前回「Excel 動作が重い」記事で、サラッと書き流した「パフォーマンスをチェック」(Check Performance)機能について改めてご紹介しておきます。

この「パフォーマンスをチェック」機能は、Excelブックから不要なデータを取り除き最適化するものです。
Web版 Excelで先行していましたが、デスクトップ版でも利用できるようになりました。

同じブックを長年使っていたり、先輩から引き継いだブックを手直しして使っていると、いつの間にかデータが肥大化し、無用なセルデータや書式設定などが増えていき、ファイルサイズやパフォーマンスに悪影響を及ぼすことがあります。
例えば、過去には書式設定して使っていたセルからデータを削除すると書式だけが残ります。
こうした機能的に役立っていないセルも、数が増えていくとファイルサイズを大きくするだけで、場合によってはパフォーマンスにも影響する場合も出てきます。

そこで「パフォーマンスをチェック」機能の出番です。

ある Excelブックを開き、[校閲]-[パフォーマンス]-[パフォーマンスをチェック]をクリックします。(下図)

 

すると、画面右側に「ブックのパフォーマンス」というパネルが現れました。(下図)

 

「シート別に確認」と表記されているように、ブックを構成するワークシートごとにパフォーマンスをチェックした結果が表示されています。
試しに、一番上にある「目次」シートをクリックしてみると、6ヶ所のセルまたはセル範囲にパフォーマンスを落としうる問題が見つかったようです。(下図)

 

このリストのそれぞれをクリックすると、該当するセルまたはセル範囲が選択されます。(下図)

 

確かに、チェックされたこれらのセルまたはセル範囲にはデータは含まれておらず、過去には何かしらの書式設定などが施されていたものの、現在のシートでは無意味な設定だけが残っているようです。

このパネルの下には「シートの最適化」ボタンがあり、これをクリックするとこのシートについて最適化が行われます。(下図)

 

パネルの一番下にある「もう一度確認」ボタンを押すと、最初のパネル表示に戻ります。
もちろん、最初の「目次」シートは最適化済みなので、リストには現れません。
ブック全体について最適化するなら「すべてを最適化」ボタンを押します。

今回、試しに使って Excelブックのファイルサイズは 1,210,831 バイト でしたが、この「パフォーマンスをチェック」機能により最適化したあとは 1,208,751 バイト でした。
数値的には僅かな低減にとどまりましたが、これがもっと増えてくるとパフォーマンスに影響してくるので、時々はチェックしたほうが良さそうです。

お試しになるなら、元の Excelブックをバックアップし、最適化前後の表示や動作を見比べてみると良いでしょう。

Web版 Excelでも操作はさほど違いはなく、[校閲]-[パフォーマンス]をクリックして起動すれば、上記デスクトップ版と同じように最適化できます。
ただし、編集可能になっていないと [パフォーマンス]ボタンはグレーアウトされていてクリックできません。

なお、Microsoftのサポートぺージ「ブック内のセルをクリーンアップする」もご参照ください。