一疋の青猫 -76ページ目

春の岬


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なだらかに 踏み跡のつづく

岬の丘の上 白き灯台

春 まだ浅く 枯草を 風に放てば

沖を 往く船




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それを眺める あなたは すっかり 薄手の春らしく

まだ 冷たそうな 水の色に 後悔の言葉を 投げている





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私は 少し いじわるな気持ちで 面白がって

菫の花に 目を落とせば 何も 聴こえない





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岬を回って 春が来る

一年 めぐって また 春が来る





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先頭で 現れた船は 向かい風に抗って

ここを 目指してきたのだと言う・・・


そして

応える


ここで ずっと 待っていたのだと・・・ 


岬の丘の上 白き灯台




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そんな日には


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悲しみは一つの果実てのひらの上に熟れつつ手渡しもせず

寺山修司




取り立てて なにか 悲しいというわけでもなく

ただ 佇んでいる

そんな日には 夕陽を追うのも 止めにして

一人 目の前の 海を眺めて

なにごともなく・・・

かざした手に 傾いた日は あかく

伸びた影は 連れ立つ 友のようで




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熟れすぎた果実を 空に 放れば

ひろがる 波紋は 悲しみなるか

暗い 海の底に沈む 船のように

気付かないふりで 過ごした時間も

淋しく やさしい 色に 浮かびあがり

ひとり 淋しく ひとり かなしい



処分できない 古い写真のような

やっかいな 気持ちを ここに 抱いて

世の中は 全て

記憶喪失と 歴史修正 自己弁護と 開き直れば



冷ややかなる けものの 眼




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風の日に・・・


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みんな

なにかに招かれています

草は高さに

道は遠さに

空は深さに

人は死と愛に

(吉野 弘)



*    *    *



春に招かれた

風のつよい一日でした

春のつよい風に

一日苦労して 夕暮れです

*

苦労が招いた 訳ではないけど

招くは苦労 ばかりで無いよと

帰り道 渋滞の 湾岸線から

風の立ち去った あと

透明なスクリーンに 描かれた 一枚の絵

やわらかな稜線と 港の街が 暮れて ひとつになりました

もう しばらくすると 出会えない景色です

また

寒くなるまで

風が吹くまで





「 Rachel's Song 」   Vangelis