UN-Blog (仮)-カンターテ

もう2ヶ月以上前のことですが、2/22(日)、「ムットーニ ワールド」 プレビュー展に行ってきました。


「映画は映画だ/ジャパンプレミア」 のチケット争奪戦から、思いがけず行けるようになって、舞い上がってた頃で、すっかり書く時期を逸してましたが、せっかく作った “Art” の欄が寂しので、思い出して書きます。(汗)


会場は、八王子市夢美術館。 夢美術館 ... ロマンチック過ぎて、少し照れます。(笑) 八王子駅から、徒歩10分弱。 途中、なかなか雰囲気の良い商店街を抜けて、新しそうなビルの2F。 中は狭いと思ったら、この時は、全体の 1/3 だけ使っての展示だったらしいです。


ムットーニとこの展覧会については、以下、新聞の解説より引用させてもらいます。


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八王子市夢美術館(八王子市八日町8)は1月9日、人形作家・武藤政彦さん(通称=ムットーニ)の作品を紹介する特集展示 「『ムットーニ ワールド』プレビュー」 展の開催概要を発表した。

武藤さんは1956年横浜生まれ。 現在、大阪成蹊大学芸術学部の客員教授を務めながら、東京・国立に居を構え作品の制作を行っている。 作品はキネトスコープ・オートマタ(自動人形からくり箱)と呼ばれ、箱の中に回転する人形を納め、光や音楽、効果音、作者の語りとともに鑑賞する。 昨年はラフォーレ原宿(渋谷区)で 「自動人形師ムットーニ展2008」 を開催。 新作の展示や上演が行われた。

今回の特集展は2009年度に開催が予定されている特別展への導入と位置づける。 武藤さんの代表作 「摩天楼」、「クリスタル キャバレー」、「カンターテ ドミノ」などの作品を展示するほか、会期中には展示室で武藤さんが自ら作品を語り紹介する「上演会」も行う予定。


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ムットーニさんの作品は、以前、「ニュース23」 で紹介された時に見て、素敵だなと思い、その後、CM等でも目にしてましたが、実物をどこで見られるのか分からず、そのままになっていたのですが、今年の初め、NHK の 「私が子どもだったころ」 と言う番組で、ムットーニさんの子供時代の話をやってて、その時また作品を観て、あ~実物を観たいなぁ、と思いネットで調べたら、ちょうどこの展覧会が見つかって、やっと念願叶ったという訳です。 思えば、2月は、色々念願が叶った月でした。 ふふふ。 思い出し笑い~。


話が逸れましたが、展覧会は、思った以上に見応えがあった、というか、凄く嵌まりました。 5、6点の作品が展示されていて、順番に作動されていくんですが、最初はこんなもんかなと、割とあっさりしてる印象で、サラッと観終わる感じだったんですが、後を引くって言うか、一度見ても、また動き出すと、ついそばへ寄って見ちゃう。 で、何度も見てるうちに、段々その世界に入り込んじゃって、なんか止めるタイミングが分からなくなっちゃって、結局3時間近く観てました。 腰痛くなった。(爆) 後ろに人がいると、中腰になったりしてたから。


一番のお気に入りは、「ギフト・フロム・ダディ」。 お父さんの作業部屋で、息子のために手作りしたロケットのおもちゃを動かしてみせる、という設定なんですが、部屋のすごく細かいところまで出来ていて、これは動いてない時も見るとこが一杯あって、ずっと見てても飽きませんでした。 部屋の照明をつるす鎖を天井に止められてる部分が、人か、天使みたいなレリーフになってたのは、感動しました。 本棚とか、壁に掛けた絵、鉛筆や物差し、工具、床に積まれた本、一輪ざしまで本当にきっちり作り込まれていて、あれは動いてない時も明るく照らして、中が良く見えるようにしてほしかったです。(ちなみに、ムットーニさんの作品は、からくりに音楽と光が組み合わされているので、動かした時の光の効果を生かすために、会場内は照明が薄暗く落とされています。) それから、動かした時も、ロケットが箱から出てきてお終いかと思ったら、その背景にもう一つからくりがあって、そのからくりの展開が幻想的で、実に美しく、うっとりしました。


他にも、「摩天楼」 という作品も、夕方から夜へくれていく感じが良く出ていて、素敵でした。 NY の摩天楼を背景にして、ベンチに座るカップルも、少し侘しいような、でもささやかな幸せに満ちているような、ビタースイートなムードで味わい深い。


私は個人的には、作品に解説は不要と思っているので、最初は、ムットーニさんの口上は聞かなくても良いかなと思ったのですが、ムットーニさんの口上は、作品の解説としてだけでなく、口上自体が一種のパフォーマンスとして面白かったです。 美術館へ向かう途中、信号待ちしてる時、隣に立ってる男の人が、少し独特の雰囲気のある印象的な人だったのですが、実は、その人がムットーニさんでした。 口上が始まってその人が出てきて、ちょっとビックリ。 会場内で、ムットーニさんにまた来ましたとか、余所でやった展示会の話してる人とか、話し込んでる人が何人もいて、作品だけでなく、ムットーニさんのファンになってる人もいるみたい。 


全体に、ムットーニさんの作品は、センチメンタルでロマンチック。 光と影、そして音楽。 幻想的で、美しいと、全く私の好みが一杯詰まった世界。 是非、もっともっと、他の作品も見てみたいと思いました。


2月はプレビュー展と言って、この5月末から本格的な展示会が始まります。 展示される作品数も2、3倍になるとか。 この前の嵌まり方からすると、1回では見切れないかも。 今度は1か月以上やるので、何度か通うことになりそうです。