||Φ|(T|T|)|Φ||    監獄☆日記    ||Φ|(T|T|)|Φ|| -17ページ目

年の暮れ。

 腹痛えなあ、と思いながら「明石家サンタ」を見ていた。

 10年以上前にもやっていた記憶があるから、長い番組だ。

 シリアスな話をした人にトイレットペーパー1年分が当たったり、当時は大笑いしたものだ。

 

 しかし八木ちゃんはすっかり年を取って、おばさんになっていた(それでも美人だが)。

 さんまのテンションは往時のままだが、それでも電話をかけるごとに「番号を通知して…」のアナウンスが入り、興ざめであった。

 あまり面白い話もなかった。それはただ単に、私がふてくされているからそう見えたのだろうか。

 

 最後の最後に、「久しぶりにできた彼氏と添い寝していたら、警察が来て彼氏を連れて行った」というのがあって、苦笑いした。窃盗だそうだ。

 スタジオは爆笑していたが、光景がリアルに想像できるだけに、私には大笑いはできなかった。

 

 刑務所の年末年始は免業日になり刑務作業が免除され、形ばかりのおせちと菓子が出るという。

 もしかしたら年末年始やクリスマスというのは、留置場や拘置所のほうが、やりきれないのではないか。

 

 留置場ではおそらくほんの少しだけ変わった仕出し弁当が出て、あとは本当に何も変わらない時間が過ぎていくのを、じっと耐えるだけだ。

 シャバの正月の記憶を思い出してしまう分、それはきっとほかの時期よりも辛いだろう。

 

 自業自得というには、むごい仕打ちだ。

 それでもがんばってくださいと、ささやかながら祈りたい。

腹が痛え(2)

 今朝の朝日新聞によれば、私の症状はどうも「感染性胃腸炎」というものらしい。

 なんでも、「おなかに来る風邪」という、結構メジャーなもののようだ。

 腹痛・発熱・嘔吐・下痢と、まさに当てはまっている。

 

 寒いほど長生きするというノロウイルスが主な病原体で、予防には「85度以上で1分以上加熱」が効果的だというから、やはりニラまんじゅうが原因のようだ。

 下痢止めを使用すると、病原体を引き止めることになってしまうから使わないほうがいいらしいが、しかし辛い。

 水分補給をしていれば1~3日で回復するということだが、まだ回復の気配はない。

 症状がおさまっても1週間程度はウイルスが排出されるといい、その間は高齢者に接するべきではないとあった。

 正月には親に会う予定だが、間に合うだろうか(そういえば年内に1度、保護司との面接もあった)。

 

今日は、下手な医師の硬膜外ブロックの日だった。

 お子さんのクリスマスプレゼントは何ですか? と聞くと、「i-pod」だと言っていた。

 まだ小学生だというので、PCから取り込むことができるのかと問うと、「いや、この正月休みに教える」ということだった。

 

 看護婦さんの中学生の男の子は、エアガンを欲しがっているが、ご主人は大反対で、学校も「絶対に所持させないでください」と言っているらしい。

 本人は「絶対撃たないし、コレクションするだけだ」と言っているらしいが、どうも心もとない。

 

 だから私は、「やめといたほうがいいんじゃないですかねぇ」と言ったが、なんとなく思っただけで、明確な理由はない。

 もし私に子供がいたとして、本人が納得できる答えをするには、どうしたらいいのだろう?

 

(明日に続く)

腹が痛え

 うちの向かいに認知症(痴呆症)の婆さんが住んでいる。

 昔の人なので捨てられないのか、よく私に「これ召し上がってください」と食べ物を持ってくるが、食べられたためしがない。

 トリ肉、シャケ切り身、いくら、惣菜・・・。

 

 はじめのうちはその婆さんが認知症だということも知らなかったし、「人の家に食えない物を持ってくる」ということが私にとっては想定外で、何度か口にして腹を壊していた。

 

 今回は、ニラまんじゅうだった。

 賞味期限は2ヶ月ぐらい先だったが、それは冷凍保存の場合で解凍後はすぐ食ってしまわなければならず、持ってきたものは解凍してあった。

 やめればいいのに珍しいものだから、レンジで温めて食ってしまった。

 

 翌朝から強い吐き気と強烈な胸焼け、下痢と腹痛で、それが今も続いている。

 とんだクリスマスになってしまった。

 

 来年は食い意地を張らないようにしなければ・・・。

なんか場当たり的というか

 なんか最近の世間のうろたえぶりは、場当たり的な迷走といった感じを受ける。

 女子児童の殺害はたしかに衝撃的で、防げるものは防がなければならないが、これらの事件には、対策に値する共通項があっただろうか。

 

 奈良、栃木、京都と、事件現場は地理的に極端に離れていて、犯人の職業も年代も異なり、うち1人に至っては外国人だった。

 ロリコンの性癖があったのかといえば、京都の大学生はむしろ、小学生を憎んでいたようにも思える。

 

 被害者こそ小学生であったものの、これだけ事件の背景が異なるのに、例えば警備員の配置とか防犯カメラの設置といった画一的な防犯対策で、発生を防ぐことができるのだろうか。

