2/14会見・ある同時通訳者の視点 | 羽生結弦さんの見つめる先を見ていたい

羽生結弦さんの見つめる先を見ていたい

羽生結弦選手を敬愛しています。羽生さんを応援する素敵ブログ様方を日々の心の糧にしている、ソチ落ち主婦のブログです。(横浜在住)

昨日のNTTのフォトムービー「羽生結弦の7日間」は胸熱でした。
今日は、羽生くんが北京で如何に誠実で真摯であったかについて現地の方の言葉を借りて、お伝えしたいと思います。
具体的には、あの2月14日の記者会見の同時通訳の方に取材した動画が、とても感動的でしたのでご紹介させて頂きます。m(_ _)m
↓ウラネタ情報さま、感謝してお借りします🙇‍♀️

以下に書き起こしさせて頂きます。


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2月14日の羽生結弦選手の特別記者会見は、世界中で同時通訳8カ国語で生中継されました。


通訳担当の李文さんにとって、これはいつもの仕事のようでありながら、常とは違った体験でした。


同時通訳者の李さんは、中国語と英語の同時通訳の担当でしたが、羽生結弦選手の記者会見で自分の声がこんなに多くの人に聴かれることになるとは思っていませんでした。


李さんは、羽生選手の沈んだ口調そのままに、「"还是想做4A"僕はやはり4Aを降りたい(成功させたい)と通訳しました。



北京冬季五輪のメインプレスルームの右側に、小さな黒いブースが並んでいて、そのうちの一つの部屋で李さんともう一人の同僚は、中国語と英語の同時通訳を担当していました。過去のオリンピックでは、同時通訳者は記者の目の届くところにいませんでしたが、北京冬季五輪組織委員会は、通訳ブースを会見現場に移設し、そこに大きな窓を設けました。通訳は防音ガラス越しにインタビューを受ける人の表情や身振り手振りを見ることができ、それがメッセージや感情を伝える重要な役割となっていたのです。

北京冬季五輪の羽生結弦選手の記者会見では、小さなブースそれぞれに世界中から通訳スタッフが集まっていました。


同時通訳は、普段は、(記者会見)現場で専用ヘッドセットをつけている記者しか聞こえないのですが、羽生選手の記者会見では、ちょっとした「サプライズ」がありました。

中国の熱狂的なファンは記者会見の内容を楽しみにしていて、メディアはネットワーク通信で配信する方法がありましたから、様々な手段を通じて中継ライブ配信をすることを決定しました。

これは五輪組織委員会の公式な記者会見ではなく、私的なものだったので、メディアにとって会見映像の著作権についてそれほど心配がないのです。

おかげで、ネット配信で中継される羽生選手の記者会見では、同時通訳する李さんの穏やかでありながら情感の込められた声がインターネットで広がり、多くの人に視聴されました。

また、多くの人々はこの記者会見の特殊性を知りませんが、李さんは最初から分かっていました。

李さんはこれまで30回以上、あらゆる種類の記者会見を体験していました。

通常の記者会見では、広報担当者がアスリートの隣に座っています。ご存知のように、選手の付き添いに見えながら、実は選手を守っているのです。


しかし、羽生選手は一人で壇上にあがり、彼のそばには誰もいませんでした。

壇上には15席もあるのに、真ん中に羽生選手だけが座っているまるで、アイスリンクに一人だけでいるようにも見えました。


「その状況には驚きました。北京冬季五輪で最も多くの記者が参加する記者会見に、最も少ない人数で壇上に立ったのですから。

何の警戒心もなく皆の前に現れた羽生選手、その真摯な姿勢に心を打たれました。」と李さんは言いました。

右にズラリと並んだ黒いボックスが通訳ブースですね

同時通訳者である李さんは、独自の視点でオリンピックを捉えています。人民日報、ニューヨークタイムズ、読売新聞あらゆるメディアに掲載される選手のスピーチに込められた感情やメッセージを、可能な限り正確に伝えます

その李さんが、「羽生選手の記者会見だけは、オリンピック競技大会を超える程の魅力がある記者会見である」そう感じたのは、記者会見が始まる30分前には取材する記者で会場が満席になっていたからです。

