ピンクのスティッチと呼ぶ権利
ピンクのスティッチがワタをふいて倒れていた。
人間も、ワタ(ハラワタ)を出しちゃうときは、とても大変なときなので、このことはピンクのスティッチにとってもきっと大変なことだ。
このピンクのスティッチ、名前を「エンジェル」と言うのだそうだ。
「エンジェル」と知っちゃったから、ピンクのスティッチはピンクのスティッチじゃなくなって、「エンジェル」になってしまった。だから、これからはピンクのスティッチじゃなくて、「エンジェル」だと頭が反応してしまう。
ピンクのスティッチと呼ぼうが、「エンジェル」と呼ぼうが、どちらでも困ることはさほどないだろうに。
「エンジェル」を得て、ピンクのスティッチを放棄してしまった。







