四畳半神話体系
「四畳半神話体系」は 森見登美彦氏の小説
アニメ化されているので 御存知の方も多いかもしれませんが ご紹介など
もしあの時、別の道を 選んでいれば!
主人公である「私」は 京都に住む 大学三回生
夢想した薔薇色のキャンパスライフとは 裏腹の過去二年間を回想する形式で話は進行する
小説では四話構成 アニメ版では内容を組み直し 十一話の構成となっている
特徴的なのは 各話とも 全く同じ書き出しで 時にテニスサークル また別の話では映画サークル
といった具合に 別の選択をするのだが ことごとく夢破れて いつも望まぬ同様な結末へと収斂してゆく
その話数だけの平行世界(パラレルワールド)が展開し 同じ登場人物 同じエピソードが
語られるが 微妙にズレていったり それぞれの話が奇妙に連関していく
なので 小説においてもアニメにおいても 各話のスタートは いつも 大学一回生の春
書き出しの文章は まったく同じに始まる
この作品において この文体 語り口は なにをおいても魅力なので 少々長いですが引用
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大学三回生の春までの二年間、実益のあることなど何一つしてないことを断言しておこう。異性との健全な交際、学問への精進、肉体の鍛錬など、社会的有為の人材となるための布石の数々をことごとくはずし、異性からの孤立、学問の放棄、肉体の衰弱化などの打たんでも良い布石を狙い澄まして打ちまくってきたのは、なにゆえであるか。
責任者に問いただす必要がある。責任者はどこか。
私とて誕生以来こんな有様だったわけではない。
生後間もない頃の私は純粋無垢の権化であり、光源氏の赤子時代もかくやと思われる愛らしさ、邪念のかけらもないその笑顔は郷里の山野を愛の光で満たしたと言われる。それが今はどうであろう。鏡を眺めるたびに怒りに駆られる。なにゆえおまえはそんなことになってしまったのだ。これが現時点におけるおまえの総決算だというのか。
まだ若いのだからと言う人もあろう。人間はいくらでも変わることができると。
そんな馬鹿なことがあるものか。
三つ子の魂百までと言うのに、当年とって二十と一つ、やがてこの世に生をうけて四半世紀になんなんとする立派な青年が、いまさら己の人格を変貌させようとむくつけき努力を重ねたところで何となろう。すでにこちこちになって虚空に屹立している人格を無理にねじ曲げようとすれば、ぽっきり折れるのが関の山だ。
今ここにある己を引きずって、生涯をまっとうせねばならぬ。その事実に目をつぶってはならぬ。
私は断固として目をつぶらぬ所存である。
でも、いささか、見るに堪えない。
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この軽妙にして重厚 調子の良い語り口が 心地好い
京都の地理・風物 といったものも 良く書き込まれており エッセンスとなっている
主たる舞台となる京都市内 そして 主人公「私」の部屋
この語り口に合う 前時代的な 古いアパートが まさしく「四畳半」なのだが
こればかりは モデル ロケ地となっている 京都大学・吉田寮が 物語を越えているかも
ここは 東大・駒場寮無きいま 日本最古 築百年になろうとする 学生寮だ
まさしく これぞ Chaos 機会があれば ぜひ ここなら学生生活をもう一度 送ってみたい^^
吉田寮については こちらの記事などを→CNN記事:吉田寮
ちょっと脱線しました^^ とりとめ無いですが 読むなり 見るなりが よいでしょう(笑) 名作です!
以下 リンクなどなど
「四畳半神話体系」PV
「迷子犬と雨のビート」 Asian Kung-Fu Generation
四畳半神話体系オープニング曲 吉田寮内部と思われる映像となっています
「神様のいうとおり」 いしわたり淳治&砂原良徳+やくしまるえつこ
四畳半神話体系エンディング曲 以前曲のみ紹介しましたが 名曲なので^^
夏の幻影

駐車場に停めた 車に 乗り込もうとすると
不意に 声を 掛けられた
それは 風に揺れて 擦れ合う 乾いた 貝殻の音
振り返り 立ち止まった 足元に
遅れて 店の奥の 声
「ぜんぶ 手作りですから」

かつて 幼い頃
海辺の 土産物屋で 父親に 貝殻の細工を ねだった
「こんな貝が この海で 採れるわけが無い」
子供に 諦めさせるための 方便だったか どうか
とにかく 目の前の キラキラした 形や模様 そして 色
どこで 採れた なんて 関係ないのに・・・

宿の夕食前 ふてくされ気味の 私に
「降りて来い」 と おもてから 父の声
足洗い場の タイルには 浜辺で 拾ったであろう 沢山の 貝殻や小石
父親の 陽に灼けた 得意げな顔

まるで 想い出の中を 旅するような
懐かしい 風景
かたわらの 灯台に 合わせて
塗られた 柱の色のみが 時の経過を 告げる
いや もしかすると
かつて
既に そうなっていたのかも 知れないけれど
そんなことも 曖昧なほどに
時の 海を 越えて
流れ着いた 夏の 浜辺
貝殻は 遠い 海の 記憶
洗われて まるくなった 小石は 涙のしずく?

カンナの 赤が 燃えて
それ以外は すべて まっしろな
灯台も
柱も
波光も
貝殻も
白い記憶
夏の幻影
「Vacancy」 松田聖子
この曲は、作詞 銀色夏生 作曲 原田真二 なんですよね~。
盛夏

歩いても
立ち止まっても
「 夏 」
という
文字が
首筋から 背中から
したたり 落ちている
そんな 一日
今日は たくさん 流した 夏
あちら こちらに こぼれている
それらを
拾い集め 掻き集め
まとめて
「 盛 夏 」
と 呼んでみようか
いま まさに 夏の盛り
夏という 季節の 一番 高いところを
眺めのいいところを 歩いてる
てっぺんまで くると 春も 秋も 遠くに かすむ
けれど ここからの 夏空が 一番 近い
手が 届きそうだ
・・・・・・・・・
一枚目の写真
夏の 空飛ぶ いるか達
どうも まだ
調教が しっかり 出来て いないようで・・・

風に 乗って 泳いでは
髪に 身体に 絡みつく 曳き綱
簡単そうに みえても
やはり
夏の おもての 仕事
どれも 楽じゃない ですね

百日紅彼は彼女のものになり
※百日紅=サルスベリ
