前回の「Web版Excelと Googleスプレッドシート」記事で、シートの保護についてまだアップしていないことに気付きましたので、ここでご紹介します。
なお、デスクトップ版Excelでの保護については「Excel セルの保護・ロック」記事で、Web版Excelでの保護については「Web版Excel 数式セルを保護」記事で、それぞれご紹介していますので、必要に応じてご参照ください。
今回も下図のような表データを含むシートを例に試してみます。
なお、この表データのうち、「合計」列の例えば D3セルには
=LET(上期,B3,下期,C3,上期+下期)
「上期評価」列の例えば E3セルには
=LET(上期,B3,IFS(上期>=1000,"A",上期>=800,"B",TRUE,"C"))
「下期評価」列の例えば F3セルには
=LET(下期,C3,IFS(下期>=1000,"A",下期>=800,"B",TRUE,"C"))
「総合評価」列の例えば G3セルには
=LET(上期評価,E3,下期評価,F3,IFS(AND(上期評価="A",下期評価="A"),"◎",OR(上期評価="A",下期評価="A"),"〇",TRUE,""))
という数式が入力されています。
このシートを開き、[データ]-[シートと範囲を保護]をクリックします。(下図)
画面右側に「保護されているシートと範囲」というダイアログが現れます。(下図)
「+ シート/範囲を追加」をクリックすると、保護すべきシートおよびシート内の範囲を設定できます。
まず「シート」タブを開いて設定してみます。(下図)
「評価表」と表記されているプルダウンリストを開くと、他のシートの保護をここからできます。
このまま「権限を設定」ボタンを押すと、「範囲の編集権限」ダイアログが現れます。(下図)
デフォルトでは 2行めが選択されており、その下のプルダウンメニューが「自分のみ」となっています。
プルダウンすると、「自分のみ」以外に「カスタム」が選択でき、このシートの編集を許可する人を登録することができます。
1行めを選択すると、自分や共有相手も含めシート内で編集しようとすると警告が表示されるようになります。
「完了」ボタンを押すと設定した内容でシートが保護されます。
シート見出しに鍵マークが表示されます。
上記の方法ではシート全体が保護されるわけですが、そのダイアログ中にある「特定のセルを除く」にチェックを入れると、シート内の特定のセルまたはセル範囲を保護対象から除くことができます。
クリックして「データ範囲を選択」枠を選択、シート内の特定範囲、ここでは「上期」「下期」の数値入力蘭(B3:C32)を設定してみます。(下図)
「OK」を押し「完了」ボタンを押すと、この範囲は保護されないので自由に編集できます。
ただし、上記「範囲の編集権限」ダイアログで「自分のみ」としたときは、自分はどこでも編集できますので、自分以外の共有者がその範囲を自由に編集できると解釈してください。
自分も含めてこの範囲以外のセルを編集させたくないなら、「範囲の編集権限」ダイアログで 1行め「この範囲を編集するときに警告を表示する」を選択してください。
こうすると、自分も含めてこの範囲以外のセルを編集しようとすると、下図のメッセージが現れます。
なお、設定した保護を削除するには、[データ]-[シートと範囲を保護]をクリックし、右側に保護されているシート/範囲が表示されたら、それをクリックし、最上段「説明を入力」欄の右にあるゴミ箱アイコンをクリックします。
確認のメッセージが現れますので、「削除」ボタンをして削除します。
次に、「保護されているシートと範囲」ダイアログの「範囲」タブを使ってみます。
保護したいセルまたはセル範囲を設定し「権限を設定」ボタンを押します。(下図)
上記と同様に「範囲の編集権限」ダイアログが現れます。
ここでは、分かりやすいように「この範囲を編集するときに警告を表示する」を選択してみます。
[表示]-[表示]-[保護されている範囲]をクリックすると、保護した範囲に縞模様の背景が表示されます。(下図)
この範囲のセルを編集しようとすると、上記の警告メッセージが現れます。
さて、上記の含めて保護した範囲を編集しようとすれば警告メッセージが現れますが、編集しようと思えば編集できます。
なので、シートや範囲を保護するときは、共有者は信頼できるユーザーのみとしましょう。
あるいは「閲覧者」として共有するようにしましょう。