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多量の幸福、多量の悪夢



一見、消火器がたくさんあって頼もしいようにみえるんだけど、これだけあると逆に不安を煽る。よく見れば使い古されたものばっかりで、ただのゴミ。役立つものもこうなりゃ役立たず。数が多い分だけ片付けるのもめんどくさい。
料理なんかもたくさんあるとテンションあがるんだけど、それは食べる前まで。実際食べ始めると想像以上に食べれないし、満腹の状態では食べきれない料理がテンションをさげる要因になる。多けりゃいいってもんじゃない。

たぬきに会いにそば屋にいこう



街中でたぬきに会うには、そば屋の前。一見同じようにみえるたぬきたちにもそれぞれに個性があっておもしろい。
そば屋に行ったついでにたぬきを見るんじゃなくて、たぬきに会いにいったついでにそば屋にはいると、心なしか充実した気分になれる。

紫使うにゃ70年



紫をつかうのは難しい。カラー界の1部リーグに在籍している紫だけど、クセのある色なのでなかなかトップ争いに加われない。
部屋が白一色なら「清潔感あっていいね」といわれ、ピンク一色だと「かわいいね」といわれるかもしれないけど、紫一色だと「どうしたの?」と心配されちゃいます。
そんな気難しい紫を上手に使いこなすのが、おばあちゃん。髪を紫に染め上げようという思考になり、かつ、染め上げても何も言われない存在になるには年月がかかるのです。紫、それは老練の色。

簡易オーロラ



雨の降った後によくあらわれる。日本ではオーロラは見れないし、極地になんかめったにいけないので、どうしてもオーロラが見たいときにはこれで我慢したらいい。とはいっても、この現象も見たいからといってすぐに見れるわけではない。
だからといって、わざわざ探すのはめんど~なので、車の下とかで見つけたときに「あっ、簡易オーロラだ」と取るに足らない幸せにひたれるようになるとたいしたもの。
恋人が「オーロラが見たい!」と騒ぎたてたときはまずこれをみせる。

木製エロチシズム



見ようによっちゃなんだかエロく感じる。ここには自然に存在するものは偶発のおもしろさがある。こういうものって何に見えるかはその人の創造性にかかってくるので、何も感じない人は何も感じなくていいんだけど、曲がった大根をセクシー大根と騒いだり、河原で何かに似た石を何十年も探したりしてるほうが楽しくていい。
木にエロスを感じることを「木製エロチシズム」といってみる。

鳩ゲーム


都会にはやたらに鳩がいる。鳩からみれば都会にはやたらに人間がいるんだろうけど。そんなシティー派の鳩はゲームが好きだ。
公園や駅のホームとかで餌が欲しいのかそっぽを向きながらそしらぬ顔で近寄ってくる。そんなとき鳩と人間との間に微妙な緊張感が生まれる。うっとうしいから追い払らおうと鳩に近づくと、意外にもそそくさと逃げていく。
近寄ってきてたのに、逃げる。
二塁に盗塁を試みる野球選手ばりのゲーム。それが鳩ゲーム。

河川敷には恋のにおい



河川敷には恋のにおいがプンプンする。実際に恋人同士でイチャついてる人たちもいるんだけど、それ以上に河川敷に存在しているだけで恋を感じさせる。
堤に刺さっている赤と青の杭も恋人に見えて仕方ない。
河川敷で男同士2人で歩いていると、友達なんだろうけど恋人同士にみえるし、1人で歩いて遠くを見てる人なんかいると、恋してんだなと勝手に思う。

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