4Aが誰でも跳べるって⁉︎ | 羽生結弦さんの見つめる先を見ていたい

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羽生結弦選手を敬愛しています。羽生さんを応援する素敵ブログ様方を日々の心の糧にしている、ソチ落ち主婦のブログです。(横浜在住)

町田樹氏が、NHK「筋肉アワー③」で、「4回転半は練習すれば誰でも跳べます」発言をして物議を醸していますね。

彼は「アクセル」の単語は使わず「4回転半」と口にしました。この場合の「4回転半」とはトーループからルッツまでの5回転の回転不足としての4回転半を指すのか、それとも4回転アクセル(4A)を指すのかその辺は言葉を濁していたように思います。(はっきり言って、アクセル以外で180度余分に回ったら前向きに降りることになりますから、ジャンプとして危険すぎて成立しません。)
でも話の流れから考えれば私達ファンには「4回転アクセル」のことだと一目瞭然ですし、それに新聞テレビで大々的に「羽生結弦がNHK杯で4回転半に挑戦!」と宣伝していたのですから、一般の視聴者の認識も「4回転半」とは「羽生結弦が挑戦しているジャンプ」でしょう。

今回の件は、羽生くんが全身全霊を掛けてチャレンジしてる4回転アクセルを「大したことない」と揶揄したに等しい行為です。
更に印象操作でもあります。フィギュアに詳しくないジャンプの種類を知らない視聴者に対しては、「4回転半より当然(回転数が多い)5回転が難しいに決まっているでしょう」とミスリードしたわけですから。
🇮🇹ダニエル・グラッスル選手が「5回転より4回転半ジャンプの方が難しい」と語っていること、町田さんも知らないはずはないでしょうに。
↑4月の国別での4Aチャレンジ。この左端で呆然と眺めているのが🇮🇹グラッスル選手。

町田さんは先月の「スケートTV」で、『4Aを降りたら、それでもう勝ち!試合終了!』(実は🇨🇦ローマン・サドフスキー選手の言葉)を、ほぼほぼパクって持論を展開していたから、SNSはチェックしているはず。

フジTVでは、「4Aはそれぐらい困難なジャンプだ」の主旨で発言していたのに、放送局によって、コロコロ主張を変えるのでは信用できません。


町田さんもNHKも、なんと間の悪い、ファンの気持ちを逆撫でしてくださる放送を流したものだと、怒ると同時に呆れてしまいました。プンプン


果たして、4回転半のアクセルは、本当に「誰でも跳べる」ジャンプなのか?

ちょっと婉曲的になりますが、
今年4月に発信されたスポニチの記事を紹介しますね。↓


▶︎125点。フィギュアスケート男子で五輪連覇の羽生結弦(ANA)が、人類史上初の成功を目指しているクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)の基礎点だ。

(中略)


 トライ数は1000回を超えたという。それでも、まだクリーンな着氷はできていない。切れ味抜群のトリプルアクセルを跳ぶ羽生にとっても、4回転半は高い壁として立ちはだかる。


 現行ルールのジャンプの基礎点はこうだ。
トーループ(
3T42点、4T9・5点)
サルコー(
3S43点、4S97点)
ループ(
3Lo49点、4Lo105点)
フリップ(
3F53点、4F110点)
ルッツ(
3L59点、4L115点)
アクセル(
3A80点、4A125
点)
フリップまでは
3回転→4回転で基礎点は2倍以上となり、ルッツも2倍近い。だが、アクセルは156倍にとどまる。


 3回転ルッツとトリプルアクセルの基礎点の差は21点だが、4回転ルッツと4回転半(アクセル)の差はわずか1点。今季開幕前、国際スケート連盟(ISU)は4回転ループ、フリップ、ルッツの基礎点を全て110点とするルール改正を行おうとした(のちにコロナ禍の練習状況などを考慮して凍結)が、仮に実行されていても4回転ルッツと4回転半の差は15点だった。

 平昌五輪が行われた1718年シーズンまでは4回転半の基礎点は150点だったが、ルール改正で4回転などの基礎点は下がって、1819年シーズンから現行の点に。下げ幅は4回転半がもっとも大きい25点だった。出来栄え(GOE)の幅が増え、マックスの加点を引き出せば1718年シーズンまでの最大得点を超えるが、減点幅も大きくなったため、容易に成功できないジャンプにとってはむしろデメリットの方が大きい。

125点。前例のない偉大なアタックの対価としては、あまりにも低いのではないだろうか。うがった見方かもしれないが、ISU4回転半は最初から不可能なものとして真剣な議論をしていないのでは、とも思える。3回転ルッツとトリプルアクセルの点差から考えても、4回転半の基礎点の最低ラインは13点後半。3回転→4回転のアップ率から考えると、16点前後あってもいい。


 羽生にとって、4回転半挑戦の源泉にあるものは「納得」だと言う。世界選手権フリー翌日の取材でも、「アクセル跳べないと満足できないので、一生。最終目標は五輪で金メダルではなくて、あくまでも4回転半を成功させること」と話していた。


 北京五輪シーズンとなる来季のジャンプの基礎点変更は現実的ではないとみられる。それでも、願わずにはいられない。超大技が決まった時、羽生はもちろん、歴史の証人となった全ての人が「納得」できるようなスコアであることを。(大和 弘明、杉本 亮輔)