羽生選手は、入場すると皆にお辞儀をして一人で壇上へと歩を進めました。


「質問のある方、挙手をお願いします」との司会者の言葉の直後に、手を挙げた羽生選手は会見の質問前に自ら発言して、金メダルのチェン選手を祝福し、氷を作って下さる方々に感謝しました。

既に様々な仕事に慣れている李さんは、通訳の仕事をそつなくこなしますが、防音ガラス越しのプレスルームからは、これまでにない厳粛な雰囲気が漂ってきていることを感じました。


羽生結弦選手は、北京冬季五輪で唯一8カ国語の同時通訳を使用した選手です。金メダルを獲ったネイサン・チェン選手でも5ヶ国語の通訳だけでした。


35分間のインタビューで、羽生選手はすべての質問に真剣に、丁寧に、的確に、そして情感豊かに答え、いずれも心に響く言葉ばかりでした。



「羽生選手がとても誠実であることに驚いています。私はすぐに、その言葉の感情表現に惹き込まれました。」と李さんは言いました。

羽生選手の会見の言葉が、同時通訳によって安定した落ち着いた声で話されているように伝わったとしても、4Aを成功させることができなかった悔しい気持ちが滲んでいました。


インタビューが終わると、羽生選手は立ち上がって会場内の参加記者全員に手を振り、深くお辞儀をしました。

その後生中継が途切れたので、通訳は仕事が終わったと思いましたが、突然、羽生選手がマイクを手に取り、小さなブースに視線を向けたのです。そのままブースの方角を見ながら「通訳の方もありがとうございました。」と感謝を伝えて、2回目のお辞儀をしました。




李さんは「羽生選手から通訳スタッフに向けて感謝の言葉を伝えられるなんて、全く予想していませんでした。」と語りました。

「私は羽生選手が特別に好きというわけではありませんが、その言葉を同時通訳した後に自分は思わず泣いてしまいました。」と、

通訳スタッフに対して羽生選手が感謝するという行為、その予想外の出来事に、李さんは感極まって涙を流したことを語りました。

羽生選手が退場する時には、同時通訳の必要はなくなりました。


羽生選手は記者会見で合計5回のお辞儀をしました。(実際には、入場時の2回を足して7回のお辞儀です)

3回目は壇上から降りる前に記者に向かってお辞儀をして、4回目は壇上を降りた後に、会場にいる人全員に向かって、お辞儀をしました。最後の5回目は、ステージを降りてオリンピックの旗の方を向いてお辞儀しました。李さんは、この最後の一礼を、大勢のカメラマンや現場スタッフに遮られ、通訳ブースからは見ることができませんでした。



しかし、李さんはおそらくこの記者会見をずっと覚えていることでしょう。


人類初の4回転アクセルに挑戦して転倒してしまったけれど、この記者会見から羽生結弦選手の小さな宇宙(魂)が、今も熱く燃え続けているのを感じたのだから。


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以上です。

私も最初にこの通訳・李さんの話を読んだ際には、喉が詰り、同じように泣けて仕方がありませんでした。悲しい

羽生くんの誰にも分け隔てない優しさと礼儀正しさ、羽生くんの4Aへの思い、羽生くんの無念、etc.…色々なものがいっぺんにブワーッと胸に迫ってきたのです。



羽生くんがたった一人で会見に臨んだ、その凄み、その決意、…恥ずかしながら、このエピソードを読むまで、そのことに思い至らなかった自分にも腹が立ちました。


このことは決して忘れない。動画はいつか見られなくなっても、話そのものはここに記録して置こう。そんな思いで、書き起こしをさせて頂きました。


読んで下さった皆様、長々とお付き合いくださり、ありがとうございました。m(_ _)m


↓結羽(ゆう)様、感謝してお借りします🙇‍♀️

全く、同感です。

↓蒼蒼さま、感謝してお借りします🙇‍♀️




会見に関する過去記事です。



↓richさま、感謝してお借りします🙇‍♀️

なるほど、同じフィギュアスケートの記者会見でも、その差は歴然ですね。

メダリスト公式会見(左)、結弦くんの会見(右)

報道陣は忖度なく、正直ですね。



今日も羽生くんを全力応援!ᕦ(ò_óˇ)ᕤ


羽生くんの怪我が早く良くなりますように!

羽生くんが笑ってくださっていますように!

羽生くんの幸せを心から願い、祈ります🙏



画像やTwitterや記事や動画は感謝してお借りしました。


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