一疋の青猫 -34ページ目

情緒のあまりに花やかなる


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叶わぬものは無いと言いたげなネットの世でも

伝える術がいまだ見つからない 海辺に訪れた早春の甘きその匂い

控えめなその姿にうっかり近づいては眩暈のするような

艶めかしくさえ思えるほどに匂い立つ

いや これこそが

「処女(をとめ)のやはらかな肌のにほひ」

とでも 朔太郎なら言うだろうか


*  *  *


いのちは光をさして飛びかひ

光の周囲にむらがり死ぬ

ああこの賑はしく 艶めかしげなる春夜の動静

露つぽい空気の中で

花やかな弧灯は眠り 灯火はあたりの自然にながれてゐる。

ながれてゐる哀傷の夢の影のふかいところで

私はときがたい神秘をおもふ

万有の 生命の 本能の 孤独なる

永遠に永遠に孤独なる 情緒のあまりに花やかなる。


( 萩原朔太郎 「花やかなる情緒」抜粋 )





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少し首を傾げて咲いている水仙の花は

道端を照らす灯火のようでもある

群れて咲いているようでありながら

ひとつひとつは 淋しげにも見えるのも

うつむいて咲いているせいだろうか


光に誘われる虫たちのように 少し憂鬱げな顔をのぞき込んだ





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「 永遠に永遠に孤独なる 情緒のあまりに花やかなる 」


時に冬へと冴え返る 春まだ浅き岬の丘を


口ずさみながらめぐった


花の姿と甘き匂いと水道を行く船ひかる海・・・






「 悲しみと美 」   CHARA










浮標(ブイ)


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いつまでも飛び立たぬ水鳥の群れは

互いを結び合った浮標(ブイ)だった



「悲しみに暮れて 閉じゆこうとする この世界を解き放ってあげたい」



そんなことを言えば

きっと 笑うのだろう



繋がれているのは おまえの方だと



毟り取られて差し出す羽根と

刻まれて与えられる細切れの時間と



競い合って望んだ 遥けき尖塔の塔屋に見る夢は

かつてどこかで見た夢の焼き直し



繋がれてある檻の中の安堵

刻まれた時間を埋めてゆく玩具



失くしたものは・・・



生を貫いてそのまま死に至る

塊のような立ち止まることの無い時間と

足先の着かぬ深みに そっと身を任せるような畏れと




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昨日も ちらちらと 雪が舞っていました

今年は寒い日が続きます

それでも 日は だいぶ長くなりました








「 ネイティブダンサー 」  サカナクション

※ 思い出のように降り落ちた ただ降り落ちた そう雪になって・・・





北の漁場


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( ※写真とタイトルは合致しません )




♪ 沖は魔物だ 吠えながら

牙をむいてくる

風にさらした 右腕の

傷は守り札・・・




風は冷たいけれど

穏やかな夕べ なんですけれどね



先日 たまたま 下北半島・大間のマグロ漁師の番組を見まして

バックに 北島御大の 「北の漁場」 が流れておりまして

このところ ずっと 頭の中でリフレインしています

かなりの パワー・プレイです




♪ 海の男にゃヨ 雪が巻いて飛ぶ

北の漁場はヨ 男の遊び場サ・・・




雪が巻いて飛ぶこともないこの辺りでは

遊びはもっぱらサーフィンです





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ずっと 昔のこと

冬の知床で スケソウダラ漁船に乗せていただいたことがあります

流氷を掻き分けるようにして進む船の周りには

場違いなほどに愛くるしい アザラシの子供や

こぼれ落ちた魚を 氷をその鮮血で染めながら食べるオオワシの姿

しかし 一旦網を掛け始めれば 怒号も響きます

まさに 「北の漁場」 です

しばらく行くと ボンヤリと見えていた島影の輪郭が冴え

海岸線には建物まで はっきりと見えて来ました


「あ、あれって 北方領土 ですよね ?」

「おう、そうだ」


振り返ると出発した港は すっかり小さくなっています


「だ、だいじょうぶですか ?」

「おう、あいつら (ロシア警備艇) の船はヨ ボロだからヨ 追いつけねえよ !」




♪ 二百浬(カイリ)を ぎりぎりに

網をかけてゆく・・・




さすが 北の漁場の本場


以来

海の男への 憧れと尊敬の念は増して

TV画面に荒波を越えてゆく漁船が映ったりなんかすると

ついつい 見入ってしまうのです




※追記

漁場 → 「ぎょじょう」 ではなく 「りょうば」 でお願いします!







「 抱いて・・・ 」  松田聖子

※ Hold me 嵐の夜はベッドで抱いていてね・・・