一疋の青猫 -156ページ目

April Come She Will



$一疋の青猫



もう 四月


別れがあって 出会いがある




ううん




出会いがあって 別れがある





そして




また 出会いが





履き慣れた靴と 新しいシャツで


生まれ変わった 四月を 歩く










みんな かわいいね~








木蓮と辛夷



$一疋の青猫




これって モクレン? それとも コブシ?





この季節

そんな会話を

一年が 廻るたびに

繰り返しているような 気がします




・・・・・・




上を向いて 開くのが モクレン

下を向いて 咲くのが コブシ



コブシは 拳 に通じて




・・・・・・




握りしめた 手をみてごらん


手のひらが 下を向いてるね


うつむいて咲くのが コブシだよ…




・・・・・




いつしか そんな風に 憶えていたのだけれど

本当のところは どうなんでしょうか




・・・・・・




無垢な 白に 


春の日差しのやさしさを


そっと まぶした 花びらは


少し


黄みがかって







この季節 


どちらも 好きな 花の ひとつです








<大きなサイズの画像はこちらからどうぞ>





ほのぐらい


$一疋の青猫


陽が落ちて


古びた 建物の窓に 色が浮かぶ





光もなく ただ 匂いに誘われて


花屋の店先を のぞく





一瞥を呉れて


店員は 仕事にもどり


おもての花々を 仕舞い込んでいる








$一疋の青猫


仄暗い ひかりの中で


意外に 花びらは あかるかった




まるで みずから 輝いているようで




ふわりと 浮かんでいるようで





・・・・・・




 

ほんとうに

そこに いるの











闇の中に手を伸ばす 
 



指先の 触れた



花びらの 一片が



揺れて 落ちる






・・・・・・






「 もう おしまいですよ 」






背中で聞く

唐突な声に



手を引き込める





ひと呼吸おいて

同じ声が




「 もう つぼみも無いですから 」






こちらの 慌てた素振りに

やさしく 声を 掛けてくれた





・・・・・・



宙ぶらりの 手の上で




おしまい







告げられた その 花は


濃さを増した 宵闇に





とても


淋しげに みえた