スポニチさん、リスペクト溢れる記事をありがとうございます。4Aの基礎点の不条理さにも切り込んでくださって感謝しかありません。報道側からの問題提起は貴重です。m(_ _)m


さて、何故、3回転ルッツと3回転半であるアクセルとの差が2.1点もあるのか?他の3回転ジャンプ同士の差は1点以内なのに。

答えは簡単、アクセルジャンプが「飛び抜けて難しいから」。

5種のジャンプのうち唯一前向きに踏み切って後ろ向きに降りる、つまり半回転多く回るアクセルは難しい。これはスケーターの共通認識のはず。

これまでの五輪フィギュアの歴代金メダリストの中で、トリプルアクセルを跳べた女子選手は一人もいません。この女子4回転時代到来の中にあってさえ、いまだトリプルアクセルをISU公認大会で成功させている現役女子選手は片手で足りるほど。4回転よりむしろトリプルアクセルの方が難しいという根拠になるのではないかしら。


男子のショートプログラムでは3Aが必須要素だけれど、苦手としている選手は多いです。

3連覇の世界チャンピオンでソチ銀メダリストのパトリック・チャンも3Aが苦手で度々着氷でミス(ステップアウト)していました。

現世界チャンピオンであるネイサン選手も同様に3Aに苦手意識があるらしく、今だに悪い癖が出ては、こんな3A失敗ジャンプを披露しています↓

Sarah様、感謝してお借りします。m(_ _)m




↑彼の場合は着氷ではなく踏み切りに問題大ありですが、ジャッジは着氷のみ注意を払う為、いずれのジャンプも3Aと認定され出来栄え点までついていますむかっ

動画のジャンプはどちらも(離氷タイミングを掴み損ねて)氷上で180度回ってしまい後ろ向きになってから踏み切っている為、3Aとは言えない、そのくせ形だけは3Aに擬態している「ちょろまかし」ジャンプです。(しかも離氷時に右足キックもしているような…これはもうエッジジャンプですらないですあせる)


現3連覇の世界チャンピオンでさえ公式戦(2021アメリカGP)で度々こんな「失敗」をしてしまうほど難しいジャンプ、それがアクセルです。


現五輪チャンピオンの3Aは、絶品です。

羽生くんの3Aは、いつも踏み切りがクリーンで高さ&幅のある雄大なジャンプです。しかも着氷後も綺麗に流れます。↓

↓AMY(エイミー)様、感謝してお借りします。m(_ _)m


↓FS TVさま、感謝してお借りします
昨シーズンの3Aだけを集めた動画です。2つともに本当に美しいプログラムでしたね照れ

ところが、
4回転アクセル(4A)となると、難度は格段にあがり、未だISU公式戦での成功者は誰もいない"夢のジャンプ"となります。
「トリプルアクセル・マスター」と目される羽生くんでさえ「1,000回以上トライして、まだ1回も着氷していない(2021年3月段階)」と語るほど難攻不落のジャンプです。
↓雪丸さま、感謝してご紹介させて頂きますm(_ _)m


ヤグディン、プルシェンコ、フィギュア大国ロシアが誇る2大金メダリストが、挑戦するも結局は断念し、ロシアの重鎮コーチ・ミーシン氏に「自分が生きているうちは見ることはできないだろう」とまで言わしめた鉄壁のジャンプ、それが4回転アクセルです。

そんなジャンプが、「練習すれば誰でも跳べるジャンプ」なはずはないじゃないですか。パンチ!

まず3Aを究極的なまでに習得した羽生結弦選手だからこそ出来る、未知の領域への挑戦なんです!
↓miruruさま、感謝してお借りします。m(_ _)m

↑↓今年4月の国別対抗戦の公式練習での4A挑戦!
羽生くんが実際に4Aにトライし続けて、研究考察を重ねて、たどり着いたメソッドが「4Aと3Aは跳び方が違う別物のジャンプ」→「4Aの跳び方をしなければならない」ということ。

町田さんのように「練習すれば(3Aの延長で)跳べるよ」なんて安直な発想では決して成功することは出来ないでしょう。

4Aの基礎点を下げ続けたISUも、今回の町田氏も、根っこは同じでしょうか。
まるで羽生くんに4Aを跳んで貰いたくないかのようです。もしくは、羽生くんが4A攻略に成功したとしても「大したことじゃない」というネガティヴキャンペーンを張っているかのようです。

せめて、羽生くんの先輩諸氏の方々に、
この前人未到の地図のない挑戦にトライし続ける後輩に温かい励ましを与えて欲しい、せめて見守っていて欲しいと願うのは、決して贅沢なことではないと思うのです。汗


海外のファンの方々の心づくしが、尚更にありがたいと感じられますm(_ _)m

「Get well Soon YUZU」

ユヅ、お早い回復を願っています

↓Shu-Pa!さま、ご紹介ありがとうございます。感謝して貼らせていただきます。m(_ _)m


海外の方の祈りが形となり、こうして日本に、そして羽生くんの元へ届けられる。本当にありがたいことです🙏

国別のチャレンジの後の心温まる光景。
コリヤダくんと羽生くんのグータッチ、素敵です。同じスケーター同士だからこそ分かる4A挑戦の偉大さ!
"勇者"への労いとリスペクトに溢れる胸熱シーンです。照れラブラブ



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