先の「Excel 複数ルールの条件付き書式」では、対象セルに対して複数のルールを適用する場合の条件付き書式についてお話ししました。
換言すれば、複数のルールそれぞれに対して異なるセル書式を設定するときの方法です。
今回は、1つのルールが複数の条件で構成される場合の条件付き書式についてお話します。

下図の表データを例題としてみます。

 

(1) AND関数で複数条件を設定
上の表で、「性別」が「男」で“かつ”「年齢」が「60歳以上」の行を塗りつぶしてみます。
A2~F11セル範囲を選択し、[ホーム]-[スタイル]-[条件付き書式]-[新しいルール]をクリックして「新しい書式ルール」ダイアログを開きます。
ダイアログの上段で「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選択し、下段の数式欄に「=AND($B2="男",$C2>=60)」と入力、右下の「書式」ボタンを押して塗りつぶしの色を設定します。(下図)

 

「OK」を押すと、この条件に合致する行が塗りつぶされて表示されます。(下図)

 

ここでのポイントは、「新しい書式ルール」ダイアログでの数式設定です。
2つの条件「$B2="男"」と「$C2>=60」との論理積演算するため「AND」関数が使われています。

(2) OR関数で複数条件を設定
今度は「名前」に「山」“または”「川」が含まれている行を塗りつぶしてみます。
A2~F11セル範囲を選択し、[条件付き書式]-[新しいルール]をクリックして「新しい書式ルール」ダイアログを開きます。
ダイアログの上段で「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選択し、下段の数式欄に「=OR(COUNTIF($A2,"*山*"),COUNTIF($A2,"*川*"))」と入力、右下の「書式」ボタンを押して塗りつぶしの色を設定します。(下図)

 

「OK」を押すと、この条件に合致する行が塗りつぶされて表示されます。(下図)

 

ここでのポイントは、2つの条件「COUNTIF($A2,"*山*")」と「COUNTIF($A2,"*川*")」との論理和演算するため「OR」関数が使われています。
また、「山」または「川」を含んでいるか否かのチェックに「COUNTIF」関数を使用しています。
Excel ワイルドカードが使える関数」でご説明した「ワイルドカード」を使ったほうが簡便にできます。

今回は「AND」関数と「OR」関数を使った複数条件による条件付き書式を例示しましたが、「AND」関数と「OR」関数を組み合わせたり、「NOT」関数などを使ってもより複雑な論理式が構成できます。