいです! 




しばらく進むと 赤い果実のつくイイギリやゴンズイが出てきました。

イイギリは、まだ緑の果実で目立ちません。




房状に垂れ下がった雄花



3月末に咲き始めた花は
6月になると緑の果実を房状につけます。




イイギリ  イイギリ科  落葉高木


雌花雄花が別の株に咲く雌雄異株の木で
高さ15mくらいになるとされていますが
県内ではは5~8mのものが多いようです。


花には花弁がないので雌花は見つけにくいです。

冬になって、本部町の伊豆見辺りを散策すると
ブドウのように垂れ下がった赤い果実がよく見られます。









ゴンズイ ミツバウツギ科  低木


林道沿いや林縁に生える低木で、高さ3~5mになります。
初夏に咲く花は緑黄色をした小さな花ですが

群れて咲くので独特の風情があります。

秋になると、緑色だった果実は赤色→紅色と変化
はじけると中から黒い種子が出てきます。

枝や幹は黒褐色で不規則に白い模様があります。




「さんご いのちのリレー」 

歌詞はこちらで