情念を感じさせたレコード大賞歌手、ちあきなおみ。 | 宮脇 流の「昭和を話そう」 ( BOSSのブログ)

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70年代や、あの時代に輝いていたアレやコレや。
クリエイティブディレクターが語る、「思い出のエッセイ」です。

夜間飛行

1972年のレコード大賞受賞曲は、ちあきなおみの「喝采」だった。おおかたの予想(小柳ルミ子の瀬戸の花嫁) をくつがえしての大逆転受賞だけに、その反響は大きく、それ以降「レコード大賞」はヤラセではないという評価が浸透したほどだ。歌の上手さにも定評があったちあきなおみは、翌73年にも写真のレコジャケ「夜間飛行」をヒットさせ、第24回紅白歌合戦にも連続出場している。73年と言えば、オイルショックの年。景気の悪い年は演歌が流行ると言われていたあの頃、演歌ではないけれど、どこか情念を感じさせる彼女の歌が心に響いたのかもしれない。1992年に突如芸能活動を中止。コンサートはもちろん、全てのメディアから自ら消えてしまった。「タンスにゴン」のCMで魅せていた演技が大好きだった私なんかは、驚いたというよりも、ホントに残念でならなかった。最近の歌手やタレントは、すぐに派手な引退会見をするけれど、ちあきなおみはひっそりと、そして完全に芸能界から卒業した。それなのに、今でも新しくリリースされたCDが売れているというから、復活を願うファンは今も多いのだろう。今年も、レコード大賞発表の日は近い。情念を感じさせるような歌手がいないからなのか、すっかりワクワクしなくなったのは、私だけだろうか。

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