
「紅白歌合戦」の出場歌手が決定すると、子供の頃はなぜかドキドキしていた。誰と誰が対決するんだろう? なんてことが、当時は関心事だったけれど、今はどうだろう。対決相手はすぐにネットでわかるし、辞退する歌手まで増えてきて、きっと昔ほどの期待感はない。豪華衣装対決などと騒がれたあの頃でさえ、もはや懐かしい。写真のレコジャケは、その第一人者だった小林幸子の1980年のスマッシュヒット曲で、「とまり木」。あどけなさがまだ少し残る笑顔からは、やがて彼女が「ラスボス」の異名をとるとは誰も想像できない。ニコニコ動画のユーザーを中心とする若者たちからその異名で呼ばれる様になったというから、ネット住民の発想もなかなかのものだ。国民の誰もが同じ歌を口ずさめた時代は、すっかり終った。紅白歌合戦を観て新年を迎えるなんて慣習も、もう古過ぎる。それならいっそ期待感の薄いNHKの紅白より、ニコニコ動画で、別の「紅白歌合戦」を公開するのも面白そうだ。そんなことを感じながら、今年こそ最期になるかもしれないと、「紅白歌合戦」を観ることにしよう。今年の大トリ、いや「ラスボス」は誰だろう? ひとつの時代の幕を引く、そういう歌手にしっかり歌ってほしいと思う。

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