Office 図として保存」記事や「Excel 図として保存」記事などでご紹介した「図として保存」は目立たない機能かもしれませんが、意外と(?)便利な機能でもあります。
Wordなどの Office文書上の図やグラフを個別に取出して保存でき、別の文書や編集アプリで再利用することができます。

その「図として保存」ですが、Officeアプリ(Word、Excel、PowerPoint)に備わる「背景の削除」や「トリミング」など加工した画像を取り出したときにどのような画像になるのか気になりました。
以下に、その実験の様子をご紹介します。

サンプルとして、Word文書上に下図のような画像を挿入したものを使ってみます。

 

この画像を「図として保存」してみると、2,233×1,489 px、水平/垂直の解像度 330 dpi、240 KB の JPEGファイルとして保存されました。

(1) トリミング

[図の形式]-[サイズ]-[トリミング]してみます。(下図)

 

トリミングされた画像について「図として保存」してみると、610×860 px、水平/垂直の解像度 220 dpi、93.8 KB の JPEGファイルとなりました。
解像度 220 dpiとなったのは Wordのデフォルトの解像度に変換されたためです。
でも、それ以外は合理的な結果となっています。

(2) 背景の削除

[図の形式]-[調整]-[背景の削除]してみます。(下図)

 

背景が透明化された画像について「図として保存」してみると、1,489×993 px、水平/垂直の解像度 220 dpi、107 KB の JPEGファイルとなりました。
ただし、デフォルトの JPEG形式では背景が透明化とならず白色となります。

そのため、透明部分を表現できる PNG形式で保存すると、1,489×993 px、870 KB のファイルとして保存されます。

(3) 解像度

[図の形式]-[調整]-[図の圧縮]を開き、「画像の圧縮」ダイアログで「電子メール用(96 ppi)」を適用してみます。(下図)

 

そして「図として保存」してみると、650×433 px、水平/垂直の解像度 96 dpi、28.3 KB の JPEGファイルとなりました。

次に複数の図について「図として保存」してみます。

サンプルとして、先ほどの写真を 50% に縮尺し、テキストボックスと図形「太陽」を重ねました。(下図)

 

(4) 複数の画像

上図の 3つの画像をすべて選択し、「図として保存」します。
デフォルトでは PNG形式で保存され、写真の外側は透明部分として保存されました。
これを JPEG形式で保存すると、写真の外側は白色領域として保存されます。

いずれの場合も、3つの画像のサイズと配置関係は保たれたまま 1つの画像として保存されます。

もちろん、個別の画像をそれぞれ「図として保存」すれば、1つずつの画像として保存できます。

(5) Excelの表

Excelで作成した表は、表データ範囲を選択し [コピー]して [貼り付けのオプション]-[図]で一時的にシート上に貼り付けます。(下図)

 

そして、貼り付けられた表について「図として保存」します。
PNG形式または JPEG形式で保存します。

塗りつぶしされていないセルは、PNG形式で保存しても、その部分が透明化されず白色の背景となります。
なお、表をコピーし、Wordまたは PowerPointに [貼り付けのオプション]-[図]で貼り付けると、塗りつぶしされていないセルは透明化されているので、PNG形式で保存すれば背景が透明化されて保存されます。

(6) Excelのグラフ

Excelシート上のグラフを選択し「図として保存」します。(下図)

 

このときも PNG形式または JPEG形式で保存できます。

複数の図が集合して 1つのグラフが形成されたと考えれば上記「(4) 複数の画像」の場合と同様に理解できます。
ただし、「プロットエリア」を選択しても右クリックで「図として保存」メニューは現れません。

なお、Excel 2019などでは、グラフを [コピー]し、Wordまたは PowerPointに [貼り付け]、その上で「図として保存」します。
このとき、PowerPointで PNG形式で保存すれば、グラフの背景部分は透明化されて保存されますが、Wordで PNG形式で保存したときは透明化されません。