 「なぜ児童を狙った犯罪が起きるのか」を先に究明しないことには、あまり実効性はないのではないだろうか。

 

 それがわからないからとりあえずできるところからやっているのだと言われては返す言葉もないが、保護者がさも恐ろしげに子供の送り迎えをしたり、自転車でパトロールと称して走り回ったりしているのを見ると、なんだか滑稽にも見えるのだ。

 

 四六時中誰かに監視されているような社会を、誰が望むだろうか。

 厳しく管理された社会は、いずれどこかでそのストレスを暴発するような気がしてならない。

 そのとき社会は、膨大なツケというべきコストを払わなければならないだろう。

 

 人手によると機械によるとを問わず、「監視」という行為は、自分たちの首を絞めかねない行為であるということは、自覚しておいたほうがいいように思う。

 

捜査・公判記録を保護観察に活用だとか

 法務省は、保護観察付き執行猶予の判決が確定した人について、本人の生活歴や再犯の恐れなど、捜査・公判過程で得られた情報を検察庁から担当の保護観察所へ連絡する運用を始めた。

 連続女性監禁事件で、検察側が暴行や脅迫の常習性を指摘していたのに、再犯を防げなかったことを重視した。

 

 法務省によると、94年以降、保護観察付き執行猶予の判決を受けた人の再犯・再非行率は35%前後で、ほぼ横ばい。

 法務省は捜査部門との連携を強めて保護観察の実効率を高め、再犯・再非行率の低下につなげる考えだ。

 

 連絡が求められる情報は、薬物使用歴・被害者への加害や再犯の恐れ・自殺、自傷の恐れ、性格、性癖、生活歴など。

 英国では、判決前に保護観察官がこうした情報を調べる「判決前調査」という仕組みがある。だが、日本の刑事裁判には、同様の仕組みはない。

 

 このため、保護観察付き執行猶予者については「ほとんど客観的な情報がなく、保護観察官が、保護者や本人、関係者から話を聞き、それに基づいて保護観察を始めるのが実情」(法務省保護局)だった。

 事件の取調べでは、容疑者や被疑者の生い立ちなどを記した身上調書を取るのがふつうだが、こうした情報は保護観察部門と共有されてこなかった(18日付朝日新聞朝刊より)。

 

 


                 調査票

                   保護観察所の予備調査票

 

 

 保護観察所に最初に出頭すると、「書類を持ってきましたか?」と聞かれる。

 書類とは、検察庁の起訴状のことだ。

 次に待合部屋でもって、上の予備調査票を書くように言われる(記念に写しておいたのだ)。

 

 保護観察官が言うには、「起訴状を読んで初めて、私たちはこの人が何をやったかということを知るわけだから、それがないと何にもわからない」とのことだった。

 

 私はてっきり裁判所なり、どこからかすでに情報が行っているものだとばかり思っていたので、かなり意外だったことを覚えている。

刑罰とは

「13階段 」より

 

「南郷さんは、これが刑務官としての最後の仕事だと言ってました」

「最後の仕事?」

「そうです。あの方は基本的に応報刑思想を支持していらっしゃる。ところがその一方で、教育刑の理想も捨ててはいないのです。罪を犯しても、大多数の人間は更生できる、生まれ変われるんだとね」

 

「刑務所で行われている受刑者の処遇も、同じように曖昧なんです。犯罪者を懲らしめるためにやってるのか、それとも教育を施して、反社会的な人格を強制してやるのか。実際には、人格教育なんかほとんど行われず、規則で縛って働かせているだけなんですけどね。その結果が、再犯率四十八パーセントという惨憺(さんたん)たる数字になっています。つまり出所者の二人に一人が、また罪を犯して刑務所に戻って来るんです」



 

 「応報刑思想」とは、「被害者がやられたことを、刑として加害者にやり返すという思想」のことをいう。

 ハンムラビ法典というのが最古の応報刑思想で、それがいわゆる「目には目を、歯には歯を」というものだ。

 「教育刑思想」というのは、刑務所内で「社会の構成員として必要な教育を施して、有用な社会人としてまた社会に戻す」という考えをいう。

 

 日本は旧時代から、教育刑思想だった。

 欧米がやれギロチンだの火あぶりだのやっているころ、日本では鬼の平蔵が石川島人足寄場(にんそくよせば)を造り、罪を犯したものを収容した上で職業訓練を施し、また社会に戻していたのである。

 

 その輝かしい再教育思想が、明治以降はガタガタにされたと言ってもいいだろう。

 司法の近代化をあまりに急ぎすぎたため、義理人情という形のないものは置き去りにされ、形はあるが即物的なものばかりが、制度に取り入れられた。

 

 また、刑務所の収容者の6割は暴力団関係だという。

 留置場で「男」に聴いた話では、「いちどくらいは懲役に行かないとカッコつかないから、誰かの身代わりになったり、自分で小さい事件起こして行ってくるんだよ」とのことだった。


(そのうち続く)

