一疋の青猫 -74ページ目

春の階段


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すみれ 菜の花 蓮華草

水仙 辛夷 沈丁花

春は 折々の花が 刻んだ 階段を

一段 一段

登っては 深まってゆくもの

けれど

今年の春は 少し違って

寒かった 冬の 置土産に

どれも これもが 一遍に やってきました

賑わしさは 活気であり 景気よさでもあるけれど

どこか 慌しく

ステップを 一つ 踏み外しているようで

突然の風に あおられて

転がってゆく 春の帽子と 忘れ置かれた花






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それでも

花びらの上に また 花びらは 重なって

ここに

春を 迎えたのだから

*

いま

一段 上がって 眩しく 足下に 目を遣れば

散り敷かれた 無数の 桜の 花びらは

やわらかく 青い 空の下に あるのだから

今年の春

新しい春

これまでとは また違う 春だけれど

春を思う気持ちは いつまでも 変わり無いから


春に憂い 春に希う






「 CROSS ROAD 」   Mr.Children



Silvery Moonlight


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数日前

今にも 綻びそうな

まるく膨らんだ つぼみを

そっと

眺めている 月がいたよ

*

けれど

人々が 足を止め

空を 見上げる

すっかり 花も見頃 と なったら

いつの間にか どこかに

隠れてしまったね

*

恥ずかしがっているのか

強がっているのか

でもね

素直に 賑わいの輪に 入れないのも

それは それで

なんとなく わかるよ

*

みんな 楽しみにしていたのに

戯れに 雨を降らして

しょんぼりした 顔をする

それを 眺めてみたいと 思う

そんな

意地悪なところが

僕にも あるしね

*

それでも

濡れた アスファルトに 貼りついた

花びらに 目を落とせば

淋しいんだろうね

あの日の 空に 浮かんでいた

月のような

微笑むようで 泣いているような

光の色のようにね






「 Silvery Moonlight 」   松田聖子

のぞまれて


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望まれて 在ることの しあわせよ


かつて 誰しもが


その 眼差しのもとにあり


満開の 桜を見上げてあり


風に舞い 降り注ぐ 祝福の


その ひかりの ただなかに


あなたも


わたしも


在ったことを




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舞う 花びらに 想い起こせよ


*


いま


こうして


桜 見上げて 在ることの


しあわせと


不思議と


有難さと






「 糸 」  中島みゆき