宮脇 流の「昭和を話そう」 ( BOSSのブログ) -2ページ目

宮脇 流の「昭和を話そう」 ( BOSSのブログ)

70年代や、あの時代に輝いていたアレやコレや。
クリエイティブディレクターが語る、「思い出のエッセイ」です。

ロマンス

今年は戌年。ということもあって、2018年最初の昭和ブログは戌年の歌手の話をしよう。1975年に写真のレコジャケ「ロマンス」で、トップアイドルの仲間入りを果たした岩崎宏美もそのひとり。昭和33年生まれの戌年なのだ。デビュー当時は17歳、抜群の歌唱力が魅力だったけれど、実は媚びない小さな笑顔も新鮮だった。昭和のあの頃には、戌年(つまり昭和33年生まれ)のアイドルが意外と多かった。たとえば、森昌子、桜田淳子、伊藤咲子、相本久美子、ピンクレディーのミーとつづく。それにはやはり、伝説のテレビ番組「スター誕生!」の影響が大きかったに違いない。その番組から文字通りスターへの階段を駆け上がった歌手 森昌子に追いつけとばかり応募した人が、きっと同い年だったのだろう。そう考えてみると、1958年 昭和33年生まれの戌年の人たちが、初めて歌謡界に「アイドル」という地位を築いたと言えるかもしれない。なにしろ、それ以前はスターという言葉しかなかったのだから。ちなみに、巷間 騒がせている小室哲哉も同い年。なるほど、昭和33年生まれの戌年は、アイドルと深く関わった世代なのだと、つくづく思う私である。

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夜間飛行

1972年のレコード大賞受賞曲は、ちあきなおみの「喝采」だった。おおかたの予想(小柳ルミ子の瀬戸の花嫁) をくつがえしての大逆転受賞だけに、その反響は大きく、それ以降「レコード大賞」はヤラセではないという評価が浸透したほどだ。歌の上手さにも定評があったちあきなおみは、翌73年にも写真のレコジャケ「夜間飛行」をヒットさせ、第24回紅白歌合戦にも連続出場している。73年と言えば、オイルショックの年。景気の悪い年は演歌が流行ると言われていたあの頃、演歌ではないけれど、どこか情念を感じさせる彼女の歌が心に響いたのかもしれない。1992年に突如芸能活動を中止。コンサートはもちろん、全てのメディアから自ら消えてしまった。「タンスにゴン」のCMで魅せていた演技が大好きだった私なんかは、驚いたというよりも、ホントに残念でならなかった。最近の歌手やタレントは、すぐに派手な引退会見をするけれど、ちあきなおみはひっそりと、そして完全に芸能界から卒業した。それなのに、今でも新しくリリースされたCDが売れているというから、復活を願うファンは今も多いのだろう。今年も、レコード大賞発表の日は近い。情念を感じさせるような歌手がいないからなのか、すっかりワクワクしなくなったのは、私だけだろうか。

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小林幸子

「紅白歌合戦」の出場歌手が決定すると、子供の頃はなぜかドキドキしていた。誰と誰が対決するんだろう? なんてことが、当時は関心事だったけれど、今はどうだろう。対決相手はすぐにネットでわかるし、辞退する歌手まで増えてきて、きっと昔ほどの期待感はない。豪華衣装対決などと騒がれたあの頃でさえ、もはや懐かしい。写真のレコジャケは、その第一人者だった小林幸子の1980年のスマッシュヒット曲で、「とまり木」。あどけなさがまだ少し残る笑顔からは、やがて彼女が「ラスボス」の異名をとるとは誰も想像できない。ニコニコ動画のユーザーを中心とする若者たちからその異名で呼ばれる様になったというから、ネット住民の発想もなかなかのものだ。国民の誰もが同じ歌を口ずさめた時代は、すっかり終った。紅白歌合戦を観て新年を迎えるなんて慣習も、もう古過ぎる。それならいっそ期待感の薄いNHKの紅白より、ニコニコ動画で、別の「紅白歌合戦」を公開するのも面白そうだ。そんなことを感じながら、今年こそ最期になるかもしれないと、「紅白歌合戦」を観ることにしよう。今年の大トリ、いや「ラスボス」は誰だろう? ひとつの時代の幕を引く、そういう歌手にしっかり歌ってほしいと思う。

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