まずは自分の足元から

「13階段 」より

「法務省はおそらく、監獄法の改正を望んでる。ところが政治家が動かないんで、仕方なくあんな通達を出したんじゃないのかな」

「じゃあ悪いのは、法改正をしない政治家ということですか?」

「表向きにはな。ただ、国会議員が動かない理由も考えなくちゃな。あいつらが動かないのは、犯罪者の処遇、特に死刑囚に関する問題を口にした途端、世間のイメージが悪くなるからなんだ。自分たちの人気取りの邪魔になる」

 


 昨日のニュースだったか、外国人のダンサーや芸能人が日本において人身売買の対象になっているという国際勧告を受けて、入国基準を厳格化するというのがあった。

 外国人のことよりも、今まで散々国連から言われている代用監獄の廃止や、明治時代の法律で運営されている刑務所など、まずは日本人のために変えなければならないことが、ほかに山ほどあるだろうと思う。


 バンザイ突撃や神風特攻隊で散々命を軽視してきたこの国の遺伝子は、人権意識の希薄さという点で、こんにちも引き継がれているようである。

 

お待ちどうさまでした。

 遅れましたが、新ブログを公開しました。

 というか、楽しみに待っていてくださった方がおられたということが驚きで、感謝でいっぱいです。

 

 次回の面接予定は来週ですが、そのときに「保護司手帳」の写真を撮らせてもらえたら、と思っています。

 以前1度だけ見せていただいたことがあるのですが、皮表紙の「法」のマークがかなりレアだし、1ページ目の「保護司憲章」は、本当に素晴らしいことが書いてあります。

 

 そのときは写真もアップしますので、お楽しみに!

保護観察(8)

 先日午前11時に保護司さんのお宅に伺った。

 板塀の民家のガラスのはまった引き戸をカシャンカシャンと叩くと、いつもは「はーいどうぞー!」と保護司さんの声がするのだが、今回は「あいてるよー!」と野太い声がした。

 ご亭主である。


 予期しなかったことに驚き、あ、あの、○○先生は…とたじろいでいると、ガラガラと戸が開いた。

 保護司以外の人に顔を見られるのは、対象者にとってあまり好ましいことではない。

 

 「え? 買い物行っちゃったよ。2時からじゃなかったの?」

 「まあいいよ上がって。すぐ呼んでくるから!」

 なんでも、近所のスーパーに買い物に行かれたばかりだということだ。

 

 いつもは訪問の何十分も前から暖めておいてくれるはずの応接間だが、このときは冷え切っていた。

 やれやれ旦那さんに顔見られちゃったよ、まいったな、などと少し動揺したが、先も長く、いずれは挨拶させてもらおうとかねがね思っていたので、ちょうどよかったといえばちょうどよかったのかもしれない。

 心の準備は出来ていなかったが。

 

 いやーまたポカやっちゃったね! と保護司さんが帰ってきて、暖房を入れてくれ、お茶とお菓子の用意をしてくれた。いつもの面談の風景だ。

 やはり保護司さんの、時間の勘違いだった。

 

 前回は話の最中に、小学校低学年の女の子がいきなり乱入してきた。

 女の子用のピンクの自転車が外にとめてあったから、あまりいい予感はしなかったのだが、お孫さんであった。

 

 部外者に顔を見られたりするのはあまりいい気分ではないが、まあいい。「13階段 」でもあるまいし、このご亭主とお孫さんに限って脅迫もあるまい。

 

 朝飯を食べていなかったので出されたお菓子がおいしく、終わるころには目の前にたくさんの菓子の小袋が並んで、少し恥ずかしかった。

 

 

硬膜外ブロック。

 硬膜外ブロックというのは、技術(医学的には手技という)的に難しい。

 背中の皮膚からは4~7センチ奥の、脊椎の手前にある硬膜外腔という数ミリのすきまに針を進め、麻酔薬を注入するのだ。

 

 私の通っている病院では麻酔科の3人の医師が施行しているが、上手下手の差が激しい。

 効果としてはそれほど差はないが、プロセスが違うのだ。

 

 確率としては1%ぐらいの割合で、硬膜穿刺という事態も発生しうる。

 脊椎を包む硬膜に針を刺してしまうことで、これをやると激しい頭痛で2週間は寝ているだけの生活になるらしい。

 あとは重要な神経の通る脊椎の近くに麻酔薬を注入するので、急激な血圧低下や、下手をすれば呼吸停止もありうるという。

 

 上手な医師の場合は、5分ぐらいで手際よく終わらせるし、何より痛くない。

 下手な医師の場合は、10分ぐらいゴチャゴチャやっているが、背中で起きていることなので自分ではどうなっているのか分からないし、局所麻酔してあるのに痛みを感じるし、終わるまで本当に生きた心地がしない。

 同じ針と器具を使っているのにこれほどまでに違うのだから、不思議なものだ。

 

 できるなら上手な医師に掛かりたいものだが、この病院の医師たちはある医大から来ていて、下手な医師のほうが上手な医師より来る回数が多いのだ。

 まったく困ったものである。

 

 とにもかくにも、硬膜外ブロックをするようになってから、腰痛が劇的に緩和された。

 医師にはよく腰椎ヘルニアの思い当たる原因を聞かれるが、まさか4ヶ月留置場でゴロゴロしていたからですとも言えず、お茶を濁している。