河よりも長くゆるやかに・・・

好天に いずこも賑わいの三連休
そろそろ・・・と
日も傾きかけてから 走らせた車
それでもまだ 街は繰り出す 人の波
前車のテールが色を増して
バスの行先表示の向こうに マリンタワーが大きくなってくると
いよいよ 海へと注がれようとする川のように
車の流れも一層 ゆるやかになる
けれど
苛立つことは無い
時間の流れまでもが ゆったりと感じられた
春の日の夕暮れ
*
「 ヨシダアキミだね 」
「 え・・・? 」
「 河よりも長く、ゆるやかに。・・・でしょう 」
ずいぶんと 昔
高層ビルの上階から 暮れてゆく東京の街を眺めながら
流れてゆく車の光の帯を指して 彼女がそう言ったのを憶えている
あれは 新宿だっただろうか ?
ヨシダアキミ が 吉田秋生 で 女性であるとも知らず
けれど 熱心に語る言葉に 読んでないとも言い出せず
懸命に 想像を廻らせながら眺めた
足下遥かに 流れる光に
「 カワヨリモナガクユルヤカニ 」
合い言葉か呪文のように
重ね合わせてみた
あの
春の日の夕暮れ
*
*
*
最近では こちらでしょうか ?

『 海街diary 』
今年の マンガ大賞2013 受賞だそうです
鎌倉を舞台にした物語です
*
個人的には 『櫻の園』などもいいですね
連休でお時間のある方は映画版(中原俊監督)なども
あ
映画は 初版の1990年版が宜しいかと思います^^
花は終わってしまいましたけどね
*
北へと
花を追いかけてゆくのも 素敵です^^
渋滞が無ければ(笑)
「 冷たい頬 」 スピッツ
* 風に吹かれた君の 冷たい頬に ふれてみた 小さな午後・・・
日々、流々。

久し振りに何か書いてみようと思ったら
理屈っぽいことばかりが浮かび その癖 まとまりは無く
そんな訳で ここひと月ほど 出会った花々やフレーズや光景や石ころや・・・
望んでか否かは措いておくとして
しばらく それまでの日常や習慣から
一歩離れて もしくは すっぽりと埋もれて 過ぎていった時間は
慣れ親しんだものも 次第次第に 色褪せて 散りゆく花のようで
私たちは、社会的存在として、<私>の存在理由、価値、目標などをつくり出すという生活の知恵をはりめぐらせて生きている。
しかし、同時に、その生活の知恵は、「いつでも引剥(ひっぱ)げる程度の装飾品」かもしれないという感覚も私たちは隠しもっているのではないだろうか。私たちが、生きもの(生命存在)として、偶然性に満ち、せいぜい100年をしか生きない存在であり、「<在る>ことに、いささかも必然的理由も起源も目標もないという過酷な事実」をわかっているということだ。
( 太田省吾『なにもかもなくしてみる』 )
けれど
筆者は「引剥が」されて見えてくる「過酷な事実」を 決してネガティブに捉えていない
むしろ
生きるあらゆる瞬間が「ただ一回」であり「最初で最後」あるといったあり方
生の貴重さ 奇跡性を 知り得る機会として説いている
愚かな私は 引き剥がされて貧弱な体を晒し うろたえるばかりかもしれないけれど
それでも 失くして初めて見えてくるものがあるだろうと思う
小さな手に掴むものは少なくとも 何が本当に大事であるかは見誤らないでいたいと思った

手詰まりな時は
どうにもやりようも無いので むしろ 意外と時間があったりするので
時には 石を彫ってみたり
石の重みや 色 形 冷たさや 硬さや 指先に感じながら
どんな文字を刻むか
材料となる石も 種々様々なものがあって
ものによっては 既に掘り尽くされてしまい 既に印として彫られたものが流通していたり
誰かが彫った古い印を削り 新たに刻む 消しゴムのようにちびてゆく
じっとして つまらないことが頭を廻るような時には 何かしている方がいい
指先に集中して 何も考えない訳じゃないけど
それは少し 祈りに似ているようにも思う

近所の大衆食堂
小柄なおばあさんが腰を曲げて 更に小さくなって扉を引いた
その日は 春の意地悪か 強い風に押さえられて 扉は応えるでもない
すると
「食堂内禁煙」 表で煙草を吸っていた髭面の大男が おばあさんの背中越しに
ひょいと 扉を引いた
おばあさんは どうして扉が開いたのか分かった風でもなく 疑問に思うようでもなく
それ故に 男に礼を言うことも無く 振り返ることも無く 黙って店内の椅子に座った
こんな感じでいいんだなと なんとなく思った

今年はろくに桜の花を見上げることもせず過ぎてしまいました
メッセージやコメントを頂いたみなさま 何らお返事もせず失礼致しました
少しずつ また 書いてゆけたらと思っています
新緑 若葉を楽しみたいと思います
「 若葉の頃や 」 畠山美由紀
悲しいほどお天気

冬から春へ 或いは 夏から秋へ
松任谷由実の歌に描かれる季節は
移ろいゆく時の情景の 細やかな襞にある
季節から季節へ 渡りする鳥の軌跡を見せるように
少しだけ早く 季節の到来を告げ
忘れてしまう頃に 季節の残照を仄かに点す
*
人は その季節の盛りの 只中にある時は 気付きにくいもの
ひとごとのように 過ぎたあの日の自分が ようやく見えてくるもの
今日という日が 突然降って湧いたもので無いのは当たり前のことで
花も 毒も あの日の萌芽に内包されていたもの
*
だからこそ
「 悲しいほどお天気 」
だなんて 言ってみたくなるような そんな青空を
誰しもが 心のうちに 思い描いてみること
きっと あるんだと思うのです
「 悲しいほどお天気 」 松任谷由実
※ いつまでも 私の心のギャラリーにある あなたの描いた風景は 悲しいほどお天気・・・