宮脇 流の「昭和を話そう」 ( BOSSのブログ) -11ページ目

宮脇 流の「昭和を話そう」 ( BOSSのブログ)

70年代や、あの時代に輝いていたアレやコレや。
クリエイティブディレクターが語る、「思い出のエッセイ」です。

東京五輪

連日、日本の快挙がつづくリオ・オリンピック。競泳男子では、800mリレーで52年ぶりにメダルを掴んだ。52年ぶりというと、1964年の東京オリンピック以来になる。高度成長期に突入したばかりの日本の躍進が、そのままメダルの数にも反映した、あの東京オリンピック。金メダル16個、総メダル数29個は、アメリカ、ロシア(旧ソビエト連邦)に続く世界第3位だった。写真は、その感動と興奮がリアルに記録された、ソノシートである。このソノシートは、カルピスが発行したプレゼント品なのだが、以前テレビ東京の「開運 ! なんでも鑑定団」にお宝として出品されたこともある。出品者の本人評価額は25万円だったけれど、実際の鑑定額は確か2,000円だったはず。黒、赤、緑、青、黄色の5色、5枚のソノシートで記録されていて、なかなか豪華ではあるが、発行枚数が多いために価値が低いという理由だった。でも、その録音に耳に傾けると、なぜか気持ちいい風がそよぐ。昭和の風景が懐かしさと一緒に伝わってくるからである。価値はなくても、オリンピックの感動は残る。あの頃の昭和の想い出は、プライスレス。今年のリオ・オリンピックの軌跡もまた、プライスレスなのである。

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あなただけを

夏が近づくと、なんだかふとこんな曲が口をついてくる。♪ああ今年も 南の風に誘われてきたよ♪ と始まる、1976年のあおい輝彦のヒット曲。写真のレコジャケ「あなただけを」である。連綿とつづくジャニーズの初代アイドル、つまり元祖ジャニーズのメンバーとして人気を集めたのがあおい輝彦だということさえ、もう知らない世代も多いだろう。ジャニーズを経てソロに。そして11曲目のシングルがこの曲だけれど、かく言う私も、特に好きだったワケではない。さしてこの曲に想い出もない。ただ、何十年か経つとジンワリと心に懐かしい、そんな曲なのかもしれない。76年頃の歌謡曲と言えば、花の高3トリオにヒデキ、ヒロミ、ゴローの新御三家、太田裕美に岩崎宏美、キャンディーズなど、もっぱら20歳前後のアイドルが全盛。そんな中で、当時すでに28歳だったあおい輝彦のこの曲がオリコンチャート1位に輝いたのだ。歌番組のアイドルに混ざって、大人の曲が顔を出す。音楽はアイドルだけじゃない、若者だけのものじゃないんだぞ! とでも言うように、そんな光景が、昭和のポップスにはちょくちょくあった。ちなみに、76年の年間ランキングの7位が「あなただけを」で、3位が都はるみの「北の宿から」。アイドルの中で、大人も時々健闘していた、あの頃の昭和である。

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赤いカードの丸井

こんな広告を見かけたのが、1978年。赤いカードで有名になった丸井のポスターだ。当時はまだ関東圏だけの店舗展開だったので、関西に住んでいた私は、その東京イメージだけで憧れていた。JCBやVISAカードはもちろんのこと、学生がクレジットカードなんて持てる時代じゃなかっただけに、丸井の赤いカードにはしびれた。夢のまた夢でしかなかった、カードでお支払いという未来が自分にもやって来たような気がして・・。丸井の成功は、月賦で買うカッコ悪さを、クレジットという言葉を活用してカッコよく変えたところ。このポスターを見ても、「ひとりよりふたり。」というコピーが何のことなのかさっぱりわからなかったけれど、なんか新しいようで、都会的だった。丸井は70年代に急成長、物を売るだけでなく、人と人とが出会える店づくりを売りにしていた。当時のコンセプトは、ふたりの丸井だったと後になって知った。だから、コピーが「ひとりよりふたり。」だったらしい。80年代にはDCブランドのブームに乗って、さらに若者を取り込んだ。丸井のバーゲンにDCブランドを求めて全国から大挙した人の波、その中に私もいた。O l O l のマークに引き寄せられて、クレジットで物を買い、そしてバブルへと突入していく。そんな時代の、ひとつの象徴だったのかもしれない